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19

「それで、どんな宿屋が良いんだ?まぁ、王侯貴族が泊まる様な高級宿でも問題ないんだろうが」


「ははっ、そんな無駄遣いはしないよ。中級位で十分だ」


「解った、案内しよう・・・・・しかし、あの魔道具は何だ?行き成り形を変えるわ、大量に荷物を飲み込むわ・・・・・それにギルド職員は聞かなかったが掌から金貨を出した件、あれはどう言う事だ?」


受け取った金貨で小麦粉を大量に買い込み、分体を三輪にしてリアボックスに仕舞った時の事だ。まぁ、あのサイズに入る量じゃないから驚くのも無理は無い。因みに分体と俺は繋がっているので中身は同じ所に入っている。


「あんたには世話になってるから教えるけど他言無用で頼む。あれは収納魔法なんだ。使える奴は殆んど居ないんだろ?だからあまり知られたくないんだ」


「はぁ・・・・・で・・・晩飯は口止め料代わりか・・・・・遠慮なくいかせて貰うとしよう。だが良いのか?部下まで呼ばれてしまって」


「ああ構わないさ。食事は大勢の方が楽しいだろ」


案内された宿で二泊分の料金を払い、仕事の終わる閉門後にこの宿の一階にある食堂で待ち合わせる事にして、それまで部屋で休む事にした。

取った部屋はツインだ、シングル二部屋にしようかとも思ったが、アマンダを一人にして部屋の備品等を壊されて追い出されたくなかったからだ。


部屋に入り備え付けのポットでお茶を淹れ、キョロキョロと部屋の中を見回すアマンダにお茶を渡しながら声を掛けた。


「ほれ、よく我慢したな。大人しくしてて疲れたろ。お陰で交渉も上手く行ったし文句無しだ。明日は街中を見て回って買い物するつもりだから楽しみにしときな」


「疲れてなんか無いわよ。それに、こんな大きな街に入るの初めてだから楽しかったし、明日も凄く楽しみだわ!」


「ははは・・・そりゃ良かった・・・・・にしても・・・三千年かよ・・・・・・・そりゃあ国も無くなるわな・・・・・」


アマンダも同じ様に眠っていて、目が覚めた時に主の遺体が無くなっていたと言っていたが、無くなったのでは無く風化したのでないかと思う。

やっと見つけた同族に興奮して我を忘れたってのも頷ける。現状、俺一人だったら気が触れていたかも知れない。現実を認められず、認めたくなくて、見っとも無く泣き叫び喚き散らし、暴れて捕らわれていただろう。


「・・・・・アマンダ・・・有り難うな・・・・・お前が居なかったら俺は正気を保って居られなかったと思う・・・・・」


「・・・・・ん~、良いわよ別に気にしなくても。ずっと一人だった私の気持ちを少しでも理解してくれたらそれで良いわ」


「もう既に痛い程身に染みてるよ・・・・・それにしても・・・良く俺が出て来るの待ってられたなぁ」


「三千年だっけ?それがどれだけなのか解ら無いけど、何時出て来ても良い様に家の上で寝てたし、当ても無いのに他を探すのも面倒だったしね」


「そう言えば最初に会った時から俺が寝るまで十年・・・・・結構間が空いてたけど、お前何処行ってたんだ?」


「・・・うっ・・・・・それは・・・良く解らないのよ・・・・・ドラゴンに追いかけられたりして気が付いたら辺り一面水だらけだったし・・・・・」


「はぁ?!何だそりゃ?意味解らねぇよ」


「・・・・・その~・・・昼間に空飛んだら目立つでしょ?だから夜に雲の近くを飛んでたのよ・・・・・真っ暗だったし、しつこく追いかけられて適当に逃げたから・・・・・」


「・・・迷子になったと・・・・・辺りが水だけって海にでも出たのかよ・・・ブハハハハハ!それでよく帰ってこれたなぁ・・・・・運良過ぎだろ」


「・・・・・最初は兎に角東に向かったわ。陸地が見えてからは北にず~っと。一度山に帰って休もうと思ってたら変な建物を見つけてさ、絶対貴方だと思ったのよ」


最早ここまで来ると俺がこの世界に転生した事自体がアマンダと会う為に仕組まれていたのではと思えてきた。


やがて日が沈み閉門時間となり、俺達は食堂へと向かった。

暫くして案内してくれた兵士とその部下達がやってきて食堂へ入り適当に席に着くと店員がやってきた。


「いらっしゃい。ご注文は?」


「適当に皆で摘める物を五品、名物とか有ったらそれを。飲み物は俺と彼女には果汁を、彼らにはお酒・・・・・エールで良いかな?」


「ああ、それで構わない。と言うか文句など言わせん」


注文を終え軽く自己紹介をした所で飲み物が来たので乾杯をした。


「くぅ~うめぇ!これがタダだと思うと更にうめぇ!」


「まったくだな!しかも可愛いお嬢さんも一緒だし!」


「お前等程々にしとけよ、明日遅れたら訓練時間延ばすからな」


「隊長硬い事言いっこ無しですよ!俺達の給料じゃこの店なんて滅多に来られ無いんですから!」


「ははは・・・まぁ酒は飲み過ぎない程度にして、料理は食べたい物が有ったら頼んで良いからさ」


「おお~!ニールさん男前っすねぇ!」


料理が運ばれて来て皆で突きながら談笑し、時折周辺国の情勢などの情報を仕入れていった。聞いた感じではアバタ領がそのままハルハ王国の国土になっている様だ。南はタイラ王国、東はマハン王国、北はジュイダ王国で西側は海だそうだ。明日は市場などを回って価格調査と旅支度だなと予定を立てつつ宴を楽しんだ。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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