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「ド、ドラゴン・・・・・はっ!み、皆怪我は無いか?!くそっ!アリア、確りしろ!」


エイルとミリアはガレージの中で無事だったが、外でお湯を沸かしていた俺の傍に居たアリアはドラゴンが着地した時に飛んで来た石にでも当たったのか、仰向けに倒れ気絶していた。


「エイル!アリアをガレージに!三人共絶対に出てくるんじゃねぇぞ!アマンダ、お前は入り口前で待機しててくれ」


「ニ、ニール!待って、私も戦うわ!」


「馬鹿言うな・・・どう見たって勝てる相手じゃねぇだろ・・・・・言葉が通じるんだ、何とか交渉してみるから三人を頼む」


そうは言って見た物の交渉材料なんて無く、取り合えず話をして時間を稼ぎ情報を集める事位しか出来そうに無かった。

地響きを上げて此方に近づいて来るドラゴンに向かって、両手を上げて歩いて行き声を上げた。


「ま、待ってくれ!アマンダが・・・彼女が何をしたか知らないが許して貰えないだろうか!可能な限りの謝罪と償いもしよう!その為にあんたの言う主の下へ案内して貰えないか!」


俺の訴えにドラゴンは脚を止め僅かに口を開いた後、右前足を横凪に振るってきた。そして俺の身体の左側、脛の辺りから脇の下に爪が食い込むとそのまま持ち上げられてしまった。


「グアアァァ!・・・・・くそっ・・・問答無用かよ・・・・・」


「・・・・・やはり人ではなかったか。主の命だ、直ぐに他の者も送ってやるから心配は要らんぞ・・・グハハハハハハ!」


「嫌アァァ!ニールゥ!!」


・・・・・ドクン・・・視界の隅に泣き崩れ手を伸ばすアマンダが見えた・・・ドクン・・・全身の感覚が研ぎ澄まされて行く・・・ドクン・・・城の時とは少し違う感覚・・・突き刺さった爪と身体の隙間から修復されて行く・・・ドクン・・・これは・・・分体や服を作った時と同じ・・・魔力を消費すると同時に周囲の魔力を取り込んで・・・ドムドムドムドム・・・足りない・・・もっと・・・もっとだ!・・・もっと魔力をつぎ込め!・・・奴に対抗出来るだけの身体と力を!!


「オオアアアァァァァ・・・・・!!」


「ぬうっ!貴様ぁ!」


叫び声を上げる俺の身体が光を放ち巨大化して行き、その左手には突き刺さっていた奴の右前足が握られていた。


「よくも遣ってくれたなぁ!このトカゲ野郎がぁ!!」


「よもやティーターンの生き残りとは!グハハハハハ!主に良い土産が出来たわ!!」


「喰らえぇ!4サイクル10000cc2000psパアアァァァンチ!!」


俺の右フックが放たれると「ヒュゴッ」と空気を切り裂く音が鳴り、右拳が奴の左肩を捕らえると「ドパンッ」と言う轟音と共に奴の上半身が弾け飛んだ。


「は?」と間抜けな声を出し右腕を振り抜いたまま固まった次の瞬間、残った奴の下半身から血が噴き出して周囲を赤黒く染め、吹き飛ばされた頭部が「ドスン」と音を立てて俺の背後に落下した。


「うわっ!・・・・・え、え~と・・・あ、あれ?・・・・・ち、力が抜け・・・・・・・」


急激に力が抜けて行き身体が元のサイズに戻ると、俺は膝から崩れ落ちる様にその場に倒れ込んだ。


「・・・・・すまねぇ・・・アマンダ・・・後は・・・頼む・・・・・・・・」


徐々に暗くなって行く視界に映る泣き顔のアマンダに謝りつつ後を頼み、俺は意識を失った。






―――声が・・・聞こえる・・・ああ・・・泣くなよ・・・アマンダ・・・唯の魔力切れだよ・・・直ぐ動ける様になるからさ・・・・・エイル・・・俺の事よりアリアは大丈夫なのか?・・・そうか・・・気を失ってただけか・・・・・良かった・・・皆が無事で―――






「・・・・・・・・う・・・・・あ・・・エイル・・・・・俺・・・どれ位眠ってた?」


「良かった・・・・・このまま目が覚め無かったらどうしようかと。眠っていたのは一晩ですよ、今朝食の用意してた所で」


「そうか・・・皆無事で良かったよ・・・・・で、こいつは?」


倒れた俺をエイル辺りが運んだのであろうベッドの上で横になったまま、俺の左脇にしがみ付いているアマンダを指差した。


「あ~・・・また長い間起きて来ないかもしれないから一緒に眠るんだ、とか言って聞かなくて・・・・・」


「はぁ~仕方ねぇ奴だなぁ・・・・・ほれ、何時までも寝た振りしてんな。起きられねぇから良い加減離れろ」


何時までも寝た振りをするアマンダの頭にチョップした。


「むぅ~・・・心配掛けた罰ですぅ~・・・・・もう少しこのままで・・・・・」


「はぁ・・・そうも言ってられねぇんだよ。表のドラゴンの死体を片さないと誰か来たら騒ぎになるだろ」


渋るアマンダを引き剥がし、ベッドから出てドラゴンの回収に向かった。

残っていたのは頭部と下半身以外に、俺が掴んでいた右前足が肩からと左前足の肘から先だ。


回収しながら奴の言っていた事が気になっていた。俺の事を『ティーターンの生き残り』と言い、アマンダの事を『連なる者』と。


(あいつ俺の事人間じゃないって気が付いてたよな・・・・・見分けるスキルとか持ってる奴もいるって事か)


奴の主とやらがこれからも俺達を狙ってくる事は覚悟しておかなければと思いながら、面倒な事に為りそうだと溜息を付いた。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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