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Princesses' Fairytale~魔法と科学の出会いは何を魅せるのか?  作者: 雪色琴葉
第一章:二人の王女と新たな世界
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閑話:ルナ王女の日常

崩壊スターレイルに時間を溶かされました。

 私―ルナモニカ・フォン・エクスマキナ―がフレアの帰国を見送ってから一週間程が経ちました。フレアがこちらに来る前の生活に戻っただけではありますが、賑やかなあの人が帰ったとなるとやはり寂しいものがあります。それに、フレアに何かを教えたり、逆に教えてもらったりというのは楽しかったですし。ふと思うと、今まで、教えるのはともかく何かを同年代の子に教えてもらうことなんてあったでしょうか。フレアは私が知らない何か、魔法を持っているということが大きいのでしょうが、それでも初めてだったような気がします。


 そんな私が今何をしているのかというと、ドラゴンの素材について、現状わかっていることを報告するためのレポートを書いています。魔法的な性質についてはどうしても今確認することができなかったため書くことはできませんが、物理的な性質については書くことができます。まずはそれをプレリリースとして発表する予定です。とはいえ、さすがに物理的な性質だけだと書けるようなことは多くはないので簡単なレポートになってしまいそうです。しかし、科学的なレポートを書いているのに大真面目に「魔法」の二文字が出てくるということに対して物凄い違和感を感じます。一年前はこんなことなかったんですし。だって、扱いは禁忌になっていましたからね。主に教会の影響で。ところが、魔法の実在する国と私達は出会ってしまいました。これから先、魔法に関するレポートは増えていくと私は予想しています。私が今書いているレポートのように。そうなったときの教会の反応が私は少し怖くはあります。でも、研究者はやめないでしょうね。わからないことを知りたくなるのが研究者の性ですから。


 私は書いていたレポートが一通り完成したことを確認したあと、それの提出の為にアカデミーへと向かいます。


「ルナ王女、こんにちは!」

「ルナ様、今度、この内容について教えていただけませんか?」


 アカデミーに着いて廊下を歩いていると、学友の方からそんな声を掛けられました。前まではこんなことなかったのですが。多分、これもフレアのおかげなのでしょうね。というのも、フレアは交換留学の間、割と隙あらば愛嬌を振りまいていたからです。その結果として、フレアが話しかけられて、その流れで一緒にいた私にも話が振られて、という感じで自然に話すようになっていったんですよね。自身でも薄々気づいていたのですが、どうやら以前の私はすごく話しかけづらかったらしいとのことで。なんというか、怖かったみたいですね。でも、実際に話してみるとそうでもなかったとのことです。いや、私が自分から声を掛ければよかったんだと思いますが、自分から話を振るということが苦手だったもので…。今でもこれについてはあまり得意ではないです。まあ、相手から話しかけてくるのには対応できるので気にはなっていないのですけどね。


 話しかけられてきた内容に対応した後に、レポートを提出して今は帰路についています。魔法、これがこの国にもたらす影響はすさまじいものとなるでしょう。これはフレアという魔法使いと接して、そして、ドラゴン戦を通してその力を見たことで確信しています。一方、それに対して教会がどう動くのかは正直予想しづらいです。そもそも教会がそれに触れることがタブーになるのか、それとも直接干渉してくるのか、私が教会の事情に詳しくないこともあってわかりません。まあ、私は教会がたとえ、強引な手段に出たとしても民衆は止まらないと思ってはいますが。ただ、そうなってしまうと…。そうはならないことを祈るしかないです。また、魔法のような力と言えば、私はやはりドラゴン戦のときと同じことの再現が出来ません。結局あれは偶然だったのかすら確かめられません。これに対して、若干の胸騒ぎがしますが、杞憂であることを願うのみです。


 魔法のことやドラゴンの素材の解析など、フレアと話したり、議論したり、実験したいことはまだまだあります。フレアもあちらで色々とやらなければいけないようで、こっちに機材を持って戻ってくるのはもう少し掛かりそうです。


「フレア、貴方とまた会える日を楽しみにしていますよ。」


 私のそのつぶやきは空へと消えていきました。きっと、いいえ、必ず、フレアもその下にいるであろう、空へと。


この後、あと一話閑話を経て、新章へと突入(予定)です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 閑話更新お疲れ様です。 個人的に今更新が楽しみな作品トップ3に入るくらい好きな作品です。 今まで同年代に何かを教えてもらったりすることがなかったルナが、初めて出会えたいろんな意味で『対等』…
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