表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/33

09

奴を引き離した後も俺達は昼夜問わず走り続けた。

もしかしたら直ぐ後ろに迫って来ているのでは、と思うと対処出来そうな王都までは止まる事など出来なかった。

逃げる様に走り続けたお陰で王都のギルドに付いたのは期限の六日も前で、報告を受けたギルド職員は驚愕の表情のまま固まってしまった。


「あの~達成報告以外にも報告する事が幾つか有るから偉い人と話がしたいんですけど取り次いで貰えません?」


「え?!あ、はい!直ぐに取り次ぎますので少々お待ち下さい!」


リサが目の前で手をひらひらと手を振って話しかけると、ハッと気が付いて慌てて奥へと消えて行く。

暫くして戻って来た職員に呼ばれてリサも奥の部屋へと通された。


(・・・・・しかしあいつ何者なんだ・・・保護を貫通して来るとか、やばすぎだろ・・・・・リサが何か情報仕入れて来てくれれば良いんだけど・・・・・)



 種類:オートバイ LV53 名前:ニール

  耐久:720/720 魔力:310/310

 スキル

  イグニッション(アクティブ時:前照灯・警笛・方向指示器・アクセル操作)

  自動修復(小) 小物入れ 所有者保護 レバー操作 加重移動 モデルチェンジ リミッターカット

 所有者:リサ・シルフライン



(俺自身は直ぐに壊れる事は無いけど、リサは・・・無理だろうな・・・・・俺を解放するってそう言う意味だろうし・・・攻撃スキルも無いし逃げるしかないか・・・・・)


暫く対策を考えているとリサが神妙な顔付きで戻って来て、そのまま俺を押して街中を移動し一軒の建物の前で立ち止まった。


「ここに用が出来たから裏でちょっと待っててね」


リサは俺を建物の裏に押して行くと厩に俺を預けて建物の中に入って行った。

一体何が有ったのかと考えを廻らせているとリサが一人の男を連れて戻って来た。


「ほう、これがその魔道具ですか・・・中々興味深い・・・・・」


「さっきも言ったけど、馬より速くて荷物も詰めるし冒険者ギルドでの実績も有るんだからね。その辺も考慮してよ」


「良いでしょう。では、こちらへ」


(お、おいリサ、何だよそれ・・・・・まさか俺の事売ろうってんじゃ・・・・・)


二人が建物の中に戻って行き、悶々と考えを廻らせているとリサが荷物を抱えて戻って来た。


「ニール、三輪になってくれる?荷物が沢山有るから仕舞いたいの」


モデルチェンジで三輪になるとリアボックスの中に次々と荷物を入れて行くリサ。


(何だよこれ・・・・・え?塩?・・・何でこんなに沢山・・・・・いい加減説明しろよリサ!)


リサは塩を仕舞った後、先程の男から封筒と小包を受け取り、水や食料と一緒に小包も仕舞った。


「それじゃ行くわよニール。あ、そのままで良いわよ、荷馬車と同じ扱いにして貰ったから街中を走っても大丈夫だから」


リサは俺に乗ると街中を走り南門へと向かった。


「ちょっと待っててね、街を出たら全部話すからさ」


そう言って暫く走り、南門から街を出て周囲に人が居なくなった所で話し始めた。


「冒険者ギルドでフォレストウルフの事と大鎌の女の話をしたんだけどさ・・・信じてくれなかったのよ・・・・・そんな奴が居るなんて話は聞いた事が無いって・・・まぁ、被害が出てから慌てたってあたしの知った事じゃないから良いんだけど・・・・・それでさ、山の北側の町に救援を送るからそれを知らせに行けって言うのよ!あいつがこっちに向かって来てるのに行ける訳無いじゃん!何かの見間違えだとか、こっちは殺される所だったってーの!」


(・・・なるほどね・・・・・あれ程の奴の情報が無いってのが気になるけど、それで怒ってギルドを出て来たと・・・で、この塩は何なんだ?)


「それでね・・・勝手に決めちゃったのは悪いとは思ってるんだけどさ・・・冒険者辞めて旅商人になる事にしたわ。さっきの建物は商業ギルドで、登録する時にあんたの事を荷馬車と同じ扱いにして貰ったの。街中で乗れないと逃げられないでしょ」


(それでこの大量の塩か・・・・・まぁ俺は良いけど、お前商人なんて出来るのか?駆け引きとか出来る様には見えないけど・・・・・)


「それで、まぁ便宜を図って貰うために一つ仕事を引き受けたの。アバタ領の・・・あ、セドムとヌメイラの町の有る領地の南の領地ね。そこの領主のルート・アンモン伯爵様に届け物をしなくちゃいけないの。そう言う訳で領主の居る街、ツォアルまで行くわよ。ヌメイラから馬車で十五日だからあんたならここから十日位で着くでしょ?」


(おまっ・・・・・はぁ・・・受けちまったものは仕方が無いか・・・・・でも相手は貴族だろ?お前礼儀作法とか大丈夫なのか?)


「期限は十二日、伯爵様の二人の娘に誕生日の贈り物を取り寄せたんだけど普通なら間に合わないのよ。伯爵様は間に合わなくても仕方ないと言ってくれてるけど、誕生日の贈り物なんだから当日までに届けてあげたいじゃない」


(そうだな、プレゼントの無い誕生日パーティとか寂しいしな。上手く行けばギルドと伯爵にも恩が売れるか・・・・・そうと決まれば・・・ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!・・・モデルチェンジ!4サイクル125cc・アメリカン!・・・最高速は落ちるけどこの方がゆったり乗れて長距離移動向きだろ)


「ひゃっ!・・・・・これって力を貸してくれるって事よね?・・・《ピッ!》・・・ありがと・・・・・あたしに出来る事が起きてる事だけってのが情けないけど、宜しくね、ニール」


(おう!任せとけ!あいつが追って来ないとも限らないし、今の内に距離かせいどこうぜ)


アラバ塩湖を右手に眺めつつ移動し、三日目にヌメイラに到着。そこから更に南へと向かった。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