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Star Dust-Drop-  作者: 鳥海水瀬
.1-はじまりの朝-
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-はじまりの朝-6

日差しが部屋に差し込み、鳥の鳴く声につられて目が覚める。

寝慣れないベッドだったけど疲れていたからか全然気にならなく、ぐっすりと眠れたようだ。

ベッドの脇に置いていた携帯が光っている事に気づき、手に取って見てみるとアオイから連絡が入っていた。

『ギルドの休憩場で待ってるから~』

(ったく、一人で行動するなよな…。一応、俺はお前の護衛も任されているんだから)

急いでシャワーを浴びて身支度をし、忘れ物も無いように確認してから急ぎ足でギルドへと向かった。


ギルドに着くと真っ先に休憩場に向かい、何処かに座っているであろうアオイを探す。

食事コーナー付近のテーブルでオレンジのツインテールと赤いリボンが右に左に揺れているのを見つけた。

溜め息を吐きながらアオイの所へ向かって歩いて行くと、アオイはご機嫌な顔をしながら手に持っているサンドウィッチを口に頬張っていた。

「ご機嫌がよろしそうで」

「あ、おはよ~。ジュンもサンドウィッチ食べる?美味しいよ~」

ハムとレタスがたくさん挟まっているサンドウィッチを一つ受け取り、椅子に腰かけながら口に頬張る。

「今日はやけに早いな。一人で来るなんて」

「あはは、ごめんごめん。寮で暮らして良いって許可が出たから待ちきれなくて」

既に手続きを終えていたらしく、服に閉まっていたカードキーを俺に見せた。

「ジュンが直ぐに入る事を決めたって言ったら、ならジュンの近くにいた方が安全だろうって。それにやっぱり家からだと大変だからね」

「そっか。否定されなくて良かったな」

「うんうん」

皿に残るサンドウィッチを手に取り上機嫌に食べるアオイの笑顔を見ながらまた一口頬張った。


あれから何分経ったんだろうか。

いつの間にかボードに集まる人が増えてきていてその中でも見知った顔の人が一人、こちらに向かって歩いて来ているのが分かった。

「おはよう二人共。よく眠れたかな?」

「あ、ユミルさんおはようございます~」

「どうも」

「今日はちょっとした腕試しもしたいから夕方、またここで待っててもらえるかな?あと、それまでは結界の外には出ちゃ駄目だからね?」

伝える事を伝えて手を振りながら俺達の前から去って行った。

(腕試しで結界の外には出てはいけない…という事は外に出る為の試験をするって事なのだろうか)

独りで考えていても時間の無駄と判断し、椅子から立ち上がる。

「そろそろ今日の依頼に行くか。結界の外には出るなって事だし、今日もファーマリーで何か探すか?」

「うん、探そう!」

食べ終えた皿を返却口に片づけてからファーマリーについて書いてあるボードを観る。

「今日のは餌やり、清掃、収穫…どれをやるか」

「私は何でも良いよ。全部かかって来い!」

「何でも良いってのが一番困るんだが。…んじゃ、餌やりで良いか?」

「うん!」

依頼の登録も終えて昨日と同じようにファーマリーへと向かった。


「カイツさんおはようございます」

「おはようございます~。今日も来ました!」

「おー、良く来たな。今日は餌やりだな。んじゃ、あれを頼むよ」

あれと言うのは小屋の横に山積みに用意されている草の束。

それを荷台に乗せ換えて何度も往復をする事になる。

さっき貰ったメモによると餌をあげるのはキャットゥール、シェツィール、ラピット、キャトーシュ、ホーディ。

キャットゥールは昨日、毛を刈った為に今は毛が無くとてもみすぼらしい状態になってて、残りのシェツィール、ラピット、キャトーシュ、ホーディは簡単に言えば山羊、兎、牛、馬に似ている動物。

こいつらも可愛いが、ホーディは蹴られると大怪我を負うほど危険らしく特に後ろ足には注意しないといけない。

だけど今回は餌をあげるだけだから蹴られるような事は無く、今日は無事に終わった。


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