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Princesses' Fairytale~魔法と科学の出会いは何を魅せるのか?  作者: 雪色琴葉
第一章:二人の王女と新たな世界
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第8話:二人の王女と魔法のお話

「じゃあ、魔法の発動原理について説明するね。」


 私の反応を確認した後、フレアはそう切り出しました。


「最初に、最初に会ったときに言ったことを覚えてる?」

「ええと、確か魔法とは魔力と魔素を使って精霊を介して起こす現象のこと、でしたっけ?」

「まあそんな感じかな。簡単に言うとそんな感じ。でも、ルナが知りたいことはそんな浅いところじゃないんでしょ?」

「そうです!もっと魔法の奥深いところまで知りたいです!」

「なら、まず、魔力と魔素の定義から始めようかな。」

「はい!お願いします!」

「じゃあ、魔力の定義から行くかな。魔力とは、ヘカテリア王国民なら程度の差はあれど持っているもの。王族や貴族は特に魔力の量が多い傾向にあるかな。まあ、その理由はわかるよね?」

「はい、王族と貴族の成り立ちは魔法の腕前の高い人を中心にまとまっていった、つまり、魔力をより多く持つもの同士が子を産んでいって、王族、貴族は魔力の高い人が増えていった、であっていますか?」

「そうだね、その認識で大丈夫。で、その魔力の大小の決まり方なんだけど、これは目下研究中。少なくとも私はこの国でもトップクラスに高いことは確認できてるんだよね。他に兄上は私より少し低いくらいね。でも、妹は大体半分くらい。まあ、それでも平均よりは全然上なんだけどね。もしかしたら後天的に伸びる部分もあるのかもしれないけど、それにしてもわからないの。」

「つまり、今は研究中でわからない、ということですか。」

「まあ、魔力については魔法を使うために必要な力の一つ、という認識で大丈夫。」


 ここで、フレアは一旦話を止めました。


「次は魔素について。魔素とは、空気中に無尽蔵に存在するもので魔力とともに使われる物質というかエネルギーというか、まあそういう感じのものかな。」

「それは魔力とは明確に違うものなのですか?」

「うん、そうだね。魔力は明確に魔法を使うと消費されるものなんだけど魔素はそうじゃないっぽいんだよね。もしかしたら減っているのかもしれないけど如何せん空気中に無尽蔵に存在しているもんだから確認のしようがないって感じ。」

「つまりいくら魔力があっても魔素がないと魔法は使えないってことですか?」

「理論上はそうなのかな?とはいえ結局確かめようがないかな。」

 

 そう言ってフレアは笑いかけてきました。


「何か質問とかある?」

「では一ついいですか?」

「うん、何かな?」

「魔力、というものはどのように回復するのですか?」

「あー、それかあ。大きく二つあるんだよね。一つはよく食べて、よく寝ること。もう一つは魔石を使うこと。」

「魔石とはなんですか?」

「魔石は魔力か魔素が濃縮されたと考えられている結晶のこと。で、その採取方法には二つあるかな。一つは鉱山での採掘。もう一つは魔物からの採取。前者は安定して魔石の供給ができて、後者は魔物の種類によるけど鉱山での採掘で手に入るものと比べるとかなり強力なものが手に入る、というのがメリットとなってるかな。」


そこまで聞いてふと一つ思いついたことがあったので、提案を試みました。


「そうなんですか、私一つ思いついたことがあるんですが…。」

「フレア様、ルナモニカ王女、もうそろそろ謁見のお時間でございます。」


 しかし、その提案は外からの声によって止められてしまいました。


「ルナ、話したいのはわかるけど時間だから行こうか。」

「はい、謁見が終わった後にはこの話の続きをしたいですね。」


 そう言葉を交わした後に、私たちは部屋を出ました。


 私とフレアは呼びにきた侍従の方の後ろについていきます。そして、ある扉の前に着きました。


「では、ここが執務室となっています。中で国王陛下、王妃殿下、王子殿下、そして第二王女殿下がお待ちです。」

「ん、ありがと。」


 フレアは侍従の方にそうお礼を言うと、私の方へ体を向けました。


「それじゃ、ルナ。中に入ろうか。さっさと終わらせてさっきの話の続きをしよ?」

「そうですね、行きましょう。」


 そこまで言ったところで、侍従の方が扉を開けました。フレアが入っていくので、私もそれに続きます。中に入ると、以前にもお会いしたフェナンタ国王陛下、そして、初めて会う顔が三人いました。


「父上、こちらが今回交換留学にいらっしゃったルナモニカ・フォン・エクスマキナ王女殿下です。」

「フレアからご紹介預かりました、私はエクスマキナ王国第一王女、ルナモニカ・フォン・エクスマキナです。これから三か月、交換留学という形でこの国に滞在させて頂きます。」


 私が名前を述べると、国王陛下が口を開いた。


「ようこそおいでなさった、新たなる隣国の姫よ。改めて、私はヘカテリア王国国王、フェナンタ・レラ・ヘカテリアだ。隣に控えるのが王妃であるソラエル・リラ・ヘカテリア、そして、そちらの二人はそれぞれ第一王子であるホルン・ファル・ヘカテリア、そして第二王女であるヘレニア・フェル・ヘカテリアだ。」

「我が夫から紹介のあった通り、私はソラエル・リラ・ヘカテリアです。今後ともよろしくね。」

「同じく、父上から紹介された、ホルン・ファル・ヘカテリアだ。我が不肖の妹が迷惑をかけるかもしれないがまあ、気にしないでくれ。」

「わ、私はパ、お父様から紹介されましたヘ、ヘレニア・フェル・ヘカテリアです…。よ、よろしくお願いします。」


 それぞれ、金髪に新緑色の瞳を持つ男性、腰位までの赤茶髪と青色の瞳を持つ女性、赤混じりの金髪に薄い新緑色の瞳をもつ青年、肩より長いくらいの茶混じりの金髪をハーフアップにし、青緑色の瞳を持つ女の子がそう名乗りましたどうやら、フレアを含めて、この五人がそうやらこの国の王族のようです。その後、どうなることかと思いましたが、なんとか、その場を乗り切ることに成功しました。


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