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第百十八話 〜未来の成長〜

おはようございます!!

真琴の状況と今の状況を整理したいということで、一旦こもっていた長老と再度話をすることに。

ショックは大きいだろうけど、それでも行動しないわけにはいかない。

どんな話になるのでしょうか!?

しばらくして長老からちょっと入ってきてくれと言われた。

 私達は大臣室に入り、長老と対峙した。長老はこのちょっとの間ですごい焦燥している気がする。


「まずはお礼を言っておこう。教えてくれてありがとう。正直、まだ、信じられないという気持ちでいっぱいだ。」


 長老は素直に今の気持ちと感謝を述べた。それもそうだろう。いつからかは知らないけど、真琴と1番長い付き合いなのは長老だ。そして、真琴を信頼しマスターキーの権限を与えたのだろう。そんな人物が裏切ったと聞いたのだ。


「そう……ですよね。私も真琴とはまだ短い付き合いですけど、すごく仲良くやっているなと思っていたので、悲しいです……。」


 私も悲しい気持ちはある。長老やキョンちゃんに比べたら劣るかもしれないけど、悲しみは大小ではない。それでも、私の方がまだ立ち直りは早いだろう。だから、ここは私に任せてもらいたい。


「でも、まだ、真琴本人から何も聞いていません。何も言わずに出て行きました。私は真琴の本心を聞きたいと思っています!だから、長老!キョンちゃん!ここは私たちに一回任せてくれませんか!?」


 私は精一杯の気持ちと決意を込めて2人に申し出た。そう、私はただ閉じ込められて一方的に別れを告げられただけだ!真琴からなんの理由も聞いていない。そんな友達を放って置けるわけない!!

 ……もしかしたら、仕方がない事情があるのかもしれない。やったことは許されるものではないけれど、理由も聞かずに当たり散らすのは違うと思う!!


「「……!?」」


 私の言葉に黙ったまま驚いた2人。


「……まさか、未来ちゃんがここまで逞しくなったなんてな。心強いな。」


 長老は弱々しく言葉を紡いだ。


「未来は最初から強い心を持っていますよ。でも、少し甘く見ていました。」


 キョンちゃんも私を少しみくびっていたみたいだ。


「2人ともなかなか失礼ですね!今までの私の成長見てますよね!?」


 私は少し冗談混じりに話をする。少しは場を和ませたい。


「悪かった……。真琴のことを……頼む。」


 長老は私に真琴のことを頼み、キョンちゃんもそれに頷く。私はにっこり笑い……。


「任せなさい!!」


 と、宣言した。


 それと、同時に部屋を出て、チームのみんなに連絡した。


 ―お休みのところすみません。ちょっと話があるので何処かで会えませんか?―


 チームのグループチャットでみんなからすぐに返信が来る。


 全員、これから陰陽省に来るつもりだったらしく、私はここで待っていれば良さそうだった。みんなもただだらけて休むことはできず、何かやることはないかと陰陽省に行こうと考えていたらしい。

 みんな、考えることはおんなじだな。

 ということで、みんなが来るまで少し休憩所で休むことにした。


 ―休憩所―


『随分、大きく出たな。』


 不意に空亡が話をしてきた。


「ん?何が?」


 私はなんのことかわからず、聞き返した。


『長老とキョンちゃんに言った言葉だ。任せろなんてなかなか使わないだろう?』


 さっきの長老とキョンちゃんに話した宣言のことのようだ。


「虚勢がないかって言われたらそんなことはないんだけど、あの場はああ言わなきゃダメな場面でしょ!?それに、あてがないわけじゃないし。」


 私は場の空気を読んだのだ!今回の空気は読まないといけない場面だった気もする。


『あて、だって?』


 空亡はそれよりも、私にあてがあるという発言の方が気になったみたいだ。


「そうそう。今回盗んだのって式盤でしょ?なんのために盗んだかはわからないけど、「厄」に届けるよね?常世への入口って妖力に満ちた場所だったり、不安定な場所に出来やすいでしょ?だから、受け渡しの場所として、最後の封印を解く場所。明日の決闘場所に現れると思うんだ。」


 私は私なりに分析してみてこの答えに行き着いた。確実に来るという確証はない。でも、その予想に縋りたいとも思う。


『……未来。いつの間にかそんなことを考えられるようになったんだな。』


 空亡も感心している。


「ねぇ。みんなして酷くない?私ってそんなにわかってなさそう??」


 みんなして、私が何もわかっていない人みたいに……。


『いや、むしろ、みんな褒めているのだぞ?ちょっと前までは何も知らない一般人。それが、ここまで状況を理解して分析できるようになったと。その成長が早くて感心しているのだ。素直に受け取れ。』


 そ、そっか。


「ありがとう。じゃあ、素直に受け取ります!」


 私は少し悲観的になっていたのだろうか。


『それにしても、先の未来の予想はなかなかいいところをついていると思うぞ?真琴も「厄」との連絡手段はあるにしても、それだけ大事だものだ、直接受け渡しをしたいだろう。そして、おそらく、未来の動向を探っていたのだろう。封印解除の場所にいたり、直前に連絡が来たりしていたしな。おそらく、明日封印を解くことも知っているだろう。そこに乗じて受け渡しをする可能性は高いだろう。そして、その受け渡しには「厄」の幹部クラスが来ることは間違い無いだろう。』


 幹部クラス!?


「え!?そんなのきちゃう!?」


 私は驚いて確認した。


『まあ、そうだろう。受け渡しに失敗は出来ないからな。それなりに信頼のおける人材に頼むだろう。もしくは、真琴本人が常世へ行くことだが、それにしても誰かしらの使者は来るだろうな。』


 なるほど。やっぱり勝負は明日だな。賭けでもあるけど。まずはみんなに報告だ。

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

未来は順調に成長しているみたいです!

みんなを思う気持ちと成長したいと願う気持ちが未来の成長の糧になっているのでしょう。

最後の封印でも大変なことが起きそうですが、無事に真琴を救うことが、本音を聞くことができるのでしょうか!?

次回は12/2朝アップします!!

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