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第百五話 〜経験〜

おはようございます!!

未来たちはやっと休みを取れるそうです。

ですが、休みもとっていられない状況です。

どうやって過ごしていくのでしょうか!?

また、鬼神さんと空亡の仲も気になります!

今回もお楽しみください!!

明日は休みとなった。この2日間は大分濃密な時間を過ごした。ただ、この2日間で気になったことが2つほどある。

 

 一つは、鬼神さんが言うところの空亡の弱体化。

 もう一つは、師匠の異常なまでの強さへの執着。

 

 空亡は弱体化とは言うが、正直今でも十分な強さである。だが、これ以上の強さだったことを考えるとどうしてだか気になる。


 師匠の強さへの執着は本気で気に食わない相手でも、強くなれるぞの一言でプライドを投げ捨ててまで飛びつく貪欲さ。今までは強いものたちと戦うのが生き甲斐と感じていたけど、裏を返せば強さを求めるあまりの行動であるとも考えられる。


 師匠の話は気軽に聞ける話でもなさそうだし、いつか話してくれる時が来るのを待とうかな。

 空亡は『後でな』と言っていたので、聞いても問題はなさそうだ。ちょうど今は鬼神さんもいるし、聞いてみるのもいいかな?


「ねぇ、空亡?鬼神さんが言っていたけど、もっと強かったの?今でも十分強いとは思うけど……?」


 少し考える仕草をして空亡は答えた。


『純粋な腕力や能力の幅だったり妖力の大きさだったりする部分に関して言えば、我は昔より……、鬼神と出会ったころに比べたら弱くなっているのは間違いないな。』


 空亡は鬼神さんの言葉を肯定した。


「やっぱりな。妖力の絶対量とか低くなってるよな!?」


 鬼神さんも興味がある話のようで、話に混ざってきてくれた。やはり鬼神さんは空亡の弱体化を確信したようだった。


『我の能力に「本質を変化する」というのがある事は知っているだろう?』


 私は頷いた。空亡からも何回かその話は聞いている。鬼神さんもそれについては承知しているようだ。


『本質を変えるには制約があってな。変えた後は妖力や身体能力に著しい低下が起こるのだ。』


 なんと!?


「え!?そんな制約があるの!?」


 私は驚いた。だが、本質とは魂にアクセスする事。本来なら誰にもできない所業だ。それくらいの制約があって然るべきものなのかもしれない。


「なるほどな。それで、そんな弱っちくなっちまったのか……。また、やり合いたかったのに。まだお前には一度も勝ててねぇからな。」


 鬼神さんも状況は理解したらしく、残念がっている。そして、驚いたことに、以前の空亡には勝ったこともないらしい。


『ふふ。別に我は構わんぞ?一度試合ってみるか??』


 ??いつになく空亡はやる気がある?虚勢をはりたいのか?いや、空亡に関してそれはないだろう?

 じゃあ何のために……??


「いや、今のお前とやったところでつまらねぇ。」


 対する鬼神さんは乗り気ではない。


『そうか?まあ、片腕だしな。我に負けても言い訳はいくらでもできるしな。それとも今、勝っておいて勝ち越しておくか?いいんだぞ?今の弱い我ならば、すぐに倒せよう?』


 空亡はニヤニヤしながら鬼神さんを挑発している。


「……いい加減にしろよ!?……そこまでいうなら、やってやろうじゃねぇか!?いくぞッ!!」


 空亡の挑発にのって空亡に突っ込む鬼神さん。力の差は歴然だ。封印から解き放たれた直後ではあるが、元気はみなぎっていそうだ。

 鬼神さんは高速で空亡との距離をつめる。すぐさま拳を振り上げ空亡へ向かう。だが、それはフェイントだった。意外にも冷静に戦うスタイルみたいだ。空亡はその拳を止めようとするが、フェイントだったことに気づくのが少し遅れた。

 フェイントに隠れて本命の蹴りが逆から繰り出される。空亡はそれを顔面に受けるような形で待ち構えている。


 ……危ないッ!!


 私は咄嗟に空亡にその蹴りが当たると思い目を閉じてしまった。


 ドカンッ!!


 何かが衝突する大きな音とともに私は恐る恐る目を開ける。ここまでの攻防は1秒にも満たない。

 だが、その目の前に見える光景は想像とは全く逆で、うつ伏せに倒された鬼神さんの頭を手で、背中を膝で抑える空亡という場面だった。

 鬼神さんは気を失っているようで、ピクリとも動かない。さっきの大きな音は鬼神さんが地面に倒された音か!?

 そして、目が覚めて正気に戻った鬼神さんは、


「……は?」


 と、すっとんきょうな声を吐いていた。


『力やその総量が全てではない。我が存在していた長い時間の全てが我の経験となっているのだ。』


 空亡は力では思っていても、強く在ることはできると証明してくれた。


「おいおい、それくらいは俺でもわかるぞ?だが、お前から感じる波動は経験だけで覆せる力量じゃないぞ?」


 そうだ、それくらいはわかっているから師匠にも指導をできると豪語したのだ。それが覆ってしまったら元も子もないぞ?


『だろうな?鬼神は指導者として最適だとは思う。鋭敏な感性にその膂力(りょりょく)、頭脳や能力からしても申し分ないだろう。だからこそ、我の存在を知っておいて欲しかった。我はこの力の隠蔽を「厄」に潜入している時に物にした。つまり、「厄」の幹部連中は皆、その力の一端を見せているだけに過ぎない。まあ、要は、

「油断するな。」

 ということだ。あわよくば、突破口を見つけてくれると嬉しいな。』


 空亡は鬼神さんとの試合をして実際に感じてもらいたかったようだ。確かに、実際に感じてもらった方が何かと理解しやすい。


『本質を変化して力が減った事は事実だが、今は鬼神と出会った時の8割くらいまで来ている。小さく見せていただけだな。』


 空亡はそれでも全盛期に比べるとまだ追いついていないことを明かした。


「何だよ。それならそうと言ってくれれば……。いや、言ったらこうはならなかったか。……チッ、ハメられたか。」


 鬼神さんは何かを悟った。おそらく、封印が解けて鬼神さんだということがわかった時に空亡はここまでのシナリオを考えていたのだ。細かいところはわからないが、最終目的として、指導者として鬼神さんを抜擢(ばってき)したかったのだ。おそらくそれは、師匠の為か。

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

空亡は強かった。

やはり伝説の妖怪は伊達ではないですね!

強くあって欲しいです!

それでも「厄」のメンツも強いので是非とも他のみんなにも頑張ってもらいたいです!!

次回は11/19朝アップします!!

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