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Princesses' Fairytale~魔法と科学の出会いは何を魅せるのか?  作者: 雪色琴葉
第一章:二人の王女と新たな世界
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第33話:二人の王女と禁忌の魔法

 フレア王女とルナ王女によるドラゴン討伐から三日が経った。


 戦いの終結後、彼女らはその場に駆けつけたエクスマキナ王国の軍によって保護された。そして、軍に同行していた冒険者ギルドの職員によってその場でドラゴンの絶命、つまり、ドラゴン討伐が成されたことが確認された。これが示すことはフレア王女とルナ王女、二人の王女によってドラゴンが倒されたという事実である。その様子は現場に駆け付けていた軍によっても確認されており、空中で乱れ飛ぶ魔法の弾丸、ドラゴンを包んだ業火、地上から放たれた虹色の閃光、空中で炸裂し、ドラゴンの致命傷となった雷、落ちていくドラゴンなどが観測された。それとともに、夜空を駆けるルナ王女の姿も。最後のものについてはこの国の王女が魔法を使っていた、というように捉えられたため、箝口令が出されることとなった。実際にはルナ王女本人もなんでそれをできたのかがわからないし、今同じ事を再現しようとしてもできない、と述べているため、真偽は不明となっている。そして、フレア王女はドラゴン討伐直後から疲れのためか意識がなく、眠り続けている状態にあった。


***


「フレア…。」


 ドラゴン討伐から三日が経ちました。あのあと、軍によって回収された私達はそのまま離宮へと戻ってきました。軍や冒険者ギルド、教会はドラゴン討伐についての詳細を聞きたいようですが、それを断っていました。なぜなら、フレアはドラゴン戦以降、ずっと眠り続けているからです。

 私は今、フレアの部屋にいます。フレアはベッドで眠り続けています。呼吸は正常なので死んだ、ということはないのですがどうしても心配です。何故か胸がキュッと締め付けられるような、違和感を感じているのです。


「起きてくださいよ、フレア。私は貴方を失いたくはないのです。」


 だって、貴方は私の大切な友達なんですから。

 その言葉に反応してかそうでないのか、フレアが身じろぎました。そして、ゆっくりと目を開きました。


「…あれ?ルナ?ここは…。確かドラゴン倒した後に、魔力の使い過ぎで意識飛ばしちゃって…。」


 私はその言葉を聞いた瞬間、無意識のうちにフレアに抱き着いてしまいました。


「ん、どうしたの?ルナ?そんなに心配だった?」

「はい、心配でした。もう目を覚まさないんじゃないかとか思っちゃいました。」

「あー、そうなのね。ごめんね、心配かけて。」

「大丈夫ですよ。こうして目覚めてくれたんですから。」


 そう言って少し離れて笑いかけたところで私は頬を流れているものに気がつきました。


***


 目を覚ますや否や、すぐにルナに抱き着かれちゃった。つい頬に熱を感じてしまう。なんでかなあ、これ。ルナが離れたときは少し心細くなっちゃった。


「少し取り乱してしまいました。目を覚ましてすぐで申し訳ないのですが少し政治的というか、なんというか、そういう関係の話をしたいのですが大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫。その話って?」


 目覚めた直後にするということは急を要する内容なんだろうな、と思って話を聞くことにした。

 どうやらドラゴンとの戦いについて、いくつかの団体が話を聞きたいらしい。で、その時に話の辻褄を合わせる必要があるからそこについて決めたいみたい。如何せん、ルナが魔法らしきものを使ってたのが結構厄介みたい。


「それなら私達で作った魔道具で放ったものってことにすればいいんじゃないかな?」

「はい、私も同意です。多少違和感があっても見ていたのは軍か冒険者ギルドの職員のみのようなので。箝口令が敷かれていることもあってあまり問題にはならないでしょう。」

「じゃあそれで行こうか。で、その団体ってのは?」

「確か軍、冒険者ギルド、それと教会ですね。」


 教会。なるほど、そこは魔法を禁忌としているんだからそりゃこの国の王女であるルナが魔法を使ったってことになるととんでもなく都合が悪いよね。なら他国の、それも魔法の存在する国の王女である私が魔法を使ったってことにした方が都合がいいよね。


「で、その聞き取りってのはいつくらいになるの?」

「できれば早めがいいそうですが、フレアがこのように眠り続けていたのもあってこちらの都合にある程度は合わせてくれるようです。」

「んー、じゃあ明後日くらいで調整してもらおうかな。」

「はい、わかりました。関係各所に伝達してもらいますね。」


 そう言って恐らくその旨を伝達しに行くためにルナは外へと出ようとする。


「あ、そうだフレア。」


 部屋を出て行こうとしたところでルナがこちらへと振り返った。なんか嫌な予感。


「ドラゴン戦関係で祝勝会みたいなのを両国合同でやることになりました。外交的な側面も大きいので逃げられません。ダンスの練習とかドレスの用意とかが必要になるから覚悟しといてくださいね、とのことです。」


 え?ちょっと待って。なんかすごくめんどくさいことになった?最後のはもしかして母上からの伝言?ドラゴンを倒した結果として無事厄介事まで降って湧いてきてしまったと頭を抱えてしまうことになった。


是非是非、評価お願いします!

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