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Princesses' Fairytale~魔法と科学の出会いは何を魅せるのか?  作者: 雪色琴葉
第一章:二人の王女と新たな世界
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第25話:二人の王女と勉強会と魔道具

 ルナの離宮に帰ってきた後、勉強会が始まった。数学の式の意味だったり、化学で使う用語とか、まあいっぱい出てくる出てくる。


「どうですか?理解できていますか?」

「うーん、まあなんとか。何日かかけてしっかり頭に入れれば大丈夫だと思う。」

「なら、よかったです。」

「しかしねえ、新しいことを知るってやっぱり楽しいことだねー。初めて魔法を学んだときのこと思い出すなあ。」

「そうですね、新しいことを知るというのはすごく楽しいことだと私も思いますね。まだ続けますか?」

「そうだなあ、うん、もう少ししようかな。」

「ええ、喜んで。」


 そうして二人だけの勉強会をしているうちに夜は更けていく。


 翌日、私達は昨日と同じようにアカデミーへと向かう。昨日ある程度教えてもらってメモを取ってあるけど今日はどうかなあ。ちょっと不安ではあるけど、昨日よりは、ましかな?どうだったかというと、講義の内容の理解度は昨日よりも格段に上がった。昨日唯一理解できた生物学もそうだけどやっぱり基礎を知っていると理解度が上がる。何よりも楽しい!


「フレア、今日は理解できましたか?」


 ルナが不安げに様子を見るように確認してくる。


「んー、いくらかわからない場所はあったけど昨日よりも圧倒的にましだったかな。」


 その答えにホッとしたのかルナは笑みを浮かべる。


「ならよかったです。では、次の講義に行きましょうか。」

「だね!次の講義はなんだっけ?」

「次は化学だったはずですよ。確か次の講義室は…。」


 そうしてアカデミーでの時間は過ぎていく。


 アカデミーでの一日の講義終了後、ルナの離宮に戻ってきた。


「フレア、今日も勉強会をしますか?」

「うん、お願いしたいな。今日やったところなんだけどここが少しわからなくて…。」

「ああ、ここですか。これはですね…。」


 そうやってその日の夜も更けていった。


 そのように講義と勉強会の繰り返しの日々を繰り返しているうちに講義のない休日がやってきた。休日ということで前の実験関係でやりたいことがあるとルナに言うと、是非やりましょう、という返事が返ってきた。


「しかし、問題はどこで実験をするかですね。離宮の近くだと王城から普通に見えますし。王都近郊もやめた方がいいと。」

「んー、そこなんだよね。移動方法として空飛びたいんだけどそれも私の魔法だからなあ。」

「まあ、とりあえず移動しながら考えましょうか。」

「そうだね、とりあえず行こっか。」


 そう結論付けて二人で王都の外へと向かう。私はオストに頼んでいたもの一式と今まで使っていた実験道具の一部を籠に入れて持った。ルナはええと、前に持っていた銃と私に試してほしいと渡してきた魔法を撃てる銃、それと他にバケットのような物に何か物を入れている感じかな?

 王都から出て一時間くらい歩いたちょっとした森に着いた。


「ここら辺からなら大丈夫ですかね。」

「ここからだと街道が近いからもう少し奥に行こうか。」

「そうですね、行きましょう。」


 そうして、街道から外れた森にほど近い場所まで来た。んじゃ、早速だけど、と言いながら私は持ってきたもののうちの一つ、魔法の箒をルナに渡す。


「これを使ってみてほしいんだ。」

「ええと、これってフレアの使ってた飛行補助用の箒ですよね?使ってみてと言われても使えない…、いや、これ魔石がはめ込んでありますね。つまりこれって…?」

「うん、思っている通りのものだよ。これはこの前の杖と同じ感じで飛行魔法の術式を刻み込んだ飛行専用の魔道具だよ。見た目は私が使っているやつのおそろいね。」


 ルナは私が渡した箒を観察している。おもちゃを与えられた子供のようにみえる。


「では、使ってみますね。」


 ルナはその箒に跨って使おうとする。ええっと、ここを動かせばいいんですかね、と言いながらルナは魔道具を起動させた。すると、刻み込んだ術式が淡く光って飛行魔法が発動し、箒に跨ったルナがふわふわと浮きあがった。


「うわ、すごい、本当に浮きました。このまま飛んでみていいですか?」

「うん、大丈夫だよー。乗馬とかやったことあるならその要領で体重移動させれば進む方向決めれるから。高さは安全のためにそれくらいの高さ維持するようにしてあるよ。」

「はい、わかりました。では、行ってきますね。」


 そう言ったルナは地面を滑るように飛んで行った。すいすいと空を駆けるのが見える。初めて使ったにしてはしっかり制御できてるなあ。あれ私の飛行魔法と違って曲がったりする方法が体重移動だから制御大変だったんだけどなあ。そんな感想を抱きながら見ていると不意に箒の挙動が不安定になった。あ、やばい、大事なこと言い忘れてた…。そんなことを思うと同時に、ルナの元に駆ける。思ったより距離がある。なら、飛行魔法を使うしか。その一心で空を舞う。ルナの元にたどり着いたとき、ルナは完全に空中で態勢を崩して勢いのままに地面に叩きつけられそうになっていた。とにかく、間に合って。その思いが届いたのかルナが地面に衝突する前になんとか受け止められた。でも、これじゃ、二人まとめて転がるだけかな。


「〈エアクッション〉!」


 それを防ぐために、空気でクッションを作って衝撃を抑えた。それでも、衝撃が和らいだあとに少し地面を転がることになったんだけどね。


「ルナ!大丈夫?」

「はい、大丈夫です。」

「ごめん!大切なこと言うの忘れてた!」

「もしかして魔石切れですか…?途中で魔法が発動しなくなったので。」

「うん、そう。この箒って飛行魔法の術式をすべて刻み込んだもんだから魔力消費が激しいの。」

「なるほど、そういうことですか。」


 そこまで話して二人とも立ち上がって怪我がないのを確認した。


「最後は落ちちゃいましたけど、とても楽しかったですよ。」


 ルナはその言葉の通りの顔をしていた。


「他にもやりたいことがあるんでしょう?もっとやりましょう?」

「だね、もっと実験の続きをしよっ!」


 そう言い合った二人での実験は続いていく。



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