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第百二十話 〜第5の封印〜

おはようございます!!

安倍晴明が夢に出てきて、心の中で悩む未来にアドバイスをしてくれます。

なんだかんだで子孫のことが心配なんでしょう。

人生の大先輩なので、いいアドバイスをくれるでしょう!

今回もお楽しみください!!

夢の中で安倍晴明と話をしている中で、私は真琴が本心から私たちといることが嫌だと思っている可能性があることを考えた。いや、もともと心のどこかであったが、考えないようにしていた。それでも、考えなくてはいけない。昼間はそれでも説得してみせるとか言ったけど、説得なんてできるのだろうか。思いの重さが全然違うのではないだろうか?


「私はどうしたら……。」


 夢の中、晴明さんの前でポソッと吐露した。


 ……未来。お前さんは俺の生まれ変わりと言っても過言ではない。……


 ふと、晴明さんが話を始めた。


 ……俺は平安の世で、様々な人や妖怪と出会った。その中には最初は敵だったやつもいたし、仲間だったのにいつのまにか敵になっていたやつなんかもいた。はたまたそいつがまた仲間になったりもした。合うやつ合わないやつ色々いたが、全部俺のわがままで付き合わせた連中だ。……


 ん?何が言いたいのだろう?


 ……まあ、聞け。俺はそんな中、俺の相棒的存在の奴に最後には巡り会えた。だが、そいつとの出会いは酷いものだった。最初から殴り合いの喧嘩だ。お互い気に食わなかったし、敵同士でもあった。だが、次第に俺はそいつをもっと知りたい。こいつと仲良くなってみたいと思った。そいつの気持ちなんて知らねぇ。俺が仲良くなりたかった。だけど、そいつの気持ちも汲んでやらなきゃただのはた迷惑だ。だから、俺はそいつと話す機会がある時に話をしていった。戦いの最中でもお構い無しにな。

 そいつも次第に心を開いていってくれた。敵同士だったが、そいつにとっても俺らといた方が気持ちが楽だったみたいだ。……


 え?相棒的な存在って……もしかして。


 ……何が言いたいかっていうとだな。

 諦めるな。心に決めたなら突き進め。未来が仲良くなりたい、救いたいと思ったならなりふり構うな!!相手の気持ちも大事だ!だがそれも話してみないとわからない。本音で話して嫌いなら嫌いって言われてからが本番だ!自分の思いもぶちまけろ!相手の思いばっかり聞こうとするな!無理矢理にでも自分の思いも伝えろ!がむしゃらに伝えてそれでもダメなら諦めろ!……でも、そんな奴じゃないんだろ?今はまだ信じることができるんだ。精一杯信じてやれ!……


 !?そうか。私は真琴の気持ちを聞こう聞こうと思っていたけど、確かに私の気持ちもちゃんと伝えていないな。それじゃあダメなんだ。お互いに知っていかないと!


「ありがとう!晴明さん!!やってみる!!」


 晴明さんは微笑みながら答えた。


 ……いいんだよ。俺の生まれ変わりだからな。それでももし、迷ったら心の声に耳を傾けろ。少しなら手伝ってやる。……


 晴明さんはその言葉を最後に余韻を残しながら消えていった。私は、また夢の中で眠りについた。


 そして、気がつくと朝になっていた。


 ――朝――


 眠り足りなくなるかと思ったけど、なんとも清々しい寝起きだった。すっきりした気分と気候に全てがうまくいく気さえする。

 今日がいい日でよかった。

 今日は色々なことが起こることが確実だ。気を引き締めていこう。


「おはよう!」


 私は空亡、ソラ、極姫に挨拶した。今日の気合いも込めて。


 ――――――


 そして、舞台は雷電神社へ……。


 集合した私たちのチームは境内へと向かう。ここの封印は本堂の脇にある小さな滝の中から力を感じる。

 もう、この場所一帯は結界の中だ。暴れたところで現世に影響はさほどでない。何故ここが結界内なのか。それは、妖怪が現世で存在するには常に結界を張らないといけないからだ。その結界を透視できる人が見える人と言ったらわかりやすいだろう。

 そして、その結界は強ければ強いほど大きな結界を張ることができる。封印されているどちらの妖怪かはわからないけど、封印されている状態でここまでの結界を維持できる妖怪は強いことに間違いはないだろう。


 私たちは息を呑む。


「ここからでもヤバさが伝わってきますね……。」


 私は声を漏らした。


「……ああ、こりゃやべぇな。久々の強さだ。楽しみだぜぇ!」


 師匠は相変わらずだが、前みたいにがっついた雰囲気が無くなっている気がする。これが、鬼神さんとの話し合いで起こった変化なのかもしれない。死に急ぐような戦いぶりはしなくなったんじゃないかと期待を込める。


 そして、この戦いの先に真琴がいることを信じて。もし真琴と会えたら、まずは自分の思いをぶちまけよう。

 

 裏切られたと思った時はすごく悲しかったこと。

 裏切られたといまだに信じられないこと。

 今でも仲良くなりたいこと。

 私が真琴を大好きなこと。


 全部をぶちまけてその上で真琴の気持ちを聞いてみたい。反応があるかもわからないけど、私は絶対に諦めたくない!晴明さんが言っていたように、突き進んで突き進んでお互いを理解した上で決断を出したい。


 改めて気合を入れる。


 ――パンッ!――


 頬を叩き着付けにする。


「よしッ!!いこう!!」


 まずは目の前の相手に集中だ!!みんなも私の掛け声に各々応じてくれた。

 空亡が私の背中をポンと叩いた。


『我らが付いている。』


 空亡のその一言にさらに元気が出た。私は1人で頑張っているんじゃない。みんなも一緒だ!

 私は封印を解除するために滝の底に向けて力を流し込んだ。


 ―ピシッ―


 封印が解ける時の音だ。

 土蜘蛛の時と同じように妖力の煙が充満してくる。いつもより妖力の煙の量が多い気がする。そして、それは徐々に形を成してくる。

 妖力の量に対して、形成された形は小さい。人間大の大きさだ。つまり、そこに膨大な量の妖力が凝集しているということ。


 ――強い――


 その一言に尽きる。

 形を成したそれは、声を発した。


「くく……、はぁ、久しく感じるこの空気……。感謝するぞ、小娘……。」

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

真琴のことは諦めない。

自分の気持ちも全部伝える。

まずはそれからですね。

そして、気合を入れて最後の封印の日にはもってこいの日となりました!

誰が封印されているのでしょうか!?

次回は12/4朝アップします!!

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