第百三十二話 〜安倍晴明〜
おはようございます!!
ついに目的の安倍晴明の元までもうすぐです!
浮き足立つ気持ちと不安な気持ちが織り混ざって難しい気持ちですね。
この出会いがいいものになるといいですね!!
今回もお楽しみください!!
師匠は色々わからないことがありそうだ。
「……だが、特別危険な感じはしないな。妖力がやけに強いが、俺たちなら問題ないだろう。」
妖力が強い場所に耐性がないものが入ると気分を害したりする。私たちのような鍛えた陰陽師や妖怪なら問題はない。
「結構深いんですか?」
私は、その場所にについて質問をした。
「ああ、結構あるな……。ま、問題ないだろう。」
……??問題ない??
「じゃあ、お先に!」
師匠はお先にと言って穴にダイブした。一直線に穴に落ちていく。お姉ちゃんもフローラも迷わず飛び込む。フローラは飛べるからいいだろうけど。
「え!?流石に私は飛べないよ!?」
私は浮遊の術を行使できない。一体どうしたら。
『行くぞ?』
そう言って空亡が私を急にお姫様抱っこの形で抱えた。急なことにドキッとしたが、そのまま穴に飛び込む。私は心の準備もできていなかったので、空亡に抱きつき叫んでいた。
「ぎゃぁーーーーー!!!」
我ながら色気がないと思ったが、出てしまった叫びは止められないし、変えられない。いや、これは怖いでしょう!?
穴から落ちたあと、地面につく手前でふわっと体が浮く感じがした。空亡が着地と同時に落下を軽減した。そんなことも出来たのか!?私は恐る恐る目を開けた。他のみんなはそれぞれがそれぞれで着地したあと、空間の一点を見ていた。
みんなどこ見ているんだろう……?と思いつつ、私もみんなが見ている方を見た。
そこには、大きな球体状の岩が宙に浮いている。大きさとして直径5メートルくらいの岩だ。その岩からは膨大な妖力が溢れており、それがさっき落ちてきた穴から上に立ち昇っていたとわかった。
そして、その岩の下にひとつの石像がある。その像は人間を模った石像のようだ。陰陽師らしい服装をしている。……もしや……!?
『……晴明……。』
空亡はその石像を見て一筋の涙を流した。どうやら、あれは晴明さんのようだ。空亡からしたら1000年ぶりの相方との再会だ。色々積もる話も気持ちもあるだろう。
―「おっせーーよ!!どんだけ待たせんだ!!?」―
と、いきなり頭の中に声が反響した。え!?誰だ!?
―「俺だよ!晴明!安倍晴明!!五行封印解いたんだろ!?すぐ第三の目が山本に還るって聞いてたんじゃないの!?もう限界なんだよ!!この封印解いたら俺もお役目終わってさよならなんだよ!?」―
え!?第三の目が開放されるのは聞いたけど、晴明さんがいなくなるのは聞いてないぞ!?
―「じゃあ!今言った!!みんなと話したいからちょっと力貸して!?俺に霊力ちょうだい!?」―
あ、例の如く心のうち聞けちゃう人だ。厄介なんだよなぁ。
―「厄介とか言わない!!……おおおおお、ちょっと待って!早くちょうだい!?」―
晴明さんはもうやばいやばい!?と言いたげな声を捻り出しながら懇願した。……まあ、仕方ないよね。ちょっと本気でやばそうだし、手伝おう。
「みんな!手伝ってあげよう!?」
そう言って、私は自分の霊力を晴明さんに送った。空亡も続けて送った。みんなも習って送りだした。
―「……おおお!!ありがとう!ほんっとありがとう!!はぁ、ちょっと楽になった!まじで危うかったわぁ……。あ、安倍晴明です!よろしく!」―
晴明さんは夢の中の晴明さんよりちょっとテンションが高めかもしれない。けど、空亡は特に変なリアクションしていないし、これが素なのかもしれない。それにしても、頭に語りかけるタイプなのだろうか?私の夢の中も言ってしまえば頭の中だ。本人は石像だから動いてないけど、本当にこれがほんたいなのか?
―「そこの空亡に抱えられたお嬢さん?」―
みんなが私の方をみた。
「いつまで抱えてもらっているのよ!?」
っと極姫がつっこんできた。
「あっ!ごめん!空亡!?」
私は咄嗟に謝りながら空亡から降りる。空亡は構わんと言う。そして、さっきの晴明さんの言葉に返事をする。
「私のこと呼びました?」
なんの用だろう?まあ、私には色々聞きたいこともあるだろうけど。
―「君は俺の子孫だね?」―
私のことを言い当てた。
「はい。やっぱりわかります?」
まあ、わかるだろうなとは思いつつも、確認してみた。
―「流石にわかるよ。俺の力の源を持っているからね。それに空亡と仲良さそうだしね!」―
空亡と仲良いのは安倍晴明の子孫あるあるなのか!?安倍晴明一族は空亡と仲良くなれるのだろうか?
「まあ、そうですね。私の血に宿る晴明さんが渡してくれました。色々ありがとうございます。」
とりあえず、私はこの力を持って生まれて来れてよかったので、お礼をいう。そして、今まで封印を維持し続けてくれたことに感謝する。
―「ああ、それはしょうがないよな。人類滅ぶか滅ばないかの選択だったし。君になら渡しても問題ないだろう。」―
晴明さんは自分のやってきたことをしょうがないの一言でくくった。これだけの所業と苦悩を伴う使命をしょうがないですませるあたりは器のでかさを感じる。それと同時に、私を認めてくれた。
―「……空亡。」―
晴明さんはふと、空亡のことを呼んだ。久しぶりに向けられる大親友の呼ぶ声に感激している空亡がいる。
『たわけが……。色々説明が足りん。』
空亡は晴明さんへの悪態をついたが顔は微笑んでいるように見えた。それだけ嬉しいのだろう。
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
安倍晴明登場です!
今までも何回か出てきていますが、それはあくまで思念体のようなものでした。
今回が本体初登場です!!
未来を男にしたような性格で行きたいと思います!!
次回は12/19朝アップします!!




