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絵画と教義の説明を簡単に説明して貰った後、俺達は街を出て少し離れた所に居た。
予定では街で一泊するつもりだったのだが・・・・・
「何よあれ!ご主人様は角なんか生えて無かったし、自分から戦を仕掛けた事なんて無かったわよ!」
と、まぁアマンダが爆発しそうだったので引き摺る様に神殿を出て分体に乗って街を出たのだが、俺としてはもう少し詳しい話が聞きたかった。
絵画の説明は、悪魔を率いる『魔王サートゥルヌス』と戦う『天空神』で二万年前に有った実話らしい。
舞台はアラバ塩湖(当時は普通の湖だった)で、その時天空神の放った雷により悪魔達は滅びたがその亡骸は塩へと変わり不毛の地へとなった。
その時唯一残された『アダマスの鎌』は天空神でさえ破壊出来ず持ち帰り封印し、今も天空神の居城に保管されていると言う。
天空神はその後、地上に平和は齎されたとして天へと帰ったが、『天空城』は今も大陸北東に有る霊峰山に有り、眷属のドラゴン達によって守られているのだそうだ。
そして大陸北西部は神に見放された穢れた土地として『天神教』が係わる事は無いのだそうだ。
教義に関しては至って在り来たりの内容でキリスト教に近い一神教の物だった。
「まぁ落ち着けって。二万年前の話だって言ってたろ?封印云々ってのは教会の都合の良い様に取って付けた物だろうし、前の主がお前を手に入れたのは魔王が滅ぼされた後だと思うぞ」
「うぅ・・・それはそうかも知れないけど・・・・・」
「ああ言った物はだな、後から自分達の都合の良い様に付け足したり歪曲したりするもんなんだよ。だから軽く流せる様にならないと争いの種にしかならないんだ」
「・・・うぅ~・・・解ったわよぅ・・・・・」
「それで、これからの事なんだが・・・東のラマード王国は良いとして、その先、北東のアルビエル聖皇国はどうする?俺的には行きたく無いんだけど、お前が行きたいと言うなら行っても構わないぞ」
「いいわよ。あの天神教とか言う奴等の本拠地なんでしょ?そんな所行きたく無いわ」
「ま、面倒事しかなさそうだしな。それじゃラマード王国から南東に向かってナシーリャ王国へ行くと言う事で決まりだな」
態々危険と解っていて行く事は無い。別にアマンダが自我を得る以前の事なんか知る必要も無い。重要なのは今現在とこれから先の事で、二人で楽しく旅を続けられればそれで良い。
この大陸中を廻り、気に入った土地があれば暫く滞在しても良いかもな。
もしかしたら俺達の様な存在が他にも居るかも知れないし、居なければ海を渡り別の大陸へ行くのも有りだろう。
この星中を廻って仲間を増やすのも良いかも知れないな。
そして仲間達とどこかの無人島に集落を作るとか・・・・・
なぁに時間なら幾らでも有る。悠久の時を生きる俺達なら大抵の事は出来るだろう。
「それじゃ、出発しようか」
「はぁ~い」
キックペダルを踏み下ろしエンジンを掛ける。
アマンダを後ろに乗せ、クラッチを握りシフトペダルを踏んでギアを一速に入れるとアクセルを回し、回転数を上げてクラッチをゆっくりと離して走り始めた。
まだ見ぬ景色に思いを馳せてスピードを上げて街道を進んで行った。
此処まで読んで頂き有難う御座います。
ブックマークや評価に感想など下さった方には大変感謝をしております。
本当に有難う御座いました。
一旦完結とさせて頂きますが気が向いたら続きを書くかもしれませんので、その時は宜しくお願いします。
2019/03/24 前編修正しました。




