057.爺、何が起こったのじゃ?
儂を支えたのは、何時の間にか来られておったダリル様じゃったようじゃ。
っと言うか…何時の間に来られたのじゃ?
っと言うか…何故に外から屋内へと差し込む日の日の光がオレンジに染まってまる?
まるで朝日か夕日の光が差し込んでおるようじゃ。
いや、まさかのぅ…今朝方に朝餉をいただいてから、こちらへ向こうたばかりじゃて。
まだ朝の早い時間に、そんなことはありえぬじゃろうてのぅ、ないよのぅ?
儂が目を瞑っておる間に欠損部を抱えた手足の傷を含む傷が癒えた少年がの、手を組み跪いて儂を祈っておる。
いや、儂は祈りを捧がれるような大層な者ではないゆえ、止めて貰いたいのじゃが…
っと思いつつ、辺りに目を向けるとのぅ、くだんのシスターも同様に儂を祈っておったわえ。
えっ?一体…何が起こっておるのじゃぁぁぁっ!
「これは?」っと、思わずダリル様と近くに居たセルフィス様へ目を向けるとの、困ったように見られてしもうたわえ。
何故に?
「いったい、何が起こったのですかいのぅ?」っと尋ねるとじゃ、セルフィス様が困惑したようにのぅ。
「いや…アナタが分らないのですか?」っと逆に聞かれてしもうたわえ。
「いやのぅ、少年の余りに酷い状態にショックを受けましてな、儂の技量では治せぬ無力を痛感しておりましたのじゃ。
そこへ女子じゃと思われる涼やかたる美声にて呼び掛けがですのぅ…」
「う、うむ…確かに、あのような状態になる前に『女性の声が聞こえた』っといっておりましたが…」
「そう言えば、シスターが儂に何かを…
そうじゃっ!『女神様の御声』じゃとか…あの後は一心不乱に少年が癒されるように祈っておりましたじゃ。
魔力が抜け落ちるような感覚が襲ってきましたでのぅ、必死に魔力と氣を練りつつ祈って…気付いたら今の状態でしてのぅ」
そう告げてから頬を人差し指で掻く儂。
そんな儂へダリル様が呆れたように。
「まったく、とんでもない小童であるな」っとのぅ。
「ユウ、おぬしはな、瞑想しつつ祈りを捧げておったのだが…全身から清らかたる光が溢れ出して輝いておったのだ。
某が異変の知らせを聞いて、ここへと駆け付けた時には、家の周りに人々が集い跪いてここへ祈りを捧げておる状態であったわ。
まさに神がご降臨なさったと言わんばかりにのぅ」
そのようなことになっておったとはっ!
いや、じゃが…何故に儂なのじゃ?
ここには神へ仕えるシスターも居る、彼女の役目ではないのではなかろうか?
儂の視線に気付いたシスターが立ち上がり告げる。
「この度は教皇候補たる少年をお救いいただき感謝しております。
私はナリサラ教のシスターであるアンジェリンと申しますわ。
私の力量不足にお気付きになられた女神様は、この場に居られたアナタにご助力を願ったようなのです。
そして…女神様が思われた以上の力量をアナタ様は示されました。
女神様は大変感謝されております。
今後は女神様よりアナタへの加護が授けられるでしょう」
いや、どう言うことでい?




