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再会の花  作者: 十矢
8/14

プレゼント渡し

カラオケ屋さんの玄関ホールに入ると、とたんに大きい音量のBGMが流れてきた。

曲をきいていると、たしか、みょんみょん、だ。

黄色い花と風について歌っている気がする。


「何名さまですか?」


ときかれて、


「四名です。二時間でお願いします。」


と答える。

一応二時間の予定で入れてもらった。

個室に案内されて、四名がそろった。

ヒカルさん、リエさん、トモさんがそれぞれに


「さぁ。何歌うー。」

「何歌おう。」

「トップは誰にするー。」

「トーヤくんどうするー。」

「何頼むーー。」


と話している。

とりあえずトーヤが皆に声かけをおこなうことにする。

まとまらないと、カラオケが始まらない。


「一応先に食事メニュー決めようか。」


と声をかける。


「さっきのお店であまり食べなかったひとー?」


これにはトーヤとリエさんだ。


「さっきのお店でお腹いっぱいでドリンクのひとー?」


ヒカルさんはもう少し食べるそうだ。

各それぞれに、からあげとフライドポテトに、ピザに、フライドチキンに、とメニューの声がかかる。

ドリンクはドリンクバーになる。

注文のインターフォンを鳴らして、食事とドリンクを頼んだ。


「じゃ、まずは、ドリンクでかんぱい。」


とトモさんがいう。

ドリンクを取りにドリンクバーに下りる。

移動して、トーヤはもちろんホットの項目から、ホットコーヒーに砂糖多め入りにした。

それぞれの飲みものを持って、部屋に戻る。


「さぁ、何歌おう。」

「誰からにするー?」


言いながらヒカルさんは、持ち歌をリエさんと探しているようだ。


「そういえばあまりきいてこなかったけど、トモさん年齢はいくつなの?」

「二十四歳だよ。」

「トモさん若いね。」

「頼りになるし、もっと上な気がしていたよ。」

「ヒカルさんとリエさんは、同年で二十一歳みたいだよ。」

「そうなのか。」

「三人のほうが若い。」

「いや、トモさんも若い(笑)」

「二人とも、曲も入れてね。」


ヒカルさんから声がかかってしまった。


「トモさんはどうする?」


とトモさんは何歌うのか、気になってきいてみた。

言いながら、席順も決まっていた。

トーヤの隣リエさん。

ヒカルさんにトモさん、という順番だ。

丸っこいテーブルを囲うように四人並ぶ。

歌は、ヒカルさんが先に入れてみたらしく、

あとはトモさん、トーヤ、リエさんと1曲ずつだ。


「あとは、バラけて曲をいれようー。」


とヒカルさんが言う。

1曲めはヒックの恋愛バラード、Love Onlyからだ。

ヒカルさんの歌声が響く。

ヒカルさんはもっとロックかと思っていたため、トーヤ的には意外な感じだ。

次のトモさんは、ある少年グループの曲、Raceだった。

これもノリのよく、トモさんのイメージにはよく似合う。

四人で歌う歌声が重なる。

トーヤはいつも歌う曲を選曲し、リエさんの出番となる。

リエさんは、また意外にも、ある映画でも有名なアニメソングであった。

これも四人の歌声となり、天使のように、というフレーズ歌って盛り上がった。

2周め、ヒカルさんは、恋ごころを横文字にした曲、また有名曲を入れてくる。

ヒカルさんは、有名な曲で合わせてくれるらしい。

なんとなくトーヤのイメージとして、ヒカルさんは姉御はだ、という言葉が浮かんででてきた。

もちろん口にはしない。

リエさんは可愛いらしいのと、意外性があるのを歌っている姿で、発見した。

それに恥ずかしがり屋でも積極的であり、そこがヒカルさんと話しのあう部分でもあるらしい。

トモさんの次の曲は、春さんの曲、桜の歌であった。

春さんはイケメンで有名だし、この曲のイメージもトモさんに合うだろう。

つまりトモさんはイケメンであるという、トーヤのイメージになるのだろう。

トモさんは思いやりと優しさもある。

たしかにヒカルさんと似合いそう、となんとなく考える。

一息つきながら、からあげやピザをトーヤは食べ、他のメンバーも各それぞれ好きな食べものを手に取る。


「いやー楽しいね。」


とヒカルさん。


「そうだね。カラオケ久しぶり。」

「運ばれてきたメニューもおいしい。」

「次は誰にする。」

「あ、でもその前に例のプレゼントだそうよ。」


そう言ってくれたのはトモさんだった。


「そうそう、忘れてないよ。リエさん。」

「もう少し先だけど、誕生日おめでとうー!」

「おめでとうー!」


他の三人が声をかけあう。


「え、ありがとうー!」


とリエさん。


「プレゼントもあるよ。」


とトーヤが声をかける


「リエさん、お誕生日おめでとう。」

「これ、トモさんと選んだやつ。」

「二つセットにして、ラッピングしてあるから。」


言うと、


「あ、可愛いー。嬉しいー。」


とラッピング見ただけでほめてくれるリエさん。


「いま開けていい?」

「どうぞー」

「ほらほら、開けて」

「みていいよ。」


と、三人で声がそろう。

ラッピングの中には、イエローズで二人して買ったアロマ系小さめグッズと、ハートとリングの組み合わさったネックレスがあり、テーブルの上に出されて、光っていた。


「おおー!」


と、買った二人含めて歓声をあげた。


「二つとも、大切にするね。」


リエさんが少し涙声になって話した。


「お、いいね。」

「二つとも趣味いいじゃん。」


とヒカルさん。

無事、気に入ってくれたようでトーヤはほっとした。


「なんかいいね、こういうの。」

「わたしの誕生日でもやってよね。」


とヒカルさんが言う。

四人してこの言葉に、大笑いする。

ヒカルさんはプレゼントはリエさんと当日に約束しているそうだ。

トーヤが次の曲を入れて、青春ともだちの曲を歌う。

青春と、ともだちをメインに、盛りだくさんの曲だ。

なかなかに盛り上がる。

あっという間の二時間になる。


「そろそろ最後の曲はどうしようか。」


という話しである。

誰かがアニソンメドレーの曲を入れていて、その曲を最後の曲にして、ワンフレーズごとに歌っていき、そろそろの時間で切り上げる。

ちょうどインターフォンが鳴る。


「ここまでの時間です。」


と話しがきた。

ちょうどよく、ピザやからあげなど含めて、残りも少なめになってきていて、最後に余りものを食べて、カラオケの部屋を出た。

お会計を割り勘にしてすませて、


「忘れものないねー。」

「はーい、大丈夫。」


いいながら、お店の出口から四人してカラオケ店を後にした。

帰りぎわ、


「プレゼント渡せたし、カラオケ楽しかった。」


とトーヤ。


「また集まろうね。」


とヒカルさん。


「今度はカラオケ時間もっと増やそう。」


とトモさん。

すると、リエさんが再びの涙声になりつつ、話しをする。


「本当に楽しかった。」

「ホントは来るときまで、うまくしゃべれないかも、とか

実は仲間はずれなんじゃ、とか。」

「変に意識して怖かったけど、本当にみんなありがとう。」

「ありがとうございました。」


ぺこって頭をさげた。

今後はヒカルさんが


「何言ってんの。ちょう楽しかった。」

「また集まろうって、いま言ったじゃん。」

「集まろうね。」

「ね、トモくんにトーヤ!」

「おー!また集まるぞ。」


という、四人のかけ声で解散になった。

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