021.爺、魔術教練所へ向かうのじゃ!
宿舎に帰り食堂へとの。
朝食はバイキング形式のようじゃて。
パンやオカズなどが盛られた皿より各自が自由に各々の皿へ取って食べるわけじゃの。
スクランブルエッグにソーセージ、レタスなどが盛られたフレッシュサラダ。
スープとミルクにコーヒーなどとパンをいただき朝食を済ませる。
朝から十分にいただき、少々腹が苦しいくらいじゃわえ。
食べ終えた儂は貴重品のみを身に付けてから宿舎から出る。
昨夜の夕食時に宿舎の管理人より教練所からの通達によるとじゃ、朝の9時頃に魔術教練所へ来て欲しいとのことじゃったわえ。
指導員達も朝に色々と仕度があるのじゃろうの、落ち着いた頃の9時を指定してきたというわけじゃわい。
ゆえに今朝は、ゆるりとしておったわけなのじゃがの、明日からは、こうは行かぬであろう。
そう考えつつ宿舎より魔術教練所への道を歩む。
既に出勤時間や登校時間のピークは過ぎ去っておるからの、道は閑散としておるわえ。
時々、遅刻したのじゃろうかのぅ、慌てたように走り去る者達ものぅ。
随分と焦っておったようじゃが、ご苦労なことじゃてのぅ。
まだ時間には早いのじゃがの、着いてしもうたわえ。
まぁ、なにがあるか分らぬゆえ、早めに行動して悪いことはあるまいてな。
魔術教練所の門を潜り玄関へとのぅ。
玄関らしゅう場所へ入るとじゃ、受付らしい場所があったでな、そこへと行くと若い女性が受付をしておったわえ。
そこへと赴き声をな。
「済みませんがのぅ、儂は今朝ここヘ来るように指示されておるユウ・ノイマですじゃ。
なにやら魔術学科の適性検査とやらを行うと聞いておるのですがのぅ、手続きはここで良いんですかいのぅ」
そう尋ねたらの、何やらポッカァ~んと見られたぞい。
なんじゃろかい?
「い、いえ…失礼しました。
それにしても古風な仰りようですわね。
まるでご老人…いえ、失礼しました!」
ああ、儂の喋り方かえ?ふむ、確かに若々しい喋り方ではのぅ。
じゃがのぅ、実際の儂は老人じゃからのぅ…しかたあるまいてのぅ。
「ふむ、構わぬわえ、まぁ、これが儂の話し方ゆえ、勘弁して貰えぬじゃろか?」
とりあえずの。
そう弁明するとじゃ、受付嬢が慌てたようにな。
「いえ、とんでもございませんわっ!
それよりもユウ・ノイマ様ですわね、少々お待ちくだい」
そのように告げた後、何やら探し始めたようじゃて。
うむ、書類らしい物をあさっておるようじゃな、儂に対する書類なのじゃろか?
「ああ、ありましたわ。
昨日、難民管理局にて適性検査を受けられた方ですのね。
えっ!ここ以外にも3つの教練所に対しての適性が認められているのですか!
はぁ~優秀なのですわねぇ~」
驚いたように儂を見ておるのじゃがの、そんなに凄いことなのじゃろか?
それよりもじゃ、儂はどうすれば良いのじゃろか?
儂が困った顔をするとじゃ。
「あっと、重ね重ね申し訳ございません!
えっとですね、まずは身分証のご提示をお願いいたします」
そう告げている受付嬢の後ろでベテランらしき女性が呆れたように首を軽く振っておるのぅ。
この受付嬢は新人さんなのじゃろか?
まぁ、気にせぬこととして身分証の提示をのぅ。
「はい確認いたしました。
では、あちらの第1待合室にてお待ちいただけますでしょうか」
そう指示を受けたでな「うむ、分りましたわえ」っと告げて第1待合室とやらへの。
後ろでは最初に身分証の確認を行わなかったことやら対応について受付嬢が叱られておるわえ。
困ったことじゃてのぅ。
待合室へと入り、しばし待つとじゃ、儂を迎えに担当の者が現れたぞい。
これより魔術学科の適性検査とやらを行うらしいわえ。
どのようなことを行うのかのぅ、楽しみじゃて。




