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02

『所有者登録が完了しました。これより固体名は《ニール》となります』


(お、どれどれ・・・スペックは、と・・・・・)



 種類:オートバイ LV2 名前:ニール

  耐久:198/210 魔力:53/55

 スキル

  イグニッション(アクティブ時:前照灯・警笛・方向指示器)

  自動修復(小) 小物入れ 所有者保護

 所有者:リサ・シルフライン



(ちゃんと登録されてるんだけど・・・・・なんかスキル増えてるな・・・効果は解らないけど使っとくか・・・・・)


「キャッ!な、何これ・・・・・これやったのニールよね?え~・・・変な格好~全身真っ黒だし頭も覆ってて・・・これで街に行ったら間違いなく捕まると思うんだけど・・・・・」


(お~黒のツナギって結構エロいな・・・・・う~ん、まったく興奮しないのはバイクになったからか?しかし・・・ロリボンテージか?・・・有り・・・なのかな?・・・・・)


「ちょっとニール!この格好じゃなきゃダメなの?色だけでも何とかしてくれないと街に入れないわよ!」


(多分保護止めたら戻るんだろうけど・・・ヘルメットとツナギの方が安全だしなぁ・・・色か・・・・・車体と同じスカイブルーに・・・・・お、変わったよ意外と融通利くんだな)


「あ、色が・・・お揃いだねニール!それじゃ行こう・・・ブゥーン・・・・・わ、わ、わ!キャァ~!・・・ガシャン・・・カラカラカラカラ・・・・・つっ~・・・あれ?そんなに痛くない・・・・・怪我もしてないし・・・・・凄い!変な格好だけど凄いよニール!有難う!」


(いや、お礼は良いから起こしてくれよ・・・・・)


「あ、ごめんごめん、今起こすね。よっと・・・・・今度こそ・・・よっ!はっ!おおぉ~!・・・・・」


この後まともに走れる様になるまでに六回転倒した。


「慎重になりすぎてゆっくり走らせようとしたのが敗因よね~。ある程度速度を出したら凄く安定して気持ち良いわ~」


(そういや俺はおっかなびっくりで硬くなってたっけな・・・・・)


「この握る所の間にある左側の針が速度を表してるみたいだけど、なんて書いて有るのか解んないのよね・・・・・」


(妙に勘が良いと言うか観察力が有るんだよな。お陰で助かってるけど)


「右側の針は何だろ?少しずつ下がってるけど一番下に行ったらどうなるのかな?」


(それは多分燃料計だな・・・残り八割か、魔力の残りと同じだし間違い無いな)


「・・・はぁ・・・・・依頼は失敗・・・装備は全部無くなったし、また一から出直しかぁ・・・・・宿代五日分払っといて良かったわ・・・・・それに・・・あんたと会えたお陰で生きて帰れるもんね・・・・・」


(そうだな・・・リサのお陰で俺も山から出られたし、御互い様だな)


「・・・クッ・・・買ったばかりのテントが・・・・・あいつら覚えてろ・・・ねぇニール、あんたを上手く使えばゴブリン位簡単に殺れるよね・・・・・」


(・・・台無しだ・・・・・せっかく良い雰囲気だったのに・・・残念すぎだろ!大体俺を使うって、ぶつける気満々じゃねぇか!)


リサの独り言に付き合いながら進んで行くと、日が落ちる前に街の防壁が見えて来た。


「ニール!見えて来たよ!あれが、あたしが拠点にしてる街『セドム』よ!」


(おお~!正に異世界って感じの壁と門だな。槍を持った兵士が立ってて・・・・・ん?何かぞろぞろ出てきたけど・・・・・やっぱ俺のせい?)


「あ~やっぱりこうなったか・・・ちょっと離れた所に止めて話し付けて来るから待っててね、ニール」


異世界初の街は中世ヨーロッパ風の石造りの防壁と、閉ざされた大きな木で作られた門で出来ていて、武器を構えた兵士達が出迎えてくれた。

リサは門から10m程手前で止まると両手を挙げて前に出て、槍を構えたまま近寄って来た兵士達と話をした後、兵士を連れて戻って来た。


「これが魔道具だと?・・・・・乗って移動出来るのは解るが奇妙な形だな」


「さっき説明した通りあたし専用になっちゃってさ。ほら、ここに名前が書いて有るでしょ。馬みたいな物だから通してよ」


「まぁ良いだろ、武器が付いている様にも見えないしな。唯、その格好はなぁ・・・・・何とか為らないのか?」


「ニール、服を元に戻せる?このままじゃ街に入れないの」


所有者保護を切るとリサの服が一瞬で元に戻り兵士が驚きの声を上げる。


「うおっ!ふ、服が・・・・・この魔道具は言葉を理解しているのか?・・・命令を聞いた様に見えたぞ」


「あはははは・・・そんな訳ないじゃない。手と言葉で操作する魔道具なのよ」


「ま、まぁそれもそうか・・・通って良し。その代わり街中で乗り回さない様に。それと、上に報告をする事に為るから何か有れば連絡は冒険者ギルドにするので命令には従う様に」


