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盲目の王女

作者:結月一華
ある日、姫君は《夢》を見た。仮面を被った軍人が奴隷達を従わせる悲惨な悪夢。魔物が住みつく無人島、その中央にある五つの塔から《神の宝石》を持って帰って来い――――という悪夢の物語を。

姫の名はローゼ・F(エフ)・ブレイラント。
カナリア色の髪にバラの花より赤いと唱われる瞳の色が印象的な十六歳の娘。
そして、夢の中で夢見たものは現実の世界に生み出してしまう特別な能力を持っていた。
彼女の父、ブレイラント第十六第国王が君臨する国の名はクライン・ダート帝国。小規模な国家に境界線を隔てて、ブレイラント側の一般国民と、魔術師ハイリンリヒト側の術者達がそれぞれの領地に暮らしていた。そして、魔術師シュヴァルツとローゼが見合いをする破目になった時から、ローゼの歯車は狂い始めてしまう。

実のところ、ローゼには愛している人がいた。レーゲン・マージェスという帝国唯一の医学者。優しく、寛大で、正義感の強い彼はローゼの支えとなっていた。

――――――しかし、状況が変貌したのはその年の冬。
前触れのないブレイラント国王の突然の薨去。
同時期に行方不明となるレーゲン。
術師達が宮殿へ攻め入ったのは間もない事だ。領土も権力も全てを奪われローゼは幽閉される。何もかも失い、絶望の果てに全てを諦めた時だった―――、シュヴァルツが施錠を外して目の前に現れる。術師の城へローゼを連れて行くと、彼は不器用に寵愛するように接した。
こんな夢のような日々が続けばいい……と願った数日後、
シュヴァルツは「愛してる」と告げて裏切った。
彼は言った、《神の宝石》を実現させる為にローゼの能力を利用したと。

《悪夢》を実現させた重罪を償う為、奴隷達を救出する為、すべてを壊した犯人への雪辱を果たす為にローゼは悪夢の中で戦うことを決意する。
夢の果てに待ち受ける、全ての真実に直面しながらも。


かくして―――――、この話は若き姫君が、王女になるまでの真冬の物語である。
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