踊り場の生徒(教室)
私は文化祭の準備にあきて友達と怪談話をしていた。
遠子は大の怪談好きで様々な怖い話を嬉しそうに話した。最近起きた幽霊目撃情報を始め中学の時の七不思議まで。
そしてこの高校の七不思議も。
「うちの学校にも七不思議あるんだ」
「うん。部活の先輩に教えてもらったんだ!!」
さすが怖いもの好きの遠子だ。学校の怖い噂なら何でも知っている。
満面の笑みで嬉しそうに答える遠子。
「本当に怖い話好きだよね。そういえば『七不思議の踊り場に設置されている鏡だけに映る見たことのない生徒』って今噂で流行ってるあれ?」
「うん、そうそう。ここ最近噂になってる目撃談の多い鏡に映る女の幽霊だよ。」
最近、文化祭が近いとあって生徒のごく一部は放課後遅くまで残って準備にあたっている。
そして文化祭は3年生が中心となるため下校するさいは2階の階段を通る事が多い。
つまり踊り場にある大きな鏡の前を通るのだ。
あの全身の映るひときは大きな鏡。
登校時の朝は普通に見える鏡。
夕方になると蛍光灯に照らされてなんとも不気味に見える。
それ思うだけで身震いがした。
「時間的に今が多いんだよ。目撃談。」
時計を見て遠子は嬉しそうに言う。
…この先遠子が言いそうな事は予感できた。
「見に行こう?」
…やっぱり。遠子は意外に子供っぽい。
「でも、まだ机の移動とか終わってないよ?」
「大丈夫。さっきからサボってる人いるし。少しだけならバレないよ」
確かに辺りを見渡すと何人かはドアや教室の後ろに座り込んで話している。
「分かった。いいよ少しだけね?」
そういって私達は2階の階段へと向かった。