魔法使いにジョブチェンジするそうです!④
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三姉妹とハウルはゴーレム討伐に向け街の外に出て歩き始めた。
「ゴーレムってどこにいるんですか?」
「ここからすぐ近くの遺跡にいるわよ」
ハウル達が今いるところから遺跡まで余り遠くない筈なのだが一向に遺跡へと近づいている様子はなかった。
「本当に近くなんですか?」
「そ、そうよ!」
ハウルは心配になって来ていたが、地図を持っている、長女サリーは進んでいく。
「さっきもここ通りましたよ?」
「お、おかしいわね……」
「姉さんちょっと地図かして!」
真ん中のエリーが長女サリーから強引に地図を取り上げた。
「ちょっと姉さん、全然違うじゃない!またやったわね」
「もう、私が地図持って進むから姉さんは後ろ行ってて!」
今度はエリーが地図を持つ。
そして、進み始める頃には辺りは既に薄暗くなっていた。
その間、妹に叱られた長女サリーは悲しかったのだろうか、かなりしょんぼりとしている様だった。
「着いたわよ、ほら、姉さんいつまでしょんぼりしてないで行くわよ」
「はい……」
遺跡に着いてもまだ長女サリーはしょんぼりしている。
もうどっちが姉なのか、ハウルはわからなくなっていた時、末っ子ミリーが早速ゴーレムを発見したようだった。
「3体、ゴーレム発見しましたよ、早く倒しましょう」
そう言って見たはいいが、三姉妹は前回ゴーレムに負けているため誰も戦おうとはしない。
「ほら、ハウルちゃん倒しちゃっていいわよ」
やっと立ち直った長女サリーが、ハウルに指示をする。
ハウルは指示されたのが余程嬉しかったのか、ゴーレムの所へ走りながら駆け寄って行った。
うわ凄い、俺今、本物のパーティーを組んでいるみたいだ!
否、組んでいるのである。
子供の様に無邪気にはしゃぎながらハウルは、魔法?を撃ち放つ。
「ファイヤーボール!ファイヤーボール!ファイヤーボール!」
魔法?はゴーレムが纏っている鋼の装甲と核を見事に貫き一撃で仕留めるのであった。
「凄いわハウルちゃん、じゃあ早く素材を回収するわよ」
三姉妹はハウルによって仕留められたゴーレムの素材を、すぐさま回収し始める。
すると、大きな音に釣られたのか10体のゴーレムが遺跡の奥の暗闇から、ぞろぞろとやって来た。
それに気付いた長女サリーは急いでハウルに指示をする。
「お願い、ハウルちゃんもう1回魔法で倒して?」
「すいません俺、今日もう魔法使えません」
「ええーーーー」
ハウルは頭をかきながら笑っていた。
そんなにハウルを横目に三姉妹はお互いに抱き合いながら声にならない声で叫び、泣き、自らの罪を懺悔し始める。
「ごめんなさーい、私がエリーとミリーのケーキを勝手に食べたからー」
「ごめんなさーい、私が勝手に姉さんとミリーのチョコレートを勝手に食べたからー」
「ごめんなさーい、私がエリ姉とミリ姉のクッキーを勝手に食べたからー」
いや、お菓子ばっかりだな……
その奇妙な光景をハウルは突っ立って、見ていたのであった。
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