表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/147

038.爺、忘れ物しらべじゃてのう。

朝じゃっ!活力漲るビンビンじゃっ!何がじゃと?ナニがじゃわえ。

若いちゅうのは()えことじゃてのぅ、リアルでナニなんぞ、とうの昔にナニゆえにのぅ。


ま、下世話な話題は置いておいてな、目が覚めるとのぅ、重要なことを思い付いたのじゃよ。

1つはの、儂がマネージメントした品々のマージンが振り込まれる頃じゃということをじゃな。

10日に1度で振り込まれる話になっておってな、先日に20目となっておったことを忘れておったのじゃ。


預かり所へと向こうた時には荷を預けることにしか頭が回っとらんかったゆえに確認し忘れたわい。

まぁ、10日分の総利益を計算した後にて振込み額を算出してからの振込みじゃからの、10日経ったと()うても即座には振り込まれんでな。


そうそう、儂がマネージメントした案件は教練所を通してはおらぬでな。

いや、教練所の教官が関わってはおるのじゃが…


生産教練所の教官となるとな、色々と頼れると思われてしまうようなのじゃ。

それゆえに知り合いなんぞから色々と相談されてしまうということでな、どうするか悩んでおったそうな。

そんな時に教練にて色々と斬新な料理を創り出す儂が現れたわけじゃて。


もしかしたら儂に相談すれば打開策が見付かるやも、そう思った教官殿から相談をされてのぅ。

色々とマネージメントを行ったところ、儂にも取り分がのぅ。

ついでに新商品の納品先として屋台街を紹介したところ、そこから情報が口コミで広がり売れ始めたとか。


っと言ってもじゃ、所詮は売り始めたばかりの品々じゃからのぅ、儂の取り分なんぞ小遣いていどぞい。

じゃがのぅ、これから旅に出るゆえに小遣いていどの金銭でも得ることができれば嬉しいわえ。

忘れぬように引き出しに行かねばのぅ。


そしてじゃっ!他にも思い付いたことがあってな!

風呂とトイレを造ったと言うに、なんとっ!洗面所とキッチンを造るのを忘れておったわい!

不覚じゃっ!


雨が降った時になどに食す場所としてダイニングも必要じゃろうのぅ。

儂としたことが思い付かぬとは、とんだことじゃてのっ!

今日中に造らねばなるまいて。


しかし…これならば一層のこと簡易小屋を造った方が良かったやもしれぬのぅ。

いや、無理かえ。

今の儂の力量では全ての設備を内包した小屋なんぞを造ったら小箱へ収納できぬじゃろうな。

小箱へと彫金付与できる魔術陣の性能では、それほどにまで大きくなった品を収納するほどに領域拡張できぬわえ。


むろん、軽量化も追い付かぬであろう…

後、半年…いや、せめて3ヶ月あれば、その高みへと到ることも(かの)うたじゃろうにのぅ。

いきなり力量十分っと卒業あつかいにな、いきなり過ぎるであろうがのぅ…


教官連中が言うにはの、中堅以上の職人を凌ぐレベルに達した者へ教えることはないとか言うのじゃぞ。

いやいや、まだまだ学びたいことがあるゆえ、期限までは通いたかったのじゃが…世の中ままならぬものじゃてのぅ、ふぅ。


さて、明日には旅へと出ることとなるゆえ、今日は魔術教練所の鍛練室へ向こうて準備した物の確認をして貰わねばな。

少々足りぬ物が今朝方に発覚したばかりじゃが、他にも足りぬ物があるやもしれぬ。

ゆえに朝の間に確認して(もろ)うての、足りぬ物を準備せねばなるまいて。


さて、そうと決まれば、まずは日課の散歩じゃな。

これを行わねば1日が始まらぬわえ。


そして…朝の日課、朝食を終えた儂は魔術教練所の鍛練室へと向かうぞい。

今日までに準備するように告げられておったゆえに準備したのじゃが…後で足らぬ物を早速造らねばのぅ。


鍛練室へ入るとじゃ、皆が既に待っておったわぇ。

しかし、王城調理師の頂点たるグランシェフ・ラセヨツラ様、宮廷魔術師のセルフィス様が来られておるようじゃ。

以前にも教練所へと来られての、何故か色々と教わったことがあるゆえ面識はあるのじゃが、今日はどうしたのじゃろか?


他に見知らぬ方々も居られるようじゃな、なんじゃえ?


まぁ良いわえ、儂は教官殿へと告げて用意した品々を背嚢より教練所へとの。


「ユウさん…つかぬことを聞くのですが、この2つの箱はなんなのです?」っとジェロウ教官がの。


そう尋ねられたゆえ、儂は応えることにの。

「これはトイレと風呂ですじゃ」っとな。


儂が告げた意味が分からぬようでの、不思議そうにしておるで風呂とトイレをプレハブ展開して見せることにの。

「呆れたぁ~、アナタ、風呂とトイレを持ち運びながら旅するつもりなの?」

何故かキャサリン嬢に呆れられたぞい。


「ふむ、いや、拙いと儂も思っておるのじゃ」

「あら、意外と常識があるのね」っと感心されての。


じゃから得意になって告げたわえ。

「ほうなのじゃ!儂としたことがの、洗面所とキッチン、ダイニングを造り忘れてしもうておったのじゃっ!

 魔導洗濯機は市販の品を少々改良して背嚢へ仕舞っておるでな。

 洗濯物を洗濯機に入れて稼動させつつ背嚢へ入れておけば洗濯は済むじゃろうの。


 それで()えっと油断して気付かなんだのじゃっ!

 迂闊じゃったわえ」


「前言撤回ぃっ!何考えてんのっ!」


へっ?何か変じゃったかのぅ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