11S.謎の巨石像
スピロンからは「全滅した模様」との連絡が、入りました。そして近くの大規模な、発掘現場には「小さい人影が5人、固まって潜んで居る。」との連絡が、入りました。そして「そこには、大きな巨像のようなものが見える。」との連絡も、入りました。
早速「副長のバリアン」は、自身に「防御バリア」を付与すると、発掘現場の大きな穴に、入りました。少し進むと、酷い匂いがしました。指摘された場所に着くと、そこには牢獄が有り、中には若い娘の「リトリンのスレイパー」が、5人居ました。皆、裸で首輪を、付けられました。手枷と足枷も、付きました。ここに閉じ込められて、風呂にも入れられず、排泄物も、そのままでした。その為、酷い匂いでした。
「シナール」では、未だに「リトリン」は「スレイパー(性奴隷)」のままでした。魔人類としての権利も無く、動物と同じ扱いでした。「マングレイ」は、リトリンを虐めたり、凌辱したりするのが、大好きでした。いつも虐める為に、傍に置いたのです。ただ幸いにもリトリンは、マングレイに凌辱されても、妊娠せずリトリンから、交配種が生れることは、有りませんでした。
「シナールに居るリトリンは、一番不幸な存在だ。」と、言われました。檻の中に捕らわれた「リトリンの娘」を、檻の外から見たイザベルは、気分が悪く成り、直ぐに蹲り、青い顔に成りました。彼女は檻が苦手で、特に檻の中に閉じ込められた、薄汚い若い娘を見ると、いつも気分を害しました。
スピロンは、カサンドラ号を発掘現場の近くまで移動させると「リトリンのナタリア」を、現場に向かわせました。該当者が、伝染病を持って居ると危ないので、その場で「リトリンのスレイパー」を、調べることに、成りました。5人は「ホモサピレ」のリトリンでした。変な病気には感染無く、何回か凌辱された痕が、見受けられました。妊娠、出産の経緯は無く、まだうら若き娘達でした。
しかし会話が出来ず、生活作法も知らないようでした。典型的な「ケダモノ型スレイパー」でした。発掘現場の中には、綺麗な水を湛えた湖が有るので、第52部隊の女性隊員が総出で、彼女達を洗うことにしました。匂いが凄かったので、念入りに洗いました。何度も何度も、洗いました。彼女達は、相手が同じ女性でしたので、安心して居るようでした。
そして男性隊員達は、この発掘現場に出現した「謎の巨像」の調査を、始めました。この巨像は、ダルタニアの魔人のような姿でした。イザベルが始めて、この巨像を見ると、驚きました。頭には、2本の角が有り、背中には、翼が有りました。そして、尻尾も有り、胸が膨らんで居ました。股間には男性器のようなモノが有り、差し詰め、その巨象は「両性具有の魔神」でした。
「謎の巨像」は、結構大きくてカサンドラ号では、持って行くことが出来ませんでした。イザベル達は、その巨像の資料を作成すると、サンプルを取り、本部に連絡してから、調査の継続を「専門家チーム」に、依頼するよう、打診しました。
今回の「タクティス」も、大成功でした。「リトリンのスレイパー」達は、保護されてカサンドラ号に乗せると、パルパンティア地方支部「エイブル・フォース」に、向かいました。支部に到着すると、彼女達を船から降ろして、「謎の巨像の資料」を持ち、隊長と副長が支部長の部屋に、報告書の提出に向かいました。
隊長達は支部長に、発掘現場の「巨像の場所と位置」を伝えると、本部が「謎の巨像」の管理を、することを提案しました。そして皆の居る待機所に、戻りました。後は、現在に戻れば、作戦終了でした。
皆で少し休憩を取った後で、支部内の「時間遡行の間」と言う部屋に移動して、中に入ると、そこで「タイム・リトア(時間遡行)」を、行いました。ファイアスが現在に戻ると、いつものように救出者は、一時的に意識を失いました。この現象は、亡くなった日から現在まで、ブランクが有る為に、起きる現象で有り、目が覚めた頃には、ブランクが、自然消滅されました。
「タイム・リトア」で、現在に戻ると支部内は、あれから4か月も経ちました。連れ帰った「リトリンのスレイパー」は、パルパンティア本部の養成所に送られて、魔人類の言葉と、生活作法を学習することに、成りました。パルパンティア・シガンシナ地区の「謎の巨像」については、現在管理と調査を、されており一部のデーターが、ファイアス隊長に、預けられました。
あの「謎の巨像」は、あの辺一帯には多数、発見されており「顔の向きが、一様に内側を、向きました。」その巨像の発見場所、多数に印を付けると、円に成り顔の向きが、円の中心に向かいました。その巨像の内側の円部は、今は砂地で、覆われましたが「太古の昔には、その砂地の下には、赤土が堆積して居た。」と、言いました。「謎の巨像」と円部の赤土については、それ以上は、何も分かりませんでした。
最近、東部ダルタニア地方に「右側神サタナス」の娘の「ドペル(分体)」が、現れたと言う情報が、入りました。その娘は、魔人類で有るので、パルパンティアの魔人類でも、接触が可能でした。しかしホモサピレは、地上に降りると「サタナスの呪い」の発動により、6日後には魔獣にされてしまうので「交渉は、困難で有る」と、思われました。
しかし最近の研究データーに依ると「リトリンには、無効化の力が認められた。」と、言う報告が、多数寄せられました。またリトリンの近親者にも、その兆候が認められました。その研究データーの出所は「シナールの娯楽ビデオ」でした。
奴らの「楽しみ」の一環として、敵兵の捕虜、及びリトリンのスレイパー達を使い、ダルタニアの地上世界に解き放し、魔人類が苦しみながら、魔獣に変わる様子を見て喜んだり、リトリンのスレイパー達が、魔獣に食い殺される様子を見て、喜んだりする為のビデオが、根拠に成りました。
シナールの魔人類と入れ替わった、マングレイのエグソン族は、他者を虐めたり殺したり、他者が藻掻き苦しんで、死ぬ様子を見るのが大好きでした。
その「シナールの娯楽ビデオ」を良く見ると、ダルタニアの地上世界に、解き放たれたリトリンの娘が、運良く魔獣に襲われずに6日以上経っても、ダルタニアの魔獣に変化しない映像が、多数残りました。それと同じくダルタニアの地上世界に、解き放たれた敵兵の捕虜の中にも、6日以上経っても、変化しない者の映像が、有りました。
それをたまたま、知り合いの者が見た為に、その者の家族構成を、知って居たので、もしかしたら「近親者にリトリンが居る者も、変化しないのではないか」と言う仮説が、経ったようでした。後者は仮説なので、本当かどうかは、分かりませんでした。しかしリトリンの方は「ほぼ確実に変化しない」との結論が、出ました。
因みに「マングレイのエグソン族」は、パルパンティアの地を離れて、ダルタニアの大地に近づく程に、6日の猶予も無く一瞬で塵と、成りました。全く笑えない話しでした。「異生物マングレイ」は、パルパンティア以外の地では、全く生存が、出来ないものでした。