第百二十七話 〜魂の叫び〜
おはようございます!!
未来と空亡の契約が成されました。
いまだに謎が深い契約ですが、突如として契約することができました。
2人の信頼関係が成せる技って感じなのでしょうか!?
今回もお楽しみください!!
「『契約だ……。』」
私と空亡は2人の間に契約が結ばれたことを確信した。
「空亡……、これって……。」
私は空亡に意見を求めた。
『ああ……。契約……だな。何故……?』
空亡も契約をが結ばれたことは気付いたが、その理由まではわかっていなかった。なにせ急なことだった。
「状況から察するに、2人の絆が強いものになったからと考えるのが定石かな?」
極姫が分析と考察をした。確かにそうとも考えられるけど、それ以外にもなにがあるのだろうか?ソラだって絆が深い存在だと思うし。でも、そう考えるのが1番しっくりくるかな。
「そう言うことなのかな。……空亡はなんか感じることある?私はあんなに枯渇していた霊力が戻った気がするんだけど!?」
そう。私は霊力の枯渇が原因で倒れた。お母さんのおかげで多少回復したとはいえ本来ならまだ万全には程遠いと思っていたが、思った以上に回復している。
『契約の副産物なのか?我は特にこれと言って感じるものはないな。』
色々、まだ解明されていない契約である。わからない事が多くても仕方がないか。
「後で師匠とか長老に聞いてみようか!」
となれば、先輩に聞くべきだろうな。後で、師匠か長老に確認してみよう。
『そうだな。それがいいかもしれんな。平安にはなかったからな。我にもよくわからない。……それで、話は変わるが、昨日の最後のアレはなんだったのだ?』
アレとはきっと真琴との最後のやりとりのことだろう。私はその後すぐに倒れたから、真相は私のみぞ知るって事だから、気になっているのだろう。
私は話を始めた。
「昨日、真琴が言っていたでしょ?私達の事が嫌いって。真琴が何か話した時にソラに心の中の言葉も聞いてもらうことにしていたの。……ねぇ、ソラ。あの時真琴の言葉と心の言葉は一緒だったんだよね?」
私は確認したい事があったからソラに話かけた。
―……はい。あの時の言葉は嘘偽りのない言葉でした。……黙っていてごめんなさい。―
ソラは私に謝った。きっと、感づかれるのは承知だけど、言葉に出してしまったら私が悲しむと思ったのだろう。ソラも優しい性格だ。私は周りの人たちに恵まれているな。
「ありがとう。大丈夫だよ。言ってこない時点で偽りはないんだなって思ったから……。でもね、その後すぐに晴明さんの声が聞こえたの。」
私はその時のことを思い出しつつ話をした。
『晴明……?』
空亡は不思議そうに聞き返した。
「うん。前日の夜、晴明さんが夢に出てきて、「絶対に諦めるな!どうしようもなくなったら力を貸してやる」と言っていたの。それが原因なのか、晴明さんから諦めるな!って言われたの。」
空亡とソラ、極姫は私の話を淡々と聞いてくれている。
「そして、気がついたら右手に晴明さんの霊符が握られていた。きっと晴明さんからのヒントなんだと思って、力を込めたの。その霊符で力を行使しながら真琴と話したら、真琴が話す言葉と同時にもう1人の真琴の声が聞こえたの。」
私もいまだにあの声がなんの声なのかは定かではない。都合よく私が作り出した幻聴なのか、それとも他の何かなのか……。
『それが心の声である可能性は……?』
空亡が質問をしてきた。
「ううん。ソラは嘘をつかないよ。だから、心の声は話していた言葉と一緒のはず。なのに違う声が聞こえたって言うのがわからなくて。やっぱり幻聴だったのかな?」
私は真琴から聞いたあの言葉を信じたいし、本心のように感じた。でも、発した言葉と心の声以外に言葉なんてあるのだろうか?みんなの方を見ると、空亡が何やら頭を抑えて思い出している。
『……いや、なにか聞いた事があるような気がするぞ。実際に話す言葉と心の声以外の言葉。……未来、その時使った霊符を見せてくれるか?』
私はその時握っていた霊符を、空亡に見せる事にした。確か、これだったかな。と、数ある晴明さんの霊符かあの時使った霊符を探して渡した。その霊符を見て、少し考えた空亡は何か思い出したようだ。
『……!!?ッそうか!!』
空亡今までで1番驚いた感じで声を上げた。
「え!?なに!?」
私達もその声に驚いたが、何か思いついたのであれば聞きたい。
『昔、晴明が言っていた事がある。心ですら反論することが許されない呪いが存在すると……。この術式を行使できるほどの腕前を持つものはいないと思っていたが、崇徳上皇の呪いであれば可能かもしれん!』
え!?呪い?真琴は呪いを受けているの!?
『可能性にすぎないが、ほぼ確定だと思う。晴明のこの霊符は呪いのに侵されない、「完全なる個」である魂の声を聴くことができる術が行使できる。昔、晴明がその術をかけられた者の意思を確認するのに開発したものだ。』
魂の声を……?
『以前に長老と小僧の模擬戦の時に、長老が時を止めたろう?あの時も話したが、魂というものは自分以外の影響を受けない。だから、呪いで心の声が制限されても魂だけは自分のものなのだ。心の声と魂は似て非なるものだ。心の声とはただ脳で思考した結果得られた言葉。魂の声とは深層心理に刻み込まれた本当の自分の言葉と考えてくれ。それに魂とは基本的に自分でもアクセスできないから、完全なる自分の言葉なんだ。』
ということは、真琴は本心では……。
『魂の声を聴くことはできないはずなんだが、晴明はその声を聴くことのできる術を開発した。ただ、霊力の消費が激しいのと、人道的によろしくないとかで封印したはずだ。未来が持っていた霊符に「魂」「覗」の文字があったからピンときた。』
空亡は思ったこと、わかったことを細かく教えてくれた。
「じゃあ、私が最後に聞いた声って……!?」
真琴のことを考えて、涙が溢れる。
『そうだな。それが真琴の魂の叫びなんだろう。』
その言葉を聞いて、涙が止まらなくなった。
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
真琴は本当の本当では洗脳されているという可能性が出てきました。
心ですら反論を許さない呪い、、、
とてつもなくひどい呪いです。
もし、そんな呪いにかけられているのであれば、真琴は絶対に救ってあげないとですね!!
次回は12/11朝アップします!!




