連鎖殺人
この作品は、「死」を多く取り扱っております。(残酷な描写ではありませんが)
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俺は都内でも有数の某N高校に通っている高校生。これでも一応、人間的に平均よりも結構上だとは思っている。異論は許さん。
ちなみに、趣味は読書。特技はとくになし。
適当に学校へ行き、適当に勉強をして、適当に群れて帰る。
そんな平均よりちょっと上の俺にも、好きな女子がいる。名前は 笠間 俊子。活発で、頭もいい。
俺「あれ?俊子、最近痩せた…?」
俊子「えっ そうかなぁ…?ね、それよりさ」
俺「どうした?」
俊子「好きな人っている?」
俺「ぶっ……まぁ、いるけど?」
俊子「えーっ! 誰? 誰なのっ!?」
俺「(気づけって…)教えない!」
俊子「え、私の知ってる人?ねぇ、言ってよ!」
俺「…言いません!(俺の馬鹿 orz)」
俊子「えぇー!残念だなぁ…。あ、じゃあここで!」
俺「ん?どっか行くの?」
俊子「ちょっと欲しい本があってさ!また明日!」
俺「あっ…あぁ。また明日。」
3日前には、こんな馬鹿話をしていた。
見て分かるとおり、俺だって平均くらいの恋をしている。いや、していた。
でも、こんな会話をすることは、もう出来ない。
彼女は自殺した。
昨日、葬式が坦々と終わり、今日になってやっと実感がわいてきた。俺は、ほとんど食べることさえ出来なかった。
一週間がたち、僕は彼女の生前すんでいた家を訪れた。
俺の顔を見て、彼女の母親は驚いていた。平均より下に見られても仕方がない。俺は痩せこけていた。
母親は、俊子のことを話してくれた。とても つらそうだった。
自分の部屋で首を吊って自殺をしていたこと。
好きな男子がいたらしいこと。
何故自殺をしたのかはわからないこと。
勉強机には大量の自殺に関する本が置いてあったこと。
遺書はなかったこと。
自分には何がなんだか分からなかった。何故・・・としか言えなかった。
そして、ある結論に至った。
「自殺した理由を知ること」
これが生きている俺が俊子のために出来ること。
「男に振られたんじゃねぇの」「勉強に行き詰ってたんじゃない?」「それより、お前も勉強したほうがいいぞ。」「本とかインターネットとかあるんだし自分で調べろ」
俺の友達はそんな返答ばかりだった。役立たずが。言われなくても自分で調べてやる。
全財産をはたいた。どうしても知りたかった。それほど彼女を愛していた。
そんなのは愛じゃない なんて言う人も多いだろう。だけれど、これが俺のできる最大のこと。
調べてから約3日が経つ。
「これだ……」 俺は思わず声を上げた
その本には『死後の世界』とあった
某K高校の生徒の話。
「なぁ、お前この話知ってるか」
「なんだよ、早く言えよ」
「都内の高校で、数年前に連鎖自殺が起こったらしいんだ」
「連鎖自殺・・・?」
「なんでも、ちょうど1週間おきに人がどんどん自殺していってさ。」
「自殺した人は全員、机の上に同じ本が置いてあったんだって」
個人的に、世にも奇妙な物語が好きです。