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再会の花  作者: 十矢
10/14

呼びかた変わったね

数日たち、静かなインターネットカフェ風景である。

店内には、少し大きめな音で、リザという曲がBGMで流れている。

それほど混雑はしていなく、フロント周りも人気はない。

これまでのいつもの通りに、店内の清掃作業をおこなう事にする。

作業リストという表から、今日はどの作業からおこなおうかと考え、フロント周りの掃除からにしようと決める。

カウンターの周りをダスターというぞうきん代わりに使うものを利用してキレイにしていく。

置いてある文房具を動かしてキレイにしたり、レジ周りをキレイにしたりする。

次に、店内出入り口となる玄関部分にある窓ガラスをキレイにする。

スプレータイプの除菌剤を利用して、ガラスをふいたり、からぶきで窓をピカピカにさせる。

次には本棚の高所清掃にする。

本棚の上の方のほこりや隙間にも汚れがあるため、例のフサフサした伸びる掃除用具を使って、高いところを掃除していくことにする。

あまり適当になりすぎないようにしながらの高所掃除だ。

ここまでを終えたあとで、前回の先日の続きとして、本棚の整頓作業の続きをおこなおうとトーヤは考えた。


「トーヤ、次は本棚のところです。」


こうフロントに作業に入ることを連絡した。


「はい、わかりました。」


フロントからの返事が届く。

前回は、6番までの棚はできたから、と1から5番までの棚をふりかえりながらチェックしていると、5番くらいまでの本も、また乱雑になっていて、少し手直しが必要そうだ。

5番までの棚をもう一つ手を加えて、本の並び直しをしていくことにする。

その後、6番の棚を改めて、とりかかることにする。

6番の棚を上から少しずつズラしていき、上から下にズラしていきつつ、、、上から下にずらしていく。

6番が少しキレイに整ってきたところで、7番の棚に移動して、同様の作業をしていく。

上から下に本を移動し本のタイトル番号をうしろへと動かしていく。

ふと、その作業の途中で、手書きでかいて、コーナーに置く用の手書きPOPというものも以前に、作業途中であったとトーヤは思い出した。

けれど、まずは、7番から9番の棚番号までは終わらせることを目標とする。

7番の棚の本を並べ替えながら、下にスライドし、違う番号の本があればその棚のところに、戻しにいく。

移動して、空いた隙間をうめたり、はみ出した本をうめあわせしながら、ときにズラし、また次の8番の棚、そして今度は、9番の棚にと本の移動を続けていく。

その間にも、フロントからの注文受付を確認しに、厨房に行ったり、厨房からのメニューを席に提供しに行ったりと忙しくなっていた。

ようやく厨房からのメニューの提供も一区切りし、落ち着きが戻ってきたところに、雑誌担当のスタッフが、本の片付けに入っていた。

声をかける。


「雑誌担当お疲れさまです。」

「お疲れさま、トーヤくん。」

「雑誌担当けっこう大変そうですね。」

「手書き担当もけっこう大変そうじゃない?」

「でも、手書きのって楽しそう。」

「いま雑誌の日付や並びのを一覧作ってるのだけど、

みてくれる。」

「いいですよ。」

「そう、そういえば、フロア違ってるけど、ヒカルさんと仲良くない?」

「休憩中に話しきいたけど、トーヤくんと話ししてるってきいたよ。」

「ヒカルさんと友達になったんですよ。」

「そうなんだ。」

「ヒカルさん人気あって、友達多そう。」

「たしかに、あと最近リエさんとも話しするようになりました。」

「リエさんって、あの可愛いくって、 恥ずかしがりや、のかな。」

「恥ずかしがりやなのは、皆知ってるんですね。」

「なかなかやるじゃない、トーヤくん。」

「うーん、どういう意味でしょうか。」

「この一覧よくできてますよ。」


こう話していると、


「トーヤくん、休憩しにいく?」


とフロントから声がかかった。


「はい、トーヤ休憩に入ります。」

「お願いしまーす。」


棚に飾る手書きのPOPは後日にしておこうかと、トーヤは考えていた。

