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06

王都を出発して暫くしてリサが話しかけてきた。


「・・・ねぇニール・・・このままじゃ間に合わないんだよね・・・《ピッ!》・・・・・あんた気が付いてたんでしょ・・・《ピッ!》・・・・・話しかけても殆んど返事しなかったから変だと思ってたのよ・・・・・何で・・・何で教えてくれなかったのよ!・・・・・あ・・・ごめん・・・あんた喋れないのに・・・八つ当たりしてごめんね・・・・・」


(さて、十分反省したみたいだし、力を貸してあげますかね。ここまでで十分経験値も稼げた事だし、ツーリングはお仕舞い。ここからはラリーと行きますか!)



 種類:オートバイ LV21 名前:ニール

  耐久:400/400 魔力:148/150

 スキル

  イグニッション(アクティブ時:前照灯・警笛・方向指示器・アクセル操作)

  自動修復(小) 小物入れ 所有者保護 レバー操作

 所有者:リサ・シルフライン



LV10でレバー操作、LV20でアクセル操作を手に入れた事で、有る程度は自力で走れるようになったのだ。

勿論リサがバランスを取ってくれる事が前提だが。


「ねぇニールゥ・・・もう間に合わないのかな・・・・・《ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!》ひゃっ!な、何?!警戒しろって事?《ピッ!》警戒って言っても魔物なんてえええぇぇぇ!・・・ちょ、ちょっと!早い!早すぎるって!キャアアアァァァ・・・!ええっ!何で遅く出来ないのぉぉ!あぁ危なっ!あんたが遣ってるのね!ニール!何時の間に動かせる様にって・・・うわぁ!ちょ、ちょっとまってえええぇぇぇ・・・!!」


(早いって言ったってリミッターが掛かってて60km/hしか出ないじゃん。最初に山を下った時にも思ったんだが、意外とバランス感覚良いんだよなこいつ。これなら轍を使えばアクセルワークで軽いコーナー位曲がれそうだ)


リサの静止の声を無視してそのまま走り続け、衛星都市を回り込んで通過した。

昼休憩も取らずリサの頭がふらふらと揺れ出し、これ以上は無理と判断して速度を落として行くとリサは路肩へと向かって行き、そのまま草叢の中に俺ごと突っ込んで倒れ目を回して気絶した。


(ふむ、流石にきつかったか・・・・・でも体力に余裕の有る内に移動距離は稼いでおかないとな。周囲の警戒は俺がやるんだし、このまま寝かしておこう)


やがて日が落ちて夜になると空には満天の星空が広がり、俺達は月明かりに照らされた。


(公害も光害も無いから綺麗なもんだ・・・・・こっちの星座とか知らんけどな。そろそろ体感的に四、五時間か・・・・・何時まで寝てる気だこいつ・・・・・ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!・・・・・


「ひゃぁ!・・・ん~・・・何これ・・・ニール、あんた何であたしの足の上に転がって・・・・・あ!ちょっと酷いじゃない!あんなに飛ばして・・・・・そ、そうだ!急がないと!・・・グゥ~・・・・・お腹空いたぁ~・・・ちょっと待ってて、あんた起こしてご飯食べたら直ぐに出よう」


(お、良いねぇ・・・・・でも、夜は結構怖いんだぜ~ライトが有っても路面の起伏は解り難いからね~。ま、速度は抑えるけど、ぎりぎりまで止まる気は無いから覚悟するんだな)


リサが俺を起こしてスタンドを立てた後に干し肉を食べ水を飲んだ後、再度出発と為ったが案の定リサは叫び続ける事になった。


「ヒイイィィ~!おわぁ!ちょおっと!はやい、はやいって!もうちょっとゆっくりいいいぃぃ!!」


その後は言うまでも無く限界まで走り、四、五時間眠らせた後はまた限界まで走るを繰り返した。

いい加減リサが慣れてきた頃に問題が発生。水と食料が切れたのだ。


「ねぇニールっと!あそこの町で補給をしっ!たらさ、一晩だけ泊まらせてっ!くれない?もう残り1/3位だし、間に合うんでしょ」


(・・・こいつは・・・・・まぁ良いか・・・間に合わなくて困るのは俺じゃなくてこいつだしな)


町の手前でエンジンを切ると、リサは大喜びで俺をギルドに預けて補給と宿屋に向かった。


翌朝、予想通りリサは来なかった。今日を含めて三日以内にヌメイラに着かなければ依頼失敗だと言うのにだ。結局リサが来たのは昼近くになってからだった。


「ご、ごめんニール起きられなくて。気が付いたらこんな時間で・・・・・」


リサの言い訳を聞きながら町を出て、とにかく飛ばした。

最早一刻の猶予も無いと睡眠時間も三時間に減らし、食事や水分補給も止まらずにヘルメットの隙間からさせた。

その甲斐有ってか十八日目の夕方にヌメイラに到着しギルドで達成印を貰えた。


そして二十日目の昼、もう確実に達成出来る所まで来たので街道の脇に止めて昼食にした。


「一時はどうなる事かと思ったけど何とか為って良かったわねぇ~。ここまで来たらあたしが走っても間に合うわ。この先又同じ様な依頼が有ってもあんたが居たら何とか為るし、これからも宜しくね、ニール」


(・・・・・お前今回の件で何にも学んで無いのな・・・・・俺さ、昨日LV30になって新しいスキル手に入れたんだよ・・・・・)



 種類:オートバイ LV30 名前:ニール

  耐久:490/490 魔力:182/195

 スキル

  イグニッション(アクティブ時:前照灯・警笛・方向指示器・アクセル操作)

  自動修復(小) 小物入れ 所有者保護 レバー操作 加重移動

 所有者:リサ・シルフライン



俺はエンジンを掛けると加重移動で車体を倒し、アクセルを空けて振動でスタンドを上げると、来た道をヌメイラに向けて走り出し、10m程行った所でUターンして向きを変えた。

暫くスタンディングで止まった後、スラロームで八の字を描き唖然としているリサに向き合った。


「あ、あんた自由に動ける様になったの・・・・・ほんと凄いわ・・・あんた・・・・・そ、それで・・・あたしはもう要らないって訳?・・・ねぇ・・・返事してよ・・・・・何で何にも答えてくれないのよ!あたしの事面倒になったんでしょ!だから・・・だから・・・・・ヒック・・・いがないでぇ~!ごべんニールゥ・・・グスッ・・・すでないでええぇぇ~!!」


(・・・・・はぁ・・・ほんとめんどくさい奴だけど・・・ほっとけないんだよな・・・これも神様の御導きって奴かね・・・・・)


俺が近寄っていくとリサは顔を上げて立ち上がり、泣きながら俺に向かって走り出して正面から飛びついて俺に跳ね飛ばされた上に前輪の下敷きになった。


「ぐぇ~!重い~!酷いよニール~!早くどいて~!」


(いや、自分から突っ込んできて酷いは無いだろ。バイクは急に止まれないんだよ)


フローティングターンでリサの上からどいた後は泣きながらシートをポカポカと叩かれ、夕方近くに慌ててセドムの街に帰ってギルドに報告をしたのだった。

最後の最後まで締まらない話である。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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