表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

晩年 ーアリとの出会いー

  僕はたんぽぽ。ふふふふふ

  根っこから、水を吸い

  光を受ける、たんぽぽさ。

 

  僕はたんぽぽ。へへへへへ

  道端の、土に住み

  元気に育つ、たんぽぽさ。

 

  僕はたんぽぽ。ほほほほほ

  春分(しゅんぶん)に、いっぱいの

  花を咲かせる、たんぽぽさ。


  僕はたんぽぽ。ひひひひひ

  ミツバチが、飛んで来て

  花粉を渡す、たんぽぽさ。


  僕はたんぽぽ。ははははは

  わたわたで、白妙(しろたえ)

  子供を飛ばす、たんぽぽさ。


 ということで、田んぼの近きところに住んでいた()のたんぽぽ君は、とうとう枯れる寸前(すんぜん)まで来ていました。

 年ながく生きるたんぽぽにとっては、とても短い生涯(しょうがい)です。日頃のストレスが原因でしょう。


 さて、死期(しき)(さと)り、落ち込んでいるたんぽぽ君の近くに通りかかったものがいました。

 はじめ、たんぽぽ君は気付きませんでした。耳元で(ささや)く…いや、喋られた時に始めて気が付きました。

 「もしもし、たんぽぽさん」

 「わあ!?びっくりした。誰だい、僕に話しかけた奴は」

 「私です。アリで御座(ござ)います。ここに()ります」

 

 その小さなちいさな(あり)は、たんぽぽ君の耳、(すなわ)(くき)の上部あたりに()るのでした。

 「たんぽぽさん、お願いがあります。彼処(あすこ)にある(はえ)死骸(しがい)を取ってくださいな。私では、どうにも届かないのです」

 たんぽぽ君は(あき)れた(ふう)で答えました。

 「何かと思えば。それは無理な話だね。僕は(ただ)のしがないたんぽぽさ。手など自分で動かせるはずがない。決まりつけは…ほら、僕の手、枯れ枯れだろ? もう昔の(つや)やかな茎や葉は戻って来ないんだ。どうか諦めて、帰っておくれ。僕をゆっくりさせておくれ」

 アリはもう一度言いました。

 「たんぽぽさん、お願いです。彼処(あすこ)にある蠅の死骸を取ってくださいな」

 「ええい!しつこいぞ」

 「でしたら、一寸(ちょっと)ばかし、手を動かしてくださいな。そうすれば、私がたんぽぽさんの手を(つた)っていきます」


 仕方がないので、たんぽぽ君は、先が枯れた手を頑張って伸ばしてあげました。

 アリは有難(ありがと)うと()って、蠅のところへは行こうとせず、急に地面へと降りてしまいました。

 「どうしたんだい?伸ばしてあげたじゃないか。行かないのか」

 「今さっき()ることに気が付きました」

 「何だい」

 「あの蠅を運ぶ(ため)には、もう少し蟻数(ぎすう)が必要だということです。たんぽぽさん。今から仲間を呼んで来ますので、もう(しば)しお待ちください」

 「ふん。(あり)だというのに、(かよわ)い奴だ」

 アリはすぐさま、仲間を呼びに行ってしまいました。

 

 (また)アリが来たのは、一週間も先でした。

感性に従って、書き綴っていきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