日常となっている通りに、休憩中きく、携帯ラジオを手に取り、休憩室に向かう。


「失礼しまーす。」


休憩室に入ると


「 トーヤ遅い。待ってみたんだけど、待ちくたびれた。」


ヒカルさんの声だった。


「お疲れさまです。待ってくれていたんですか?」

「まぁ、待っていたのはトモくんだけどね!」


とんだフェイクだったらしい。


「今日は、どんなメニューに、、。」


と口にしかけたらヒカルさんが先に、


「 今日のまかないメニューは、オムライスとケチャップとサラダとスープだよ。」


と、教えてくれて、たしかめる必要はなさそうであった。


「ねぇ、トモくんはこないの?」

「今日は混雑していないけど、でも入れ違いくらいに休憩に入るかもしれません。」

「どうしようかな。ちょっと待ってみようか。」

「なにか話しでもあります?」

「そう話しがあるんだよね。」


という返事。

見事なオウム返しの口調であった。


「それじゃぁ、少しだけ手持ち技を使うんで、もう少し待ってみてください。」

「技ってあるの?疑問なんだけど?」

(わざ)です。裏コマンドとかで使う。」

「上上下下。ABC的な?」

「それです(笑)」

「あ、裏コマンドは冗談ですよ。」

「とりあえずオムライスとスープをはやめにいただきます。」

「どうぞぉ。」

「って言ったとたんだけど、疲れた。もう大変。」

「なんかこっちフロアはバタバタしたよ。」

「そう喫茶のこちらは割りと静かだったよ。」

「本棚の整理は進みそうだけど。あ、でもまた途中までだけど。」

「あーこの前、カラオケ楽しかった。」

「今度は、海いきたい。海派?山派?どっちでしょう?」

「わたしは山派!」


トーヤは山派だ。


「あー海いきたい。」


ヒカルさんは海派だったらしい。


「こっちの話しはスルーですか?」

「どっちかきいただけだよ。」

「トーヤは真面目だね。」

「トモさんも真面目ですよね。」

「そうそう、でも明るくって。カッコいいんだよ、本当!」


トモさんの話しをすると、ヒカルさんは嬉しそうだ。

オムライスを食べ終えて、スープも飲んだ。

そのところで、トーヤは先に休憩から戻ろうと思った。

すると、呼び止められて


「あ、トーヤ放課後ちょっと待っててね。」


と言われた。


「放課後ですか?シフト終わりの意味ですよね?ていうか何時ですか?」

「18時かな。そう、わかってるじゃん。」

「わかった。18時すぎですね。待ってます。」

「先に休憩戻りますね。失礼しました。」


休憩室を後にする。

けれど。

さて、シフト上がったあとの放課後は何の用事を言われることか。

フロントの前を通りすぎる時に


「トーヤ休憩から戻りました。」


フロントに挨拶をした。

そのあとすぐに、イヤホンからは


「トモ休憩に入りますね。」


という声が届く。

その後には、手書きのPOPというものを作るために、事務所のパソコン前に移動した。これまでにも似たような種類のかざりつけをおこなっていて、作るためのリストを作成してあるため、それを参考にしながら、次はどの種類のおすすめの手書きを作ろうか、考えていく。

今回は漫画コミックスの透明な刃にしようか。

透明な刃は、少年コミックでありながら、女性層にも人気になり、バトルとストーリーと両方よい、と絶賛されている。

映画も好調だし、みんな読みたくなるような手書きのを作ろう。

透明な刃コミックスを本棚から集めてきて、並べて、手書きのメッセージを作る。

メッセージとしては、映画好調、ストーリーで泣ける。

主人公たちの成長、といった感じのを考えて、うまく手書きでの売り読み文句をつけよう。

それをさらに飾りで、キレイにかざりつけをして、コミックスのとなりにきれいにつけていく。

夕方になると、注文が多くなり、厨房も忙しくなってきたため、


「はい、わかりました。」

「注文確認いきます。」


と返事をしたあと、フロントからの注文の確認をしに厨房にいったり、メニューを厨房から提供したり、次には空き席が目立つようになるとそれぞれの席を掃除しに周ったり、していくうちに時間が過ぎていった。

