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Princesses' Fairytale~魔法と科学の出会いは何を魅せるのか?  作者: 雪色琴葉
第二章:二人の王女と魔女と教会
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第38話:久しぶりの再会

今回から新章へと突入です!

「頂いた連絡ではもうそろそろこの門に着くんでしたよね?」


 無意識のうちにそう呟いたのは私−ルナモニカ・フォン・エクスマキナ−です。私は今、王都の東門の上から東の方角を眺めています。なぜなら、今日は一か月ぶりにフレアがこの国を訪れる日だからです。交換留学以来、互いにその後始末や政務とかで時間がなく、会える機会がなかったのですが、それらも落ち着いたということでドラゴンの素材の解析のための機材を持ってくるという名目で、フレアがエクスマキナ王国に来るという形で会うことになりました。予定では今回はお忍びに近い形になるから、そんな堅苦しいことはせずに、機材を離宮に運び込んだ後に、それらを運び込んだ馬車はヘカテリア王国へと戻り、フレア自身は機材の調整のためにこの国で一泊したあとに戻る予定になっています。一回機材さえ用意できてしまえばフレアがこっちに来たときにドラゴンの素材の解析を進められますからね。


 ここからの段取りについて考えていると、東の地平線に何か見えてきました。それが何かはっきりと認識できるまで近づいてくると、私は無意識のうちに手を振ってしまいました。そして、現れた物、連なった馬車が東門の前に止まりました。先頭の馬車の扉が開くや否や私がずっと会いたかった人が飛び出してきました。


「フレア!」


 私は思わず、東門の上から階段を駆け下りてフレアの元へと向かいました。


「ルナ!久しぶりだねー。一か月振りくらいかなあ。」

「ですね。またこうして会える日を楽しみにしてましたよ。ここで長話もあれですし、まずは離宮への荷物の運び込みを優先しませんか?」

「んー、そうしよっか。ルナも一緒にこの馬車で移動する?」

「いえ、私は大丈夫ですよ?私自ら離宮への案内をしに来たんですし。」

「いいじゃん、いいじゃん。ほら行くよー。」


 そう言ったフレアが私の手を掴んできました。そのままフレアの乗っていた馬車へと引っ張られていきます。


「え?ちょっと待ってください。ちょっと待って、嘘、なんか力強い。」


 フレアは魔法でも使っているのか妙に力強く、私はずるずると引きずられて行ってしまいます。続けて文句を訴えようとしてフレアの方を見ます。あれ?顔はこちらを見ていなくてわからないですが、髪の隙間からチラッと見えた耳が少し赤いような…?気のせいでしょうか?

 そのあと、文句を言い続けましたが、フレアは無言で私を引きずるのをやめませんでした。そして、私は抵抗を諦めてそのままフレアと一緒に馬車へと乗り込むことになりました。


 フレアとともに馬車に乗り込んで幾ばくか経って離宮へと着きました。離宮に着くまでの間にやったこととしては基本的に私とフレアとで機材の運び込みなどの段取りを確認することだけでした。離宮まではそう遠いわけでもないのでそれくらいしかできませんでしたしね。ただ、その時の受け応えも何か、ぎこちないような気がしました。何かあったのでしょうか?


 その後、機材の運び込みを行いました。フレアは、じゃあ、今から調整のための作業をするから、ルナは休んでていいよー、とだけ言って機材を入れた部屋に入っていきました。作業が終わったら私の部屋に来るとのことなので、それまでは私は自分の部屋で少しばかりレポートを書くことにしました。今回のは銃のレポートです。フレアと出会う前から研究してたものです。銃本体ではなく弾の方をいじったものですが、思った以上に威力が向上していることが確認できました。ということで、それについてのレポートをまとめなければいけないのです。


***


 ルナは多分自分の部屋に戻ったよね?よし、じゃあ機材の整備するかなあ。そう考えて私は持ってきた各種機材の点検を始める。機材と言ってもドラゴンの魔石と素材を魔力的にはっきりとつなげるためのものなんだけどね。私の推察だと多分ドラゴンの魔石には何かしらの知識的なのがあると思うんだよ。でも多分これ単体じゃ使えない。ならばドラゴンの素材を触媒にしたら発動できるんじゃないかなって思って機材を用意して魔力的に接続しようって訳。


 ガチャガチャと機材をいじっているとさっきのことをつい思い出してしまった。私舞い上がっちゃってたのかなあ、久々にルナに会えて。なんか変だったりしてなかったよね?いや、正直身体強化の魔法使ってまでルナを馬車まで引きずって行ったのはやりすぎな気がするけども。でも少しでも長く、そして近くにいたかったし。って、私何考えてるの。作業の続きをしないと。


 そう考えて作業に戻ったけれども、結局、ついルナのことを考えてしまって作業の進捗は芳しくなかった。今日中には終わらせられそうだけど、予定よりも遅くなっちゃいそう…。


最初はルナを門の上から飛び降りさせようとしてましたが、高さ的にやばそうだったので素直に階段を使ってもらいました。

今回から新章ですが、面白いと感じていただけたら評価やブックマークなどなどぜひぜひお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です~。 久しぶりの二人の再会。 今回から新章ということで、どんなお話が待っているのか楽しみです。 研究によって明らかになるであろうドラゴンの魔石や素材についての詳細や、それらが…
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