07S.新月流の使い手
イザベル達「第52部隊」は、救出したライガンも伴って、パルパンティアの地方支部「エイブル・フォース」に、移動しました。この支部が「第52部隊の本部」でした。そこに入ると暫く全員、そこでの待機と、成りました。「副長のバリアン」と「烈風撃のウィンドル」それと「離脱のスピロン」は、支部長に呼ばれたので、彼の元へと、向かいました。議題は「隊長ファイアスの救出作戦」でした。
「隊長のファイアス」は当時、単独での「敵地派遣の任務」を、負いました。当初は、それ程、問題の無い現場だと、思われました。しかし意外な程、激しい抵抗に、遭いました。その為、自軍に取り「最大の損失」と成る「隊長ファイアスの戦死」を、招きました。ファイアスは、歴戦練磨の強者でした。そしてパルパンティア本部に於いても、その名前を轟かせました。しかしその死は、実に呆気ないものでした。
今回NO.2の「放電撃のライガン」が、無事に救出されたことも有り、ファイアス隊長の死亡時の記録は、詳細に記録されて居ました。後は、どのようにして救出すれば、一番効果的なのか、作戦を練るだけでした。暫く「副長のバリアン」達は、作戦を練ることに、成りました。
地方支部「エイブル・フォース」の、女性隊員専用の待機所を見ると、そこには、この部隊の女性隊員達が、ほぼ全員揃って居ました。NO.8の「防御のジョスリン」とNO.9の「治癒のグラシア」が、何かの話しをしました。この2人が並んで座ると、彼女達は雰囲気が、とても良く似て居ました。
彼女達が、似て居るには、訳が有りました。それは2人が親戚で有り、母親達が、従姉妹同士でした。即ち彼女達は「また従姉妹」と言う、関係でした。彼女達は、2人とも剣技が得意でした。その剣技の流派を「新月流」と、言いました。正式には「パルパンティア新月流」でした。
2人とも、その「新月流・宗家」の分家筋に辺り、母親達がその筋でしたので、子供の頃から手習いを、受けました。その為2人は、顔見知りでした。パルパンティアの魔人類達は、現在シナールとの戦闘状態でしたので2人は、この戦闘に駆り出されました。
2人の戦闘能力が「防御と治癒」と、言うことも有り、ペアとして、登録されました。また「新月流の達人」でも有り、戦闘能力も高いので、パルパンティアの精鋭部隊として、名高い「第52部隊の配属」と、成りました。
2人が通う道場は「新月流・宗家」と、言うことも有り、厳しい稽古で有名でした。「防御のジョスリン」は、良く打ち込まれたので、少しでもそのときの苦痛を、免れたいが為に、自然と防御能力が、発達したようでした。最後に成ると、新月流の鋭い太刀筋を受けても、全く痛みを感じないものにまで、防御力が進化しました。
また補助能力として、親戚のグラシアから直接、治癒能力の伝授まで、受けたので、初歩的な治癒能力も、使えました。ジョスリンの治癒能力は、初歩段階ですが、戦場で誰かが、怪我をして苦しんだときに、彼女の治癒能力を受けると、受け無いとでは、傷の痛み具合が、変わりました。
「パルパンティア第52部隊」のNO.8こと、ジョスリンは「リガード(後衛)」部隊員としては、単に8番とも呼ばれました。彼女は、防御能力に優れており、自分の周りに「防御バリア」を、張り巡らすことが出来ました。それは、かなり強力で有り、銃撃や剣撃及び、爆風でさえも、耐えられました。
更に個別に「防御バリア」を、付加させることも出来ました。それを付加された者は、初めの内は、銃撃の中でさえも、傷が付かずに、敵陣に到着して、切り込むことが、出来ました。そして彼女は、初歩的な治癒能力も、有りました。
ジョスリンの容姿は、細身でスラッとしました。髪は、茶髪で長めでした。瞳の色は黒で有り、まつ毛が長めでした。そして唇の色は、薄いピンク色でした。彼女は、見た目が派手で、綺麗系な「おねぇさんタイプ」の美女でした。
そして「パルパンティア第52部隊」のNO.9こと、グラシアは「リガード(後衛)」部隊員としては、単に9番とも呼ばれました。また彼女は「治癒のグラシア」と、呼ばれました。彼女もジョスリンと同じ道場に、通いました。
グラシアはジョスリン程、打ち込まれなかったのですが、絶えず傷を負ったので、日々自分の傷の治療をする内に「治癒能力」が、開花しました。また或るときに、有名な事件として「新月流・宗家」の道場が、敵勢力に襲われたときが、有りました。そのときに襲われた、道場の門下生には、重傷者が多数、出ました。
しかし彼女が居たので、全く死者が出ずに、その後の道場の再開が「いち早く出来た」と言う、逸話が有りました。それから彼女は、道場での長い鍛錬の成果として、敵の気配を「察知する能力」を、身に着けました。それは特に「悪意有る敵勢力」の感知を、逸早く知ることが、出来ました。
そしてこの待機所には「リトリンのナタリア」も、待機しました。彼女は「リトリン」と言う、縮小魔人の娘でした。その為、格闘が苦手でした。そして小柄で非力な、美少女でした。彼女は「自己防衛手段」の為にと「銃火器系の操作」を、習いました。彼女は、手先が器用でしたので、この訓練に依り、彼女の天職と、成りました。
彼女は、余り重い物は、持てませんが、拳銃位で有れば、持つことが、出来ました。また長距離砲も、小型で有れば、装備可能でした。彼女は、それらを分解して瞬時に、組み立てることも、出来ました。また道具さえ有れば、簡単な修理も出来ました。