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アラバ塩湖を左手に眺めながら半周するとニエベの街が見えて来た。
ニエベは製塩とガラス細工や装飾品の加工が盛んで、王室御用達の工房も有ると言う。
俺達は商業ギルドへ行くと書類を渡し小麦粉を売って塩を大量に仕入れた。
「ほんとはガラス細工を仕入れたかったんだけど、流石に高いからもう少し稼いでからにするわ」
そして俺達は南へ向かった。
アラバ塩湖南の湿地帯でリザードマン三匹に遭遇したが足が遅い為難なく回避。リサが高く売れるから倒せないかと言って来たので少し離れた所にリサを降ろして向かって行った。
リザードマンを跳ね飛ばし踏みつける事七往復。
何とか倒したリザードマンの尻尾をロープで縛り木に引っ掛けて俺が引いて吊るして血抜きをしたまでは良かったが、リアボックスに入れるのに物凄く苦労した。
西回りでモアブ領を避けアバタ領に入り、北門からツォアルへ入ると門番に領主館へと行く様に言われた。
「また・・・かしら・・・・・はぁ・・・いざと為ったら南のエドム王国に逃げましょう。あんたとなら何処でも行けそうだし」
領主館に着くと門番が直ぐに取り次いでくれて屋敷の中から執事がやって来た。
「お館様が不在の為私が対応させて頂きます。貴方がいらしたら此方を渡す様に言付かっております、どうぞお受け取り下さい」
執事から渡されたのはコインの様な物が付いたネックレスだった。
「そちらはアンモン家の紋章です。王国内であればそれを見せる事で街に入る時等に並ばなくて済むでしょう。貴方のお陰でお嬢様も大変お喜びになりました。私からもお礼を言わせて下さい。有難う御座いました」
右掌を左胸に当てて軽く頭を下げた執事に見送られギルドへ向かった。
「これって囲われたって事なのかな?それとも本当に唯のお礼?あんな事が有ったばかりだから判断に苦しむわ~」
ギルドに塩とリザードマンを売って小麦粉を買いニエベへ戻る事にした。
ツォアルを出て湿地帯を抜けニエベへと向かう。今回はリザードマンに会わなかったのがちょっと残念だ。
途中でLV70になり手に入れたスキルは自動修復(中)だった。相変わらず攻撃スキルは手に入らないがバイクだし仕方ない・・・・・魔法使える様になりて~!
ニエベで小麦粉を売り、アラバ塩湖を北周りで王都に寄らず東へと向かった。
大鎌の女と会った山の南側を抜けて更に東へ向かいエントの街へ。
ゲベル程では無いが、そこそこ大きな穀倉地帯を抱えた街だ。
ここまで兵士に何度か止められたが、アンモン家の紋章の効果は絶大でギルド証が要らない程だった。
「・・・・・有り難いけど何か申し訳ないわね・・・・・こんな凄い物だったなんて逆に怖くなるわ」
(だなぁ・・・・・これ、無くしたりしたら打ち首に為るんじゃね?)
エントの街で仕入れをして王都へ向かう途中でLV80に、今回のスキルは魔力回復力増加だった・・・・・
王都に着き、商業ギルドで仕入れをしながら他の旅商人達から情報も仕入れる。旅商人同士の情報の遣り取りは頻繁に行なわれている様で、どう言うルートを回って来たかとか、何時何処で何が有ったか等、商売に繋がる情報からどうでも良い話まで多岐に渡る。
その中に例の大鎌の女らしき話も幾つか有った。貴族風の格好をした女性が荷物も持たず一人で街道を歩いていたら目立つので当然だ。
直接話をした人は居なかったが、奴は南へ向かっているのは間違いない様だった。
鉢合わせると拙いので王都とエントを往復して様子を見る事に。
二往復した所でLV90になり、手に入れたスキルはカスタマイズだったのだが、交換出来るのがハンドルとサスペンションだけだった。
追加出来るパーツは車種による。例えばオフロードだとナックルガードやアンダーガード。アメリカンだとシーシーバーと言った感じで使える様な使えない様な微妙なスキルだった・・・・・LV100に期待しよう。
立ち寄った街のギルドで情報収集はしていたのだが奴の情報が途切れた。ヌメイラでの目撃情報以降全くと言って良い程無くなったのだ。
奴は飛べるし、夜間のみに移動されたら目撃情報が無いのは当然で、狭い範囲で行動している方が見付かる可能性が高いと判断して、警戒しつつも王都から北周りでニエベ、ツォアル、ゲベルへと向かった。
道中も情報収集は怠らなかったが奴の情報はやはり無かった・・・・・何処に行ったのだろう・・・・・
資産も順調に増えて行き取り扱う商品も食品だけでなくなり、情報を元に機動力を生かしてハビラ王国内を走り回って稼いだ。
LV100~120まではカスタマイズのパーツが増えただけだったがLV130で中型が解禁!
LV50で小型、LV130で中型だった事から限定解除はLV400だと推測される。先は長そうだ・・・・・
ある日、王都のギルドで嬉しい情報を聞いた。
モアブ領主失脚。
影で色々悪さしていて爵位を剥奪され投獄されたらしい。いい気味である。
モアブ領はアバタ領に編入、領都はツォアルでセドムには代官を置く事になった。
俺達は久し振りにセドムへ向かいマーシャさんに会いに行った。
再会を喜び合いマーシャさんの借りている部屋で飲み明かす事に。と言っても俺は商業ギルドに預けられたけどな!
この時ばかりは飲み食い出来ない身体が恨めしかった。
旧モアブ領を通行出来る様になった事で王国北部への移動が格段に楽になり、ギルド本部やアンモン伯爵様からも依頼を受ける事も有って、忙しくも楽しい日々が続くのだった。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




