王の詰問
アレクサンドロスが、入ってきたのは、夜中近かった。
王妃が私を監禁したことよりも、王妃の愛人、それも、男性が、後宮に入っていたことの調査のためだろう。
私は、椅子ではなく、床の上に、平伏して、アレクサンドロスを迎えた。
「陛下の命令を守れませんでした。申し訳ありません。・・・どのような罰でも・・・お受けします・・・。」
「男に触れられたそうだな?」
「はい・・・。」
「寝室に行け。」
私は、震える足で、立ち上がり、寝室に入った。
「どのように触れられた?その通りに動き、説明せよ。」
私は、ベッドの上に乗って、横になった。
「あの、腕を縛られていて。」
ぎりっと歯噛みが聞こえたけれど、すぐ、しゅるっと私の帯がほどかれ、その帯で、ギリギリと食い込むほどに、腕が縛られる。
「このようにか。」
「はい・・・。」
「それで?」
「のしかかられて・・・。」
アレクサンドルが、のしかかってくる。
「こうか?」
「はい。」
「で?」
「ドレスを破かれて・・・。」
アレクサンドロスの手が伸びてきて、ドレスが裂かれる。
「その後は?」
「両ひざに手を当てられて、開こうとしてきたので・・・。」
いきなり、両ひざが開かれた。
「ここまで開いたのか?」
「ち!違います。抵抗したから、そこまでは・・・。」
「フン。で?」
「腕にかみついて・・・。」
「噛め。」
「は?」
「その男を噛んだのと同じように、噛め。全く同じように、だ。」
覚悟を決めて、本気で、噛んだ。・・・どうせ、殺されるのだもの。痕が残って、私のことを、時々思い出してくれれば、いい。
「それで?」
「体が少し離れたので、その、男性の急所に、膝蹴りを食らわせました。」
「蹴ろ。」
「嫌ですっ!」
「余の命令だ。」
「絶対に、嫌ですっ!」
「殺すぞ?」
「すでに、覚悟していますっ!」
「・・・死ぬのが怖くないのか?」
「一思いに殺されないのが、怖いだけ、です。・・・痛いのは、嫌だから。」
「・・・死ぬつもりか?」
「はい。」
「・・・なぜだ?」
「陛下の命令を破ったからです。私の意志ではないけれど。・・・何より、私が自分を許せません。陛下以外に触れられるなぞ、穢れた気がします。」
「・・・。」
ふいに、アレクサンドロスが、私の上で、脱力し、肩に顔をうずめてきた。
「・・・死ぬな。」
「陛下?」
「アレク。」
「・・・アレク様・・・。」
アレクサンドロスが身体を少し起こし、私を縛っている帯を、切り捨てた。
アレクサンドロスの顔が、私に近づく。ぽたっと、私の頬に、水滴が落ちた。
「え・・・?」
「余のものだ・・・。」
アレクサンドロスが、背中に腕を回し、私が息苦しくなるほど、強く抱きしめる。
「余を置いて死ぬことは許さぬ。」
「でも・・・。」
「そなたは、穢れてなぞ、いない。」
「でも・・・。」
「穢れたと言うなら、私が、それを綺麗にしてやる。」
抱き上げられ、浴室で、湯に沈められた。
衣服がはぎ取られ、男が触れた場所を、アレクサンドロスが、真っ赤になるまで、タオルで擦り上げ、その場所に強く口づけ、歯型も付けていく。あっという間に、両腕や、胸、脚が真っ赤に染まった。
そのまま、ベッドに連れ込まれ、激情のままに、もてあそばれ、3日間、私は、離してもらえなかった。
起き上がることを許されず、時々、口移しで水を飲まされ、食べさせられ、それ以外は、彼の腕の中から逃れられなかった。
「アデラローゼ。」
「はい・・・。」
「余のものだ。」
「はい・・・。」
「何があろうと、死ぬことは、許さぬ。」
「はい・・・。」




