プロローグは短くそして突然に
まずは断っておこう。このお話しは決してハッピーエンドにはならない。この本を閉じ元の本棚に戻すのなら今だ。
……私は確かに断ったぞ。この話しは『決してハッピーエンドにはならない』と、それでも読むというのなら私は止めないとも。
ん?君は誰なのかって?私には特別つけられた名はない…まぁあえて言うのならば『神様』と呼ばれる存在に近いのかもしれないな。
このお話しは私達『神』の間で一昔前に流行った『異世界転生』で作られたお話しさ。
え?何番煎じだよだって?そんなのは私だって知っているさ。だから転生するのは人じゃない。
君のいる世界のではないがこの世にはかつて数々の英雄がいた。彼らが英雄たらしめるのは何も人徳や人柄だけじゃない。
彼らにはそれぞれ代名詞とも言える武器を持っていた。
例えばアーサー王の聖剣エクスカリバー、ヘラクレスの不死殺しのヒュドラの毒、佐々木小次郎の名刀物干し竿。
私が今回転生させたのはそういった伝説や英雄伝に語られる武器たちさ。
君たちがこれから読む世界は魔物怪物が闊歩し人間達は協力し対化け物の集団『騎士団』を作りそれにより何とか各地に王国を作り上げることに成功した…そんな世界。
こういった物語の始まりは決まって小さな田舎村から始まる、私もそれに習うことにしよう。
ここは『メルムング王国』という王国の近くの村、『バニマング』
そこで生を受けたとある少年…彼の名前は『リーフェル・デオン』。
後の世で王国史上最悪の騎士と呼ばれる。