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程良く酔いが回り腹が膨れて十分楽しんだ所でお開きとなり、兵士達と別れて俺達は部屋へと戻った。
「あ~楽しかったわぁ~。料理も美味しかったし、果汁もお酒も美味しかったわ。皆優しくしてくれてぇ~可愛いとか言われちゃったし」
「ははは・・・そりゃ良かった。明日は早いからもう寝るぞ、お前はあっちな」
「・・・・・寝てる間に置いて行かない?」
「まだそんな心配してんのかよ・・・・・はぁ・・・置いて行かないよ・・・俺も一人は嫌だしな。言ったろ、お前が居てくれて助かったって」
寂しげに俯くアマンダの頭を撫でてやり、部屋の明かりを消してベッドに潜り込んだ。
翌朝、目が覚めると何故か背中にアマンダが張り付いて寝ていたので、頭をチョップして起こした。
「うぅ~・・・何するのよ~・・・・・」
「何するのはこっちの台詞だ。お前は向こうのベッドだって言ったろ。あれか、寝てる間に俺が居なくなるとか思ったのか?そんなに俺が信用出来ないのか?」
「信じてるわよ・・・一緒に寝るってどんな感じか試してみたかったの」
「だったら前もって言え。目が覚めたら背中に何か張り付いてたとか、吃驚するだろ」
「うっ・・・・・そ、そうね、ご免なさい・・・・・」
アマンダの常識外れな所が人前で出ない事を祈りつつ、宿の一階で朝食を取ってから街中へと市場調査を兼ねた買い物に出かけた。
取り合えず市場を目指し歩いていると、兵士や冒険者らしき格好をした人がやたらと目に付いたのが気になった。
市場を巡り食品を中心に物価を調べて回ったのだが以前(三千年も前だが)より全体的に上がっていて、特に葉物野菜が品薄になっていたのが気になった。
直ぐ南にツォアル(名前は変わっているが)周辺の畑が有って、更に南には穀倉地帯も有り、ヌメイラの有った場所には王都が有る。物流が滞る立地ではない筈なのに、ここまで価格が上がる理由が気になり店主に聞いてみた。
「なぁ、何で野菜がこんなに値が上がってるんだ?」
「・・・・・あんた、東のマハン王国から来たのか?この辺じゃ何十年も前からこの値段だよ」
「・・・まぁそんなとこだ。で、なんか理由が有るんだろ?教えてくれないか?ちゃんと買って行くからさ」
「・・・・・はぁ・・・戦だよ・・・南のタイラ王国との国境近くの農村は無くなっちまった・・・・・南のマザルって町とその周辺の農村からしかこの街には入荷しないのさ」
「成る程な・・・いや、すまなかった、お詫びに色々大量に買わせて貰うよ。ちょっと裏に入って良いかい?」
「お、おいおい、何だ、何しようってんだ?」
裏に置いて有る木箱や袋を覗いて行き、一通り揃っている事を確認して店主に合計金額を聞いて少し色をつけて支払いをした。
「ちょっと驚くかもしれないけど黙っててくれよ」
俺はそう言うと中身だけを次々と収納へ仕舞って行った。
「なっ!っと・・・すまねぇ、まさか収納持ちだとは・・・・・」
「良いって。その代わり内緒にしといてくれよ、目を付けられたらたまんねぇし」
「おう、そこは心配しないでくれ。こんなに買ってくれたあんたを売ったら商人失格だ」
他の店も回って当面の食料や調味料に炭や調理器具と食器を手に入れ、露店で軽く昼食を取った後にベッドを買った。
宿に戻り夕食を取り、部屋に戻って少し落ち込んだ、ゲベルとその周辺の穀倉地帯や畑が無くなっていたのが少しショックだったからだ。この分だと見知った場所など残っていないのだろう。
「・・・・・ニール・・・大丈夫?」
「・・・・・ああ・・・流石に色々有り過ぎてちょっと混乱してるだけだから・・・・・まぁ、知らない土地に来たと思って楽しむしかないか。有難う、アマンダ。さて、明日からは北のジュイダ王国を抜けて、更に北のマモン王国を目指そう」
「どうしても行くの?・・・もうあのエルフは居ないのに・・・・・」
「そんな事は解ってるよ。マモンって王様がアンモン様の子孫じゃないかもしれないけど、このネックレスを返したいんだ。何て言うか・・・気持ちの整理を付ける為って言うか、旅を続ける為のけじめ見たいなもんかな」
「・・・解ったわ。それじゃあその後で最初に会った山に寄って頂戴。私もちゃんとお別れしてくるから」
「そうだな・・・お互いきっちりけじめを付けて旅を楽しもう」
そんな簡単に切り替えられる筈が無いと解っていた。俺達に寿命が有ると思えない以上、これから何度もこう言う事を繰り返して行くのだろう。そしてその度に自分の中で折り合いを付けつつ、お互いに支え合って行けたらと思いながら眠りに着いた。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




