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第百十二話 〜夢の中での出来事〜

おはようございます!!

残すところ後一つの封印と、それを解いた後に待ち受ける最後の封印。

全ては繋がっているのかもしれない。

そんな中、未来の夢に異変が!?

今回もお楽しみください!!

……み……、……い……、……き……ろ。


 ん?なんだ?誰か私のことを呼んでいる?

 どうやら夢の中のようだ。いや、確信はないんだけど、それくらいじゃないとこんな感覚にはならないんじゃないかと思う。周りの空気はちょうど良い気温に保たれて心地がいい。ふわふわのベッドに寝ているかのような感覚。どこからか香るいい匂い。落ち着く匂いだ。

 あー、気持ちいいなあ。夢の中でこんなに気持ちよく寝られるなんて幸せー。

 私は寝ることが大好きだ。現実の私は眠っているのに、夢の中でも気持ちよく眠っている。こんなにいい夢はない。しかもすごい心地いい。


 ……み…く…。お……ろ。


 そんな中、まだ私を呼ぶ声は響いている。ここまでくると、なんか不愉快だなぁ。せっかくいい気持ちで寝ているのに……。


 ……ろ!……ぉきろ!


 うーん。なんか声が大きくなっている気がする。もう、なんか色々と台無しだよぉ〜。


 すると、バチンッと頭を叩かれた衝撃によって夢の中の私は目が覚めた。


「え!?なに!?せっかく寝てたのに!?」


 私は夢の中までも邪魔されるわけにはいかないと憤慨しながら文句を垂れた。


 ……やっと起きたか。太々しいにも程があるぞ?……


 そこには私に似た顔つきの白い狩衣姿の男性が立っていた。身長は170センチくらいかな。空亡よりも少し小さめで髪の毛は真っ黒。長めの髪を後ろで結っている。


「え!?だって私の夢でしょ!?何したっていいじゃない!?」


 私はそんな事はお構いなし。まだ眠さもある、眠りを妨げられたのは腹立たしい!


 ……これが俺の子孫かぁ……。そっくりだなぁ。……


 ん?んん??なんだって!?


 ……俺は安倍晴明だ。未来のご先祖様だよ。……


「え!?なんで!?ああ!夢か!!」


 私は昨日、安倍晴明の話をしたからこんな夢を見ているのか。それにしても明晰夢?っていうのか?すごいリアルだなぁ。


 ……いやいや、気付けよ!?俺の精神を未来の夢に飛ばしているんだよ!?……


 自称、安倍晴明は私に説明した。


 ……自称じゃねぇよ!本物だよ!?……


 え!?心の中を読まれている!?


 ……そりゃ夢だからな。ほぼ精神の中だし。……


 なんてこった。


 ……こっちのセリフだ。……


「あ、じゃあ、えっと……、ようこそ、私の夢の中へ……?」


 無理がある!?


 ……いや、もういいよ。とりあえず、本題だけ伝えておくよ。……


 あ、そうだよね。わざわざきたって事は何か用事があったんだろう。なんで今?どうやって?とか色々疑問はあるけども。


 ……それは後で答えてやる。先に()()を受け取ってくれ。……


 そう言って、晴明さんから渡されたのは拳大の球体だ。暖かくて気持ちいい。さっきまで私が心地いいと感じていた温度と匂いがこの球体からする。


「……これは??」


 私は渡されたのはモノがなんなのかわからなかった。


 ……それは、俺の力の源だ。未来の身体も鍛えられてきて、力を巡らせる回路も安定してきた。今なら、この力を解き放っても大丈夫じゃないかと思ってな。……


 という事らしいが、今までの私の成長を見ていたという事か……??


「晴明さんの力の源?今なら?」


 私は説明を求めた。


 ……その力は元々未来の中にあったものだ。本当を言えば、俺の血に込められた力だ。俺の血筋の者なら誰しもがこの力を発する条件を満たしている。……


 なるほど。安倍晴明の血に受け継がれる力というわけか。


 ……未来は他にも、俺に似た点もあるし、空亡ともうまくやっている。それらがあったから発動できた。ただ、この力は未来に発生したらもう、他の子孫に発動することはない。未来だけの特別な力だからな。喜べ。……


 そう言われても、どんな特典があるかわからないからなぁ。何言っているんだ、このご先祖は。


「この力ってどんなことができるんですか?」


 私は素直に聞いてみた。


 ……心の声、聞こえてるの理解しているよね?……、まあ、いいか。特典は色々あるが、まずは図録の妖怪の強化だな。召喚した妖怪の耐久と攻撃力アップだ。他にも燃費が良くなったり、より複雑な術式の行使もできるようになるな。……


 おお、すごい。なんか宣伝受けてるみたい。


「すごいですね!」


 素直に喜んだ。これからの相手は一筋縄ではいかないから、自身が強化できるのであれば助かる。


 ……俺の力って言っても、元々、未来の中にあった力で、それを解き放てるまで鍛えたのは他でもない、未来自身だ。自分を誇れ。だが、慢心するんじゃないぞ?この力をみんなを守るために使って欲しい。……


 晴明さんは本心で私に懇願してきた。


「もちろん、そのつもりですよ!」


 もちろん、みんなのため、空亡の為にこの力を、いや、私の力全てを注ごう。


 ……ありがとう!あ、それと、今ここで話している俺は、未来の中に流れる安倍晴明の血に込められた魂が基になっている。今、せっせと封印に勤しんでいる俺とは繋がっていないから、よろしくな!ちなみに、ここでの出来事は空亡も感知はできないだろうから、よろしく言っておいてくれ。……


 晴明さんは最後にそう言って挨拶をして、フッと消えてしまった。取り残された私の手には晴明さんから授かった力の源が乗っている。その塊が、不意に動き出し、私の胸から内側に入っていった。

 とても暖かく、優しい感情が伝わってくる。

 託された思いを胸に、私はまた眠りについた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

何と、未来の中に流れる安倍晴明の血に込められた意思が未来の夢に干渉してきた!?

安倍晴明の未来のコントのようなかけ合いもあります。

楽しんでいただけだでしょうか!?

次回は11/26朝アップします!!

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