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Princesses' Fairytale~魔法と科学の出会いは何を魅せるのか?  作者: 雪色琴葉
第二章:二人の王女と魔女と教会
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第39話:ドラゴンの素材の解析をしよう!

 フレアが作業を終わらせたのは結局夜になってのことでした。私はもう少し早く終わるものだと思っていましたが、これでは時間的にドラゴンの素材の解析は明日に回すことになりそうです。そして、今はこれまでずっと機材の整備をしていたフレアと一緒に軽食を食べています。そこで、気になることがあったので少し確認してみます。


「フレア、そういえば、持ってきてくれた機材はどのように機能するのですか?」

「ふえっ?そういえば話してなかったっけ。」


 軽食として用意していたベーグルを食べていたフレアが何か不意を突かれたような声を上げました。続けて、軽く機材の機構について話し始めました。どうやらあの機材はドラゴンの魔石とドラゴンの素材を魔力的に接続して、ドラゴンが使用していたであろう魔法の再現を試みるものみたいです。その魔力的に接続するための材料がこの国にはなかったので、すぐには解析できなかったようで。その魔法の再現さえできればフレアが術式を解析してドラゴンの魔法を使えるようになるみたいですし、魔法使用時のドラゴンの素材の性質も判明するはずです。つまり、機材を用いた実験でドラゴンの魔法とドラゴンの素材の魔法的な性質がわかる、とのことです。


「まあドラゴンの魔法については多分ドラゴンの素材を触媒にしないと使えないんだけどねー。できるのは術式の抽出だけかなあ。」

「…逆に言うとドラゴンの素材さえあればフレアはドラゴンの魔法を使える、ということですか。」

「んー、多分。確証はないけどね。」


 フレアはやはり魔法に関しては化け物みたいです。この世にはフレアが使えない魔法なんてないのでは?と思うレベルですね。

 軽食を食べ終わった後、フレアは私がさっきまで書いていたレポートに興味を示しました。


「これは、レポート?銃についてっぽいけどどんな内容なの?」

「まあ銃の弾を改良しましたよ、っていうレポートですね。大体の実験データが揃ったので書いてるんです。」

「ああ、なるほど。少し読んでもいい?」


 私が許可を出すと、フレアはレポートを手に取って読み始めました。そういえば、なんで私もフレアも、いえ、私達以外もですが、何故言葉も文字も通じるのでしょうか。私の国は他の国と多くの場合言語が違っていたんですが、フレアの方はどうやらどの国とも通じる共通語があったみたいなんですよね。なんでなのかどこかのタイミングで調べてみてもいいかもしれませんね。と、余計なことを考えていると、ぱさっと、紙を置く音が聞こえました。どうやら、フレアがレポートを読み終わったようです。


「んー、これかなりすごいことになってない?弾に溝掘っただけでこんなになるの?」

「なりますね、一応そうなる確信があってやったことですが、威力の約三割の向上が見られたのは、正直予想以上でしたね。」


 その後、二人でこのレポートや他に魔法の話、その他雑多な話をしているうちに、夜は更けていきました。


***

 

 目を開けると、すでに外が明るくなっているのを感じる。そう思って、いつもの癖で半身を起こして伸びをしようとした。だけども右腕に何か抵抗を感じてそれはできなかった。その抵抗の発生源を見ると、ルナが思いっきり抱きついていた。あ、これやばい、めちゃくちゃ可愛い。え?なにこれ、普段のルナが見せない子供っぽさが垣間見えてる。私は一瞬冷静さを失いそうになったけれど、すぐに取り戻した。確か、昨日結局話し込んじゃってそのまま二人揃ってルナのベッドにダイブしてそのまま寝落ちしちゃったんだっけ。まあ、とりあえずルナを起こすかな。


「ルナ、ルナ。起きて。外もう明るいよ。」


 そう言いながらルナの肩を軽くゆすると、んっ、と小さく声を上げた後に、私の腕を離して目を擦った。そんな動作にもドキッとしたけれどもそれを無理やり抑えて起こそうとする。

 結局完全にルナが覚醒するまでに追加で十分くらい掛かった。ルナってあまり朝強くないんだ…。で、起こした後は朝食をサクッと食べて、今回のメインディッシュ、そう、ドラゴンの素材の解析をすることにした。


「さて、早速だけど、ドラゴンの魔石とドラゴンの素材、まあとりあえずある程度数がある鱗でいいかな、これらを魔力的に接続しようかな。」


 そう私はルナに宣言した。目の前には昨日整備した機材にセットされたドラゴンの魔石と鱗。あとはこれを接続してやれば魔石にあるものがわかるはず。しっかり機材に接続されているのかを確認した後、機材に私の魔力を通す。これでドラゴンの魔法が発動するはず。発動さえしてしまえば術式がわかるから使えるはずだけども。そう思いながら、魔力を通した刹那、機材を置いていた部屋の窓は吹き飛んだ。そして、それは機材の近くにいた私や、ルナも例外ではなく、二人揃って発生した魔法によって、壁にたたきつけられることになってしまったのであった。


もう少しドラゴンの素材の話をしたのちに、今章の本編に入る予定です。先に警告しておくと、かなりやばいです。覚悟しておくことをおすすめします。

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― 新着の感想 ―
[一言] え、かなりやばい……のですか? 楽しみだけど、同時に怖くもなってきました。 いったい何が待ち受けているのか……。
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