「え~・・・まぁ仕方ないか・・・・・ちゃんとあたしにしか使えないって報告してよ。取り上げられたらたまったもんじゃないわ」


「あ~解った、解ったから行って良いぞ」


「はぁ~い・・・よっと・・・ガタン・・・う・・・押して歩くの結構きついのよねぇ・・・よっと・・・・・」


兵士達に遠巻きに見られながら防壁を潜ると、木造の建物が並んだ町並みだった。道幅は馬車が四台は並べる程広く、通りの先に進むと木造から石造りに建物が変わる様で、奥に行く程金持ちや身分の高い者が住む場所に為っている事が伺えた。

門から入って少し行った木造の建物が並ぶ一角に冒険者ギルドは有った。

高さは二階建てだが横に広く、周囲の建物の四倍近く有り、両開きの扉の入り口が二つも有った。


「あんたの事も含めて報告とか有るからちょっと待っててね。何か有ったら音鳴らすんだよ、直ぐ飛んでくるから」


(あ、そうか、治安悪そうだもんな。盗まれて変なおっさんに座られるとか御免だしな!まぁ触覚とか無いんだけど気分の問題だな)



  *   *   *   *   *   *   *   *   *   *



「ただいまマーシャ。依頼失敗しちゃったよ、ゴブリンに襲われちゃってさぁ」


「おかえりって、良く無事だったわね。大丈夫なの?怪我は無い?」


「それも含めて相談したい事も有るから、ギルマスか偉い人と話し出来ない?」


「何か有ったのね。解ったわ、取り次いで来るからそこで待ってて」


「有難うマーシャ。出来れば連れて来て、外に置いて有る物を見せたいから」



  *   *   *   *   *   *   *   *   *   *



「おい、何か妙なもんが置いてあんぞ。何だこりゃ?車輪が付いてるって事は乗り物なのかね?」


「止めとけって。ギルドの前に置いて有るんだし、ギルド関係者の物だろ。珍しい魔道具だったらどうすんだよ、壊れでもしたら資格剥奪に奴隷落ちも有り得るぞ」


「別に見るだけなら問題ねぇよ。お前らだって興味有るだろ」


(何故かおっさんに囲まれる俺が居る・・・う~ん、このおっさんアメリカンが似合いそうだな・・・・・あっちのは『ヒャッハー!』とか言いそうだけど、そう悪い人じゃなさそうだ。単なる珍し物好きって感じがする。まぁ油断は禁物だけど・・・・・ん?何か人が増えてきたな・・・厳つい人ばかりなのは冒険者ギルドの前だからか?おおっ!獣人!犬か狼か解らないけど獣人だ!いや~異世界に来た甲斐が有ったな!ああっ!可愛い獣人の娘もいる!カメラ!俺にカメラを~!!)



  *   *   *   *   *   *   *   *   *   *



「リサ、連れて来たよ」


「有難う、ギルマスも忙しいのに御免ね」


「いや、丁度一区切り付いた所だ気にするな。で、何が有った?俺に見せたい物とは何だ?」


「初めから説明するわ・・・・・・・・・・」






「と、言う訳なのよ。それで表に置いて有る魔道具をここに置かせて貰いたいの。だめかな?」


「・・・ふむ、移動用の魔道具か・・・聞いた事が無いな・・・・・先ずは現物を見てからにしようか」


「じゃぁ表に置いて有るから一緒に来て頂戴。あたしにしか使えないから盗まれたりしてないと思うけど心配だからさ」


リサ、マーシャ、ギルマスの三人がギルドの建物を出ると、そこには大勢の見物人が集まっていた。


「え!?何これ!ちょっとあんた達!あたしのニールに何してんの!」


「おおっ!何だ、これ嬢ちゃんのかよ。別に俺達ゃ何もしてねぇよ、なぁ皆!」


「そうだ!そうだ!ただ見てただけだぞ!触ってもいねぇよ!」


「嘘じゃねぇぞ!ただ珍しいから見てただけだ!」


「はぁ・・・・・解ったわよ。ギルマス、あれがさっき話した魔道具です」


「ほぉ・・・・・やはり始めて見るな・・・・・使用者登録型の魔道具は幾つか見た事が有るが、何れも武器や防具だった・・・・・暴発の危険性は?」


「無いと思う・・・・・此処に来るまで何度も倒したりぶつけたけど、勝手に直ってたし」


「自己修復型か・・・・・良いだろう。問題無しと判断して、その希少性からギルド内に置く事を許可しよう。お前達は解散だ、この魔道具に手を出す事はギルドを敵に回す事だと周知する様に」


「へ~い」と返事をして去って行くおっさん達と別れ、俺はギルド内のカウンターの横に置かれる事になった。

最後まで読んで頂き有難う御座います。

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