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拐われた剣豪

目が覚めると、柔らかいベッドの上だった。


側で15歳くらいの少女が居眠りをしている。

見慣れない部屋で周囲に危険がないことを確認してから記憶を辿った。



最後は雪山で魔女に氷漬けにされたはずだ。

両手を確認したが凍傷になった跡はみられない。


俺は死んだのか…?夢でもみているのか…?



情報を得るべく、目の前の少女を起こすことにした。



「…すみません、ここがどこだか教えていただけませんか?」


明らかに歳下にみえるが、状況的に考えて魔女の可能性が高い。

ここが現実だとして、縛られていない上に寝ているのは余裕があるのだろう。


とりあえず敬語を使うことにした。



少女は眠たげに目を擦るとこちらを見て、俺が起きたことに気付いた。


「おぉ…!やっぱりカッコいい!!」


俺の大蛇討伐の噂でも聞いたのだろうか。

興奮気味に顔を寄せてきた。

振る舞いはとても幼くみえる。


「…そんな大したことはしてないですよ。」


相手が本当に子どもなのか探るように、謙遜してみせた。


すると少女は本棚から一冊の雑誌を取り出して少し照れながらみせてきた。


『天下の顔良しランキング 〜禁断の鎖国した倭国の秘密に迫る〜』


なんなんだ、この如何わしい書物は…。


見たくはなかったが、自身の情報が載っていると悟り、ページをめくる。


「…不敬すぎないか…?」


思わずそう呟く。


殿下の着物や弓道着姿、入浴中のところまで撮られている。


他にも知り合いが順位付けされている。


俺の写真はほとんど戦っている写真だが、危険な場所で撮影している人など見ていない。



撮影者の名前は〝マク〟と記載されていたが、記憶にない。


「ナツキお兄ちゃん」


目の前で微笑む少女は俺のことをそう呼んだ。


魔女なのか…?探りを入れるべく慎重に言葉を選ぶ。


「お兄ちゃんってことは…俺の方が歳上であっているのかな?」


目の前の少女は驚いたように目を丸くする。


「私は14歳だよ?」


見た目通りの答えに安堵した。これなら隙をついて逃げることも容易いだろう。


「なんで俺を攫ったんだ?」


少女の細い腕を掴み、圧をかける。


「痛い…っ。お姉ちゃんが誕生日プレゼントってくれたの。」


「お姉ちゃんっていうのは、あの氷の魔女のことか…?」


問い詰めたところで、小さな爆発音と煙が巻き起こる。


(なんだ…?)


煙が消えた視界には巨大化した少女がいた。


いや、違う。周りをみて自分が小さくなったのだと悟った。


「ワン…!!」


(…?…?)


声も出ない。


少女はニコニコとしながら俺を抱きしめる。


「逆らったり、私から1キロ離れると犬になっちゃうからね!」


自身の小さくなった小麦色の手をみて本当に犬の姿になったのだと分かる。


「氷の魔女のイザベラお姉ちゃんが、私にナツキお兄ちゃんをサポートして蛇を全部狩って魔石を回収して欲しいってことなの。今は、お兄ちゃんを人質に蛇の死体を全部貰う交渉してるんだって。」



(魔石…?大蛇の死体から出る宝石のことか?大蛇に滅ぼされるところをサポートしてくれるなら好条件だ。)


話したそうにしている俺をみて、少女は犬の姿を解いた。


「俺は国に戻れるってことか…?」


「うん。交渉が成立したら私と一緒に戦うんだよ。」


栗色のふんわりとした優しそうな少女が戦えるとはとても思えなかったが、国に戻れるなら従って損はない。


「そういえば、名前聞いてなかったな。」

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