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029.爺、2日目終わりて夜が明けて。

サコン殿と別れ武術教練所を辞した儂は宿舎の管理人に場所を教わった預かり屋へと向かうことにのぅ。

名前は預かり屋じゃが、要するに銀行じゃの。

いや、銀行みたいな商売を行っておる店と言った方がよかろうか?


銀行にも貸し金庫があり、ある意味では物を預かってもおる。

預かり屋は金を預かることもするのじゃが、物を預かる方が本業っと言った感じかえ。


とりあえずは貴重品と金を預けてから宿舎へと戻ることにの。

無論、預かり賃なる物を払う必要があるでな、早く自宅を構えたいものじゃて。


預かり屋から出ると夕闇が迫っておる時刻になっておったわい。

思った以上に時間がかかったわえ。

儂は早足にて宿舎へと向かう、今日の宿舎での夕食はなんじゃろの?

早く帰って食事にしたいものじゃて。


して、その夕食なのじゃがの、トマトスープのパスタ煮込みじゃったわえ。

少々ピリ辛なスープへ様々な肉や野菜が入れられ煮込まれておってのぅ。

茹で上げた後で炒めたパスタを盛った深皿へと、そのスープが注がれておるわけじゃて。


結構なボリュームであったのじゃが、流石は若いアバターの身となっておる儂はペロリと食べてしもうたわえ。

リアルの儂には無理なことであるゆえ、しばし食べれる楽しみを堪能したぞえ。


食事を終えた儂は宿舎の風呂へとのぅ。

いやぁ、なかなかに広い風呂でな、しかも薬湯となっており独特な香りに和む気分じゃよ。

まぁ、好まぬ者もおるやもしれぬが、少なくとも儂は気に入ったのぅ。


風呂にて寛ぎ疲れを癒した儂は部屋へと戻り、就寝仕度を行った後、早々に眠りへとのぅ。

宿舎に住まう他の者達からしたら宵の口といったところじゃが、リアル老人の儂からしたら遅いくらいの感じじゃて。


当然、早く眠りへと誘われるということはじゃ、目覚めも早いと言うことでのぅ。

今朝も日が昇らぬ内に目覚めた儂は朝の散歩へのぅ。


今朝は近場の公園へと行き、軽く体を解してから少々型稽古などをしてみたぞえ。

昨日に武術教練所にて見せて(もろ)うた武術の型を少々行ったわけじゃがの、意外とスムーズに行えたわえ。

その後はのぅ、公園のベンチにて座禅を組んでから瞑想をな。


氣や魔力を感じ練るという鍛練を静かに行うのじゃ。

本来は身に付けるのに苦労するらしいのじゃがの、教官達が行っておったのを感じ知ることで行えるようにじゃな。


これが与えられた才能、適性というヤツなのじゃろか?

リアルでの儂では考えられぬことゆえ、呆気にとられるほどじったわい。


軽く鍛練したつもりじゃったのじゃがの、気付いたら人通りが多くなっておるようじゃわい。

そろそろ宿舎へと戻り朝食じゃのぅ。

そう考え宿舎に戻った儂は、早々に朝食にしたぞえ。

うむ、今朝もバイキングじゃったわい、若い身となり食欲の増した儂には嬉しいシステムじゃてのぅ。


朝食を終え身支度を整えた儂は宿舎を出る。

今日は生産教練所へと向かい、生産学科に対する適性検査とやらを受けることにのぅ。

いや、昨日のサコン殿に聞いた話からするとじゃ、全てに適性があることになる筈じゃて。


しての、やはり全てに対してのぅ。

教官殿が困り顔であったわえ。


そしてのぅ、そんな儂へ何を教えるかを決めるために教官達が話し合うこととなったようなのじゃ。

それも魔術教練所、武術教練所、生産教練所の3教練所教官達が集まってだそうな。


どうも、全てに関わる内容を効率良く儂へ教える運びとなるそうな。

いや、そんなに詰め込みで行わなくても、()えんじゃよ?


まぁ、晶石術と魔方陣学、属性魔術は必須らしいのぅ。

儂の要望で剣術指南は受けられるのじゃが、槍刀術と武術も習うこととなりそうじゃわえ。

また魔導銃などについても扱えるように鍛練をのぅ。


生産学科では、それらの武具のメンテナンスや作成が行えるようになることが目標となるらしいのじゃ。

それ以外に魔導具作成などもじゃな。

流石に魔導機が造れるレベルには敷居が高過ぎるとの話でな、時間があればと言うことになりそうじゃて。


しかし…いくら才能がありそうじゃと言ってものぅ、詰め込みは感心せんのじゃが…勘弁してつかあさいや。


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