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第百一話 〜犬猿の仲〜

おはようございます!!

ついに解かれた4つ目の封印。

現れたものはがしゃどくろ。

巨大な相手にどうやって戦うのでしょうか!?

それよりも相性が合わなそうな2人もいますね…

今回もお楽しみください!!

―がしゃどくろ―


 有名な妖怪ではあると思う。大きな人間の骸骨の形をした妖怪である。慈悲も容赦もない捕食者と言った印象が強い妖怪である。

 そんながしゃどくろは腹が減っているらしく、私達を捕食しようと意気込んでいる。


『がしゃどくろか……!?ここに封印されていたのか!?』


 空亡は驚いたように発言した。その空亡の声に応えるように鬼神が声をあげる。


「ったくよぉ。あん時ゃ大変だったぜぇ?百鬼夜行の特攻隊長のこいつを一目散に俺が相手してここまで縛り付けたんだからな。封印がもうちょい遅かったら危なかったぞ?」


 鬼神は一目散にがしゃどくろの相手をしたのか……。なんか師匠に似た匂いがする。


『大戦の時は現世(うつしよ)にがしゃどくろがきたと思ったらいなくなっていて皆、驚いていたぞ?それは鬼神のおかげだったのか……。特攻隊長を失った「厄」の連中は慌てていたぞ。』


 空亡は大戦の時の事実に驚き当時の状況を説明した。


「知ったこっちゃねぇよ。こちとら強えヤツとやり合えるってんで協力してやったんだ。いの一番に乗り込んでくる調子こいたヤツを頂いただけだ。」


 ああ。確定だ……。思考回路が師匠と一緒だ……。


「何をごちゃごちゃ言っている?鬼神ぃ、今回はうまくいくと思うなよ!?」


 がしゃどくろは手を地面についてズシンと地面を揺らした。少し動いただけで地響きがした。


「はッ!!もうテメェになんて用はねぇよ。テメェはここのアリさん達にやられる運命だ!」


 鬼神さんは両手をあげ、肩をすくめるような仕草をして、言い放った。何を言っても挑発になるあたりも師匠に似てる!?


「おいおいおいおい。聞き捨てならねぇな!?このデカブツやったら次はおめぇだぞ!?」


 何やら琴線に触れたのか、師匠が鬼神さんに怒っている。


「あぁ??誰に向かって口聞いてんだ!?デカブツなんて後にして先におっ始めるか??おお??」


 何やら鬼神さんも師匠が気に食わなかったみたいだ。先にここの2人で喧嘩になりそうな雰囲気である。


「待って待って待って待って!!とりあえず、あっち!!」


 私は2人の間に割って入り、置いてけぼりのがしゃどくろの方を指差した。


「そうよ!今はそれどころじゃないんだから!」


 お姉ちゃんも私の意見に同調してくれた。師匠も当初の目的の方が大事ということは理解しているため諦めてくれた。


「ケッ!ちょっと待ってろよ!?」


 師匠は激昂してはいるが、冷静な判断はできているみたいだ。だが、鬼神さんへの怒りはまだ収まっていない。


「ああ、待っててやるよ!助けてぇ〜とか言ってくるなよ!?」


 ガハハハ!!と笑いながら師匠を(あお)る。


「いわねぇよ!?馬鹿にすんじゃねぇ!そっちこそ、俺に負けた後に、封印で弱ってたから〜とか言い訳すんじゃねぇぞ!?」


 師匠はまた言い返す。


「テメェ!!」


 師匠の逆煽りに鬼神さんも激昂する。


『2人とも落ち着け!』


 そんな2人を空亡が諌める。


 完全に蚊帳(かや)の外で律儀に待ってくれているがしゃどくろは、この光景をどう感じて見ているのだろうか。待ってくれているというか、2人の会話に戸惑ってしまった可能性が高い。


「……もういいか?」


 あ、正解!?


「かまわねぇよ!待っててくれてありがとうな!!だが、速攻終わらす!!前衛は俺に譲れ!空亡!!」


 師匠はこの怒りをがしゃどくろに向け発散しようと、最前衛として空亡に合図を送る。私達もそれに合わせて戦闘体制を整える。


「全く!?自分勝手なんだから!?」とお姉ちゃん

「ポイですねー!」とフローラ

「いつも通りですね!」と私

『では、行くぞ!』と空亡


 バラバラそうに見えるが、それでも、みんなの性格を理解しているからどう行動を開始するかがわかる。したがって、いきなり行動されてもコンビネーションを取ることができる。これはこのチームで培ってきた経験がなせる技だ!

 イレギュラーだが、師匠が先陣、その後にフローラ、お姉ちゃんと空亡がその後ろにスタンバイして、私もそのすぐ後ろにいる。私達はここまで大きな敵を相手にしたことはないからどうやって進めていくかはわからない。そんな時は師匠の動きを見るということになっている。

 師匠は普段、伊達に放浪していたわけではない。戦闘の経験値で言ったらこの中でも1番多いだろう。もちろん、巨大な相手との戦闘も経験しているだろう。

 というのもあって、戦闘でいざとなった時の判断の要は師匠ということになっている。

 今回もおそらく率先して自分が行動しようという気持ちも少なからずあったど思う。……信じたい。まあ、8割は苛立ちからだろうけど……。


「天邪鬼!!」


 師匠はがしゃどくろの目の前に走り込みながら天邪鬼の名前を叫んだ。


「ふははは!!アリが群れておるわ!何をしても無駄だ!」


 と叫んだと同時に頭から地面に崩れ落ちた。がしゃどくろは「なんだ!?」と言いながらその顔を歪めたように感じた。

 その巨体が地面にのめり込むと同時に、大きな地響きとなってこっちにまで振動は伝わってくる。

 だが、このチャンスを逃すことはない。


「我が声に応えよ召喚せよ!《みずち》!!急急如律令きゅうきゅうにょりつりょう!!」


 図録にはみずちが収録されていた為、昨日の最後にみずちの妖力を分けてもらっていた。川がないところでも一度くらいなら召喚できるとのことだったので、出し惜しみはせずに召喚した。

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

賀茂さんと鬼神さんは相性が悪いようですね。

この調子でもチームの連携はしっかりしていそうですね!

うまくがしゃどくろに対応できるでしょうか!?

次回は11/15朝アップします!!

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