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042.爺、神の真実…信者には言えぬわっ!

ポエマー日記は勘弁して(もろ)うたのじゃがの、続けて神代文字、つまり神字にて書かれた書物を渡されてしもうたわえ。

っと言ってもじゃ、儂には日本語で書かれたようにしか思えぬのじゃがのぅ。

いや、翻訳機代わりにせぬで欲しいのじゃが?


他のプレイヤー達は単語の意味などを理解していくと日本語へ徐々に置き換わり解読できるようになるらしいのじゃ。

そうサコン殿は言っておったゆえに儂も同じと思っておったのじゃがの、知らぬ内に他国の書物を普通に読んでおってのぅ…

それを教官殿に指摘されて、ようやく発覚に到ったわけじゃて。


これも儂の年齢や無才身ゆえのゲーム内補正というものなのじゃろか?

どんだけリアル儂は才能がないというのじゃっ!流石に失礼じゃろがぁぁぁっ!

まぁ、老い先短き身じゃ、言うても詮無いことゆえ仕方ないがのぅ…


さて、渡された書物の中には色々と興味深い内容が書かれた代物がのぅ。

神代時代の失われし魔術…いや神術とでも呼べば良い術ものぅ。

ただ、術の行使には神力と申す物が必要となると言うのじゃ。


当然のように神力を用いると書かれておるのじゃが、それが如何なるものかはセルフィス様もゼルダ婆様も知らなかったわえ。

ただのぅ、別の書物にて『マナ練りて至りし魔力を昇華せし仙力、そが力もちいて神力と成すべし』などと言う記述をの。

どうやらマナから魔力、魔力より仙力、仙力より神力っと言うように高めていくようだのぅ。


このことは今の世には知られておらぬことだったようでな、セルフィス様とゼルダ婆様が騒いでおるわい。

困ったものじゃて。


それ以外にはの、現代では神と崇められている者の生活を綴った娯楽本ものぅ。

「東海道中膝栗毛」的な珍妙な娯楽本とでも()うて良い品でな、神と言う神々しい概念が崩壊する勢いじゃて。

いや、これは無い!流石に信者へは教えられぬ内容じゃての。

っと言うか、神を貶める不敬として追われる身になりそうじゃて言わぬが花じゃろう。


そんな神代文字で書かれた書物以外にも魔術や魔術陣などが書かれた書物もあり、なかなかに有意義じゃったぞい。

過去の他国における風物なども書かれた書物もあり、暇を潰すのには最適じゃ。

っと言ってもの、このアバターは速読の気があるようでのぅ、読むのが早いのじゃ。


いや、儂はジックリと読む派なのでジックリ、ゆっくりと読んでおるつもりなのじゃがの、読み終えるは普通の者の数倍速いらしいわえ。

これも儂自身では気付かぬゆえ、儂が読破速度が速いのに驚いた教官殿に教えて(もろ)うて初めて知ったのじゃがな。


そんな感じで読書にてすごしておる間に村へと到着したようじゃわえ。

ここまでにも数箇所ほど町や村を通過しておるぞい。

ここも通過予定の村に過ぎぬのじゃがの、昼食の時間ゆえに、ここにて休憩を取るようじゃて。


皇都から北東へと移動して来たわけじゃが…今日は、ここよりも北東へと進んだ先にある村にて宿泊予定らしいのぅ。

森林地帯の端にある村らしいわえ。

その村より森林地帯を通る街道を使用し森林地帯を抜けた先の岩石砂漠を越えると目的地の晶石産地へと到るのだとか。


やれやれ、遠いことよのぅ…

馬車から降りるとの、1軒の食堂へと(いざな)われるわえ。

そこでセルフィス様達老人に囲まれるようにして食事じゃの。


食事は質、量ともに満足のいくものじゃったぞい。

じゃがのぅ、どうせなら爺婆に囲まれて食すよりもキャサリン嬢達のような若き女性に囲まれて食事したかったわえ。


如何にも田舎風な煮込み料理じゃったがの、肉も野菜もジックリと煮込まれておりホロホロと崩れんばかりじゃて。

都度焼いておるパンは、ふっくらと柔らかく、ミルクにて丁寧に伸ばした小麦粉にて、とろみを付けられた煮込みスープに良く合うぞえ。

朝採れ野菜のサラダも多彩な野菜がふんだんに使われており、とても美味であったのぅ。


食事を終え茶をいただきつつ食休みじゃて。

なにせ馬車での旅とはいえ、ガタつく道を走らせるゆえに揺れるでな、乗っておるだけでも結構つかれるのじゃよ。

まぁ、対策しておった儂は大丈夫なのじゃが、儂は読書疲れというやつじゃて。


しばし休憩を入れた後にて食堂を辞し馬車へとのぅ。

見る物もない場所ゆえ素通りに近いが、ま、食事は美味かったのぅ。

さて、儂は読書の続きじゃて。

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