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014.爺、色々決まったようじゃぞい。

「なっ!適性ありですかぁっ!」

受付嬢が目を引ん剥いて声を上げよるわっ!

悪目立ちするゆえ止めぬかっ!


待合フロアにて待っておった者達が驚いたように、こちらを見ておるじゃろがっ!

「ママぁ、あれ、どうしたの?」っと幼子が母親へ聞いておるのじゃがのぅ。

「しっ、見ないのっ!」っとのぅ。

いや、マンガなどのノリでのシュチエーションではあるじゃろうが、実際に言われるのは初めてじゃっ!


んっ?いや、仮想現実内のAIアバターが告げたゆえにノーカンか?

うむ、そうじゃの、そうしておこうわぇ。


「何やら光おったが…これが適性ありということなのかのぅ?」

一応は確認じゃ!


「なんで、そんなに冷静なんですかぁっ!

 魔術適性があったのですわよっ!

 魔術が使えるということなのですのよっ、分っておられるのですかぁっ!」


そう興奮して詰め寄るようにのぅ。

いや、確かに魔術適性があったようではあるのじゃがのぅ、そんなに興奮するようなことなのじゃろうか?

大体、プレイヤーならば魔術適性があっても、おかしくはないのではないかのぅ?


儂が覚めた反応しかせぬので、かえって興奮してしまっておる受付嬢に同僚の職員が苦笑して告げるのぅ。


「トセリア、落ち着きなさい。

 同僚が申し訳ございません、彼女は魔術師に憧れがございまして。

 ですが本人には適性がなく諦めた過去があるのですよ。


 私もこの仕事に就いて何人もの方々に対し魔術適性の検査を行っておりますが、適性のある方に出会ったのは初めてでございます。

 むろん、彼女も同様にですな。

 ですので、初めて魔術適性のある方に出会えて興奮冷めやらぬようすでして…ふむ、落ち着いたかね?」


「コリントさん、申し訳ございません。

 ああっと、大変失礼いたしました。

 それでは魔術教練所に対する紹介状を記載いたしますので、魔術教練所へ…」


「待ちなさい、まったく…

 まだ冷静ではないようですので、私コリントが替わって対応させていただきます」


ふむ、儂はどちらでも良いのじゃが…紹介状を(もろ)うて魔術教練所とやらへ行けば良いのではないのかのぅ?

不思議に思いコリント氏をシゲシゲと見ておるとじゃ、コリント氏が苦笑して告げてきたわえ。


「まだ正式な身分証を発行しておりませんよね?

 仮身分証では教練所へ通うことはできませんので。


 彼女は魔術適性をいの一番に行う癖がございましてねぇ。

 本来は、こちらの書類へ必要事項を記載して提出していただくことから始めるべきなのですが…」


そう告げて溜息を吐いたあとにて苦笑いしておるぞい。

ふむ、なかなかに困った娘さんのようじゃてのぅ。


儂も苦笑しつつ受け取った書類へと必要事項を記載していく。

まぁ、氏名と出身地や身内についての簡単な記載ではあるな。

元々仮身分証を持っておったことから審査手順は正式なものより簡易になっておるようじゃわい。


これが身分を示す物がない者であるならばじゃ、検査室と言う魔術的な処置を施された部屋にて質疑応答させられるそうじゃ。

その部屋では発した言葉の真偽が魔術的な機能にて判ぜられ確認されるらしいわえ。

結構な時間がかかる審査ゆえ、行わずに簡易的に終え身分証を手に入れられたのは僥倖じゃてのぅ。


手続きを終えて身分証を手に入れた後、身体測定と試験をの。

ちと面倒ではあったが、受けぬと通える教練所が限られてしまうそうじゃて。

それでの、結局は魔術教練所、武術教練所、生産教練所、事務教練所の4ヶ所の教練所へ通えることとなったわい。


教練所では基礎的な内容を教わるだけでな、その習った内容から更に適性を判断していくらしいぞえ。

この教練所自体は皇都民に対しても門戸を開いておるようでな、様々な者達が通っておるそうな。

対外は若者が通う場所らいしのじゃが、歳を取った者達も通っておるらしいわい。


ふむ、ならば儂のような年寄りが通っても…っと、今の儂はアバターで、年齢は15歳じゃったわい。

このアバターならば通っても、まったく違和感などないじゃろうてのぅ。


当面の生活は村から持って来た金銭もじゃが、皇国からある程度の補助金がのう。

受け取るのは、ここ難民管理局らしいわぇ。

週に1度ほど、ここへ通う必要はあるが、それで生活費の足しを貰えるならば来るべきじゃろうてのぅ。


それに教練所には宿舎が付いておるそうな。

まぁ、皇都に住まう者は自宅通いゆえ空きは十分にあるらしいぞぇ。

教練所と宿舎には食堂も備え付けられており、外より遥かに安価に食べられるとのことじゃ。


まぁ、自炊した方が安上がりではあるが…流石に宿舎に台所は付いておらぬからのぅ。

自炊したければ自分で居を構える必要がのぅ。

宿舎には色々と規則もあるそうじゃて、自由気儘に生活したければ自分で住み家を得る必要があるじゃろうて。


まぁ、家賃を考えたりした場合、宿舎に住まう方が安上がりじゃろうてのぅ。

その宿舎は全ての教練所共用となっておるようじゃわい。

宿舎への地図も(もろ)うたゆえ、そろそろ向かうとするかのぅ。

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