シフトの終わり時刻となり、トーヤも含めて終わり時間が重なるスタッフはシフトから上がっていく。


「それぞれであがりまーす。」

「お疲れさまでーす。」


と、言って帰っていく。

代わりに次のスタッフが入っていく。


「シフトおつかれさまです。」


代わりにシフトにはいるスタッフにあいさつして、通りすぎる。

帰り時刻の18時すぎ、ヒカルさんと、トーヤは待ち合わせし、合流した。


「お疲れさまです。ヒカルさん。」

「お疲れさまー、トーヤ。」

「とりあえず、レストランでも入ります?」

「そうだね。」


二人して、近くのファミレスに入った。


「いらっしゃいませー。」


と席に案内された。

通されたあとで、ドリンクバー2つとフライドポテトを頼んだ。

ドリンクバーを二人してとりにいく。

トーヤはホットのレモンティーをとり、ヒカルさんはアイスコーヒーを選んで、それを持ちながら、席に戻った。


「まぁとりあえずお疲れさまだね。」


というヒカルさんの声と同時にトーヤは話しの先手を打つように、


「お疲れさまです。それでどういう話しですか?」


ときいてみる。


「りぃちゃんとはどう?」


とヒカルさんの声が重なった。


「りぃちゃんの印象は話しあうし、明るくっていいこですよね。」

「そ、それよりもトモさんとはどう?」

「そう、その話しをしようと思ったのだよ。」

「もしかしてヒカルさん、トモさんとうまくいってる?」

「な、何言ってんの。まぁその話しだよ。」


お互いにフライドポテトを少しずつ食べながら、話しをする。


「そっかぁ。トモさんとはうまくいっているんだ。よかった。おめでとう。」

「ちょっと話しを先に進めすぎでしょう。一旦もどろう。やり直し。」


もくもくとフライドポテトを食べる。


「どこの辺まで戻す?それともはじめからにする?」

「ていうか、トーヤこそ、りぃちゃんって呼び名は何?」

「トーヤってそうなの?」


もくもくとフライドポテトを食べる音がする。


「何か言いなよ、トーヤってば。」

「まぁ、ヒカルさん、うまくいってよかったよ。おめでとうございます。」

「トーヤってけっこうずるいね。」

「これはずるいではなく、モグモグだし?」

「いや、やっぱずるいっていうよ。普通は。」

「先にこっちの話し、先に進めておいて、もう話しにくい。」

「先にの話しがどっちが先になるのか。その言い方だと、不明。ヒカルさん。」

「お、トーヤつっこみがきたね!って別にいいじゃんよ。」


フライドポテトを食べたあと、紅茶を飲む。

まだ少し熱い。

少し間があって笑いあってしまう。

ヒカルさんがいう。


「何のためにレストランに入ったのか。忘れたよ、もう。」

「まぁ、いいじゃないですか。ポテト食べにきたってことで。」

「せっかくだから、次の打ち合わせをしよう。」


突然ヒカルさんがいう。


「次っていうのは仕事での話し?」

「ナイスボケだね、トーヤ!」

「あれ、いまボケだった?」

「そうだよ。ボケてる。せめてカラオケいこうよ。」

「ではまた四人で、じゃぁ、ボーリングでもどう?ボーリングいこうよ?」

「よし、いいね。」

「カラオケ前いったから、ボーリング?」

「もう少し考えて、あと二人にもきいてみよう。」


こうして、後日カラオケか、それかボーリング集合することが決まった。

残り時間、フライドポテトを食べ終えて、ドリンクをおかわりしたあとで、ゆっくりと雑談しながら過ごす。

ヒカルさんとは会計をすませて、解散することになった。


「よかった。トーヤと話せて」

「ボーリングとカラオケ両方もいいですね。」

「え、両方は忙しくならない?」

「やっぱ一つかな。」

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