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蛍火

名残の夏

作者: 夏野ほたる

あなたの 白い

ワンピース

あの 子どもの

麦わら帽子


ソーダ水の泡

透明な空の青

入道雲の白さ

風の鈴の音色


季節に

足音はなく


褪せていた

強い 光は 

いつからか

色をもどす


蝉時雨の あと

虫たちの 囁き 

乾きだす 空気


坂道をのぼると

見える海に

きらきらと

こわれては

反射する波に


眩しそうに

目を細めた

あなたの

日傘の下の

白いうで


吹いてきた 風の匂い

ゆれている あなたの髪に

白い スカートに

まだ 夏を残している


とめられない

季節に

飛ばされた

麦わら帽子を


ほら 追いかけて


あなたは

つかまえようと

手を伸ばして


海の見える

あの坂道で

ふり返ったら


ほら 追いかけて 


名残の 夏









そろそろ金木犀の季節でしょうか。

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マイナスいちご(シンプル) マイナスいちご マイナスいちご(加工)
作製:歌川 詩季さま
― 新着の感想 ―
[一言]  色彩ははっきりしているのに透明感があって。  それでも強すぎない色合いが、名残たるところなのかな、と思えました。  風の鈴。澄んだ音まで聞こえてきそうです。
[一言] タイトルがこれ以外考えられないほどマッチしていますね。 惚れ惚れいたしました。 去っていく夏の記憶ってどうしてこうも美しいんでしょうか。 どの季節にも良さがあると思うのですが、夏の終わりの儚…
[良い点] 季節の終わりに感じる、淋しさや切なさが伝わってくるような詩でありました。 [一言] どの季節の終わりも淋しいモノですが……。 個人的には「春」の終わりが、一番切ないと思っております。
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