魔法使いにジョブチェンジするそうです!③
よろしくお願いいたします!
次の日ギルドでパーティーの顔合わせを行った。
やって来たのは3人、大人の女性冒険者だった。
「俺はハウル、魔法使いです、よろしくお願いします」
「ヒルデちゃんから聞いているわよ、よろしくね、ハウルちゃん」
3人は左側からサリー、エリー、ミリー、と言う、どうやら三姉妹のパーティーだったらしい。1番末とはいい、ミリーは25歳は超えているようだ。3人とも戦士というなんとも不思議なゴリゴリの戦闘集団だった。
全然心細くないでしょ……
と、ハウルは思っているようだった。
「ハウル君、魔法使いなんでしょ、なんか見せてくれない」
突然、真ん中のエリーが頼んできたが、ハウル何一つ慌てる様子なく対応し始める。
「分かりました、じゃあよく俺の手を見ててください」
「フラワー」
次の瞬間、ハウルの偽詠唱と共に手の上に綺麗なバラが咲いた。いや、バレないように全力でバラを取り出し手の上に置いただけである。まずはメンバーの心を掴む事が大切だとヒルデから言われていたので、昨日こっそり準備をしていたらしい。
でもそれが正解だった様だ。
「凄ーい、綺麗なバラだわ」
そんな、ハウルには気付かず3人は咲いたバラを見てとても喜んでいた。ハウルは上手くいき、喜んでいる表情を噛み殺し澄まし顔をしている。
「流石魔法使いね、じゃあ今からモンスター討伐に今来ましょう!」
1番末のミリーがなんの前触れもなく提案して来たが、ハウル以外は乗り気だったためこのまま出発する事になった。
「ちょっと、だけ待ってて下さい準備してくるので……」
そう言うとハウルは足早に、どこか行ってしまった。その間三姉妹は受けるクエストを選んでいた。
「これなんてどうですか?」
ヒルデがクエスト選びに悩んでいる三姉妹にゴーレム討伐のクエストを見せる。
「でも、こないだは勝てなくて諦めたのよねぇ」
「そうなんですよー」
「ねー」
「大丈夫ですよ今回はハウルさんがいるじゃないですか」
ヒルデはこの早くこのクエストを消化したかったので三姉妹に提案したようだ。悩んでいたようだが、結局ヒルデに勧められたまま、押し切られゴーレム討伐のクエストを受けることにした。
すると丁度、汗だくのハウルが帰って来た。
「それで、どのクエストに行くんですか?」
「ゴーレム討伐のクエストにしたわ」
「了解しました!それと俺、ファイヤーボールしか使えないんですけど、しかも今日はあと3回までしか打てませんよ?」
ハウルは急いで火打ち石的なものを取りに行っていたが3つしか見つからなかったのだ。
「そうなの?まあ安心して私達に着いてきてくださいな」
「じゃあ出発するわよ!」
長女のサリーが自信ありげに宣言しているが、どこからその自信は出てくるのだろう。そんな三姉妹をみていたヒルデは少し心配そうな表情でハウル達のパーティーを見送っていたのだった。
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