ネフィリム～女神と混沌の盟約を交わし、正常性を狩る者～

遥か昔、異世界と通じる穴から流れ込んだ“怪異”によって、この世界は静かに侵食されていった。
人間の祖先は異能を駆使して、人外と戦い続けたが、時が経つにつれその力は失われ、やがて人々はその歴史さえも忘れていった。

そして現代、怪異によって世界の認識が塗り替えられた人々は、生き残りの異能力者たちを排除する組織――社会の秩序と正常性を守る集団を設立。秘密裏にかつての英雄たちの子孫の命を狙う。

須佐之男命の血を引く陰陽師の末裔・櫛名田景明も例外ではなかった。

家は焼かれ、最愛の祖母は昏睡。復讐に囚われた景明は、機構に対する報復の手を緩めない。彼は自分の脊椎に宿る神格――幼い頃から姉であり母であった女神ニリアを、復讐の道具として使い始める。

失った心を取り戻すため、ニリアは景明を贖罪の旅へと送り出す。彼は異世界で戦争を経験、仲間たちと苦難を乗り越え、人として成長し、再び現世へと帰還する。

ニリアと他の神々と盟約を交わし、二つの世界の裏で蠢く黒幕――世界の「原点回帰」を目論む神とその配下に、神話の時代から続く戦いに終止符を打つべく、最後の決戦を挑む――。