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Princesses' Fairytale~魔法と科学の出会いは何を魅せるのか?  作者: 雪色琴葉
第一章:二人の王女と新たな世界
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第17話:二人の王女のそれぞれ

 今日は、フレアと実験をして、魔物を討伐して、冒険者ギルドに寄って、とにかく充実した休日を送りました。今は王城の自室で寝る準備をしています。まあ、寝る準備はしましたが、実際にはやりたいことがまだ残っているのですが。それの達成のためにフレアの部屋の前まで来ました。扉を叩こうとすると同時に独りでに扉が開きました。


「あ、ルナ、丁度いいタイミングだね、私もルナと話したいことがあったんだよね。ささ、入って入って。」


 どうやら、フレアも何か考えがあったようです。促されるままにフレアの部屋に入ります。


「んじゃ、結局してなかった今回の実験の振り返りをしようか。」

「はい、まず、それから行きましょう。」


 と、二人で今回の実験の振り返りをしました。内容としてはまず、魔石から魔力を抽出するという実験は成功であり、それに付随して行ったその魔力を魔法に直接変換する、という実験も成功したということは両者一致しました。しかし、その後、魔物との偶発的な戦闘でやたらめったら使った結果、魔石から魔力への抽出効率について検討ができなかったため、そこを探るためにも実験自体はもう少しすべきである、ということになりました。それに伴って、他の魔法を発動させる場合についても試すべきだということになったので、魔道具を追加でいくつか発注し、複数種類の魔道具で実験をすることになりました。


「じゃあ、魔道具の発注とかそこに術式を刻み込むのは私がやっとくかな。」

「ありがとうございます。何か手伝えることはないでしょうか?」

「んー、そうだね、残念だろうけど特にないかなあ。」

「はあ、わかりました。」

「まあ、魔道具を使う実験には付き合ってもらうけどね。」


 そんな感じで次の実験についてやることなどをまとめていきます。内容の問題でほとんどがフレアがすることになりそうですが…。


「そうなると、私って一人でいる時間が増えますよね?」

「そうなるかな。んー、図書館とか行ってみたらどうかな?」

「図書館ですか、確かに気になりますね。」

「なら学院に話通しとくね、この国では学院内の図書館が一番大きいから、そこで十分なはず。」

「ありがとうございます。しばらく篭ります。」


 大体今後何をするかを考えてもうそろそろ解散しようか、となりました。


「あ、そういえば実験の振り返りもそうですが、まだやりたいこと、というよりも知りたいことがありました。」

「ん?何?」

「魔法の術式についてですが、それについて様々なものをまとめたものはありますか?」

「確か図書館にも一応あるよ?数は少ないけどね。私がまとめたやつなら今からでも渡せるよ。」


 フレアはそう言った後、棚からファイルを引っ張り出しました。


「はい、これ。一応同じのをもう一冊作ってはあるからしばらくそのまま持ってても大丈夫だよ。」

「ありがとうございます、フレア。」


 フレアは私に対して笑いかけてきて、おやすみ、また明日、と伝えてきます。それに対して私ははい、おやすみなさい、と返して部屋を出ました。

 部屋に戻った後、寝る前に早速フレアから借りた術式をまとめたものを確認します。最初に術式を見たときからわかってはいましたが、読めない、というか理解できません。そこで、その術式を図形として見てみます。一応その術式の前に何の魔法なのかが書いてあるため、何が起こるかは理解できます。そのように見たとき、同じような効果を発動する魔法では術式に共通点があるのでは…。それについて考察しているうちに夜は更けていきました。

 それ以降、私とフレアは学院での講義のとき以外は別行動になることが増えてきました。私は図書館に通い、本からヘカテリア王国の歴史や魔法、精霊信仰、文化についての情報を得ています。また、それと並行で術式に関する疑問点についての考察もしています。フレアは次の実験の準備が中心のようです。たまに魔物討伐に出向いてたりもしているようですが…。必要なことなのでしょう。フレアが無事ならそれでいいのです。

 そんなことをしているうちに、私がこの国で過ごす時間は残り一か月ほどになっていました。フレアが慌ただしく動いている間に、術式に関する疑問点は解消し、そこからさらに試したいことができたので、オストさんとコレイさんの鍛冶屋に出向いて、少し依頼して物を作ったりしてもらっていました。依頼したものの設計図を見せたとき、二人は怪訝な目をしていましたが、無事協力してもらえました。今はその依頼したものを取りに行っています。フレアは今日は部屋で魔道具の仕上げをすると言っていました。そのため、その道中は一人です。二か月過ごしている間にこの国の雰囲気にもだいぶ慣れてきて、行ったことがある場所なら迷わずに行けるようになりました。そんな慣れてきた道を通っていき、目的地にたどり着きました。


「こんにちは。依頼していた物を取りに来ました。」

「おう、ルナ王女殿下。依頼されていた物はできているぞ。」


 店で待っていたオストさんはそう言ってそれを私に渡してきます。布越しですが、持った感じは私が使っていた物にかなり近いです。


「さすがですね…。この国にはない構造の道具を頼んだというのに。」

「大変だったんだぞ?俺一人じゃ難しいもんだから何人かの職人に声をかけたんだ。」

「はい、ありがとうございます。これでやりたいことができそうです。」

「しかし、これで何をするんだ?それとも、 フレア様の連れなら何しても不思議じゃないから気にするだけ無駄なのか?」


 フレアの扱いは一体どうなっているんでしょうか、とか考えて苦笑しながらも私はオストに今回の依頼料を払ってから帰路につきました。戻ったらこれを少しだけ加工したら作りたいものができる、はずです。戻ったら早速作業しましょう。


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