-二つの出会い-7
報告を終えてアオイを寮へと送り、残った三人で自分達の寮に向かって歩いていた。
「…んで、いつまでついてくるつもりだ?」
ふと、歩いている時にハルトが問いかけてくる。
「ん?いつまでとは?」
「あんたは何処までオレ達についてくるんだと訊いている」
そう言われながらも同じ寮の建物に入り、同じエレベーターに乗り込む。
「何処までって言われてもなー。あ、俺も八階ね」
「…へぇ、ジュンも八階だったんだ?」
「そう。ナツキ達も八階なんだな」
「奇遇だね」
「そうだな」
二人で笑っているとハルトの眉間に皺が寄っていくのが分かる。
「じゃーな。オレ達はこっちだから」
エレベーターが目的の八階に着き、ハルトが右の通路へと先に歩いて行く。
「…俺もそっちなんだけど」
二人について行くとやはり嫌な顔をされる。
俺が止まったのは一八四号室。
ハルト達が止まったのは隣の一八三号室。
「あー!なるほど。ハルトとナツキ、何処かで観た事あると思ってたけどここか。ハルト・T・S・フィアード、ナツキ・K・T・ラクトス。略されてたから全然分からなかったぜ」
「お隣さんか~。これからもハル共々よろしくね」
「よろしくな」
「……はぁ」
機嫌を損ねたハルトは大きな溜め息を吐きながら部屋に入っていった。
「まぁ、ハルは気にせずに。じゃあ、またね」
ナツキは慰めに行くように急いで部屋に上がった。
俺も部屋に入ると直ぐに寝室まで行きベッドに寝転がる。
どうすれば強くなれるかを考えながら眠りについた。