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Princesses' Fairytale~魔法と科学の出会いは何を魅せるのか?  作者: 雪色琴葉
第一章:二人の王女と新たな世界
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第20話:二人の王女と交換留学の続き

 ルナが帰国してから大体一月が経った。今度は私-フレアニア・フィア・ヘカテリアーがルナのいる国、エクスマキナ王国に向かう日が迫ってきている。それで、私は今、ルナのところに持っていきたいものの受け取りに来ている。


「やっほー、オスト!頼んでたものを取りに来たよ!」

「なんだ、姫様。頼まれてたものならそこにまとめて置いてあるぞ。」


 そう言ってオストが指差した先には確かにそれらしきものがある。確かめてみると一つは私が普段使っている箒とぱっと見は同じもの、もう一つは私用の二本の新しい剣、そして最後の一つは実験で使用してた杖の改良版だった。


「うんうん、ばっちりだね!さすがだよ、オスト!」

「まあな、今まで一体いくつの姫様の頼む奇々怪々な魔道具を作ってきたと思ってるんだ。」

「奇々怪々って…。まあ否定はしないけどさ。まあ私への文句は置いとくとして、料金はここに置いてくね。」

「おう、いつもありがとな。そういや姫様は明日出発か?」

「そうだね、楽しんでくるかな。」

「楽しむ、か。ま、姫様らしいな。」

「それじゃ、まだ用意することあるから王城に戻るね。これからも御贔屓にー!」


 私はそう言って頼んでいた物を持って外に出る。また頼みに来るからねー、と言うと、待ってるからな、と返ってきた。オストと今日は会わなかったけどコレイには本当に感謝してるんだよね。今度何か用意してプレゼント、とかしてみようかな。


 そして、私が出発する日になった。ええと、持っていくものは昨日のうちにまとめておいたから、うん、これで大丈夫。そうして荷物を確認した後に部屋を出る。荷物を侍女に預けた後、執務室に向かう。入ると父上が待っていた。


「父上、出発の挨拶をしに参りました。」

「うむ、しばらくフレアはこの国にいないのだな、静かになるな。」

「…父上、私はそんな騒がしいようなものって扱いなのですか?」

「否定できるのか?」


 そう返されてぐうの音も出なくなってしまった。なんか悔しい。


「まあ、それはそれだ。ヘカテリア王国で見識を広げてきてくれ。期待しているぞ。」

「わかりました、父上。」


 最後、なんか適当にあしらわれた感のある挨拶をした後、出発地へと向かいます。

 出発地に着くと、すでに馬車の用意はできていました。ただ、荷物の運び込みはまだ終わってないみたい。ならまだ馬車に乗らなくてもいいか、と思って空を見上げる。


「ルナは今、何してるのかな?」


 これから会いに行く人のことをつい思い浮かべてしまう。作ったものを見せたらどんな反応をするのかな?

 どうやら荷物も積み終わって本当の意味で出発の用意ができたみたい。それに私は乗り込んでルナの待つ国、エクスマキナ王国へと出発した。


***


 今日はフレアが私の国-エクスマキナ王国-に着く日です。私は今、彼女を乗せた馬車を門で待っています。多分もうそろそろ到着の時間だと思うのですが…。そう思っていると、道の先にそれらしきものが見えました。それが大きくなるにつれてそれがフレアを乗せた馬車であることの確信度は上がっていきます。そして、馬車が目の前に止まり、扉が開いたと思うと、中から何か飛び出してきました。


「ルナー!会いたかったよー!」


 そう言いながら飛んできたフレアは思いっきり抱き着いてきました。


「ねえねえ!貴方のために色々新しく用意したよ!」

「フレア、わかりました、わかりましたから。一回離れてください。動けません。」

「おっと、ごめんね。つい嬉しくて。」


 そう言ってフレアは離れていきます。


「では早速ですが行きましょうか。」

「ん?どこに?」

「交換留学の間の貴方の部屋。」

「なるほどね、荷物結構あるんだけどそれは?」

「あとで持ってきてもらいましょう。」

「あー、まあそうしてもらおうかな。」


 そう話したあと、私はフレアとその部屋のある場所、離宮へと向かいました。


「ここが貴方が過ごす部屋ですね。」

「おー、結構広いね。これなら色々と作業できそう。」

「…壊さない程度にお願いしますね。私の部屋はここの隣なので何か用があったらいつでも来てもらって大丈夫ですよ。」

「うん、わかった。」


 フレアはここから少し荷物の運び込みがあるみたいなので私は部屋に戻りました。私の部屋にはフレアに試してもらった銃もどきの改良型が置いてあります。結局私が試すことはできないのでフレアに試してもらわないといけないのが悔しいところです。


「今日の残りの予定はフレアを連れてお父様に挨拶をしに行くくらいですね。そうなると…。」


 いつものように考え事をしていると扉が叩かれる音がしました。あれ?フレアは今は来れないはずでは?と何か不審に感じながら扉を開けます。


「やあ、ルナ。」


 扉を開けた先にはお兄様-スペランテ・ボナ・エクスマキナ―が立っていました。


「お、お兄様…?一体何用で?」

「いや、今日からヘカテリア王国の王女殿下がいらっしゃるのだろう?私も少し挨拶をしようと思ってな。」

「はあ、そうですか。で、本当の目的はなんですか?」

「見極め、だよ。ルナが好ましく思っているのなら大丈夫だろうけど一応ね。」

「…フレアは今荷物の運び込みとかをしているみたいなので私の部屋で待っていてください。」

「そうさせてもらうよ。すまないね。」


 そんなやり取りの後、私はお兄様を部屋に入れることになったのでした。


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