第九十二話
「なんじゃあああああああああああああああああ!!! おまえらはあああああああああああああああ!!! 天下の往来でいちゃつきおってぇぇぇぇぇぇええええええええ!!!」
城下町からお城に戻ろうとしたところで、ガラの悪いごろつきに因縁を吹っ掛けられてしまった。
……さっきの変なおじさんといい、何でこの世界にはこんな人ばっかりいるの。
というか、私は輝夜といちゃついてなんかいない。決して。
「お前の顔見てると、イラつくんじゃああああああああああああああああああああ!!!」
あ、この個性的な口調はカーミラが創造したキャストだなと、一瞬で察した。
むしろなんでカーミラに執筆させてるの?
どうしてしずくちゃん達はカーミラを放置して何してるんだろう。
「はぁぁぁぁぁぁ……」
思わずため息が漏れてしまう。
「そこのお前、何でため息ついとるんじゃあああああああああああああああああ!! そのイケてる女子力ムーブがマジで最高にムカつくんじゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「いや、そんなに私はイケてる方ではないんだけど……」
「そんなの知らんのじゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
この日と何でこんなに語尾が長いんだろうとか。
そんなに叫んでのどが痛くないんだろうかとかツッコミどころはいっぱいあるのだけれど。
それはともかく、こんなのに関わりたくない、私は。
「はいはい、天下の往来ではお静かにね」
輝夜は静かに言葉を紡ぎ、やかましいおっさんの腹部に拳をめり込ませる。
「おあああああああああ……。お前は……俺のおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ……」
おっさんはそのまま崩れ折れてぴくぴくと痙攣している。
「ねぇ、輝夜。この町っていつもこうなの?」
「うーん。設定的にはボクの治める町はこんなへんてこな場所ではないはずなんだけどね」
頭をかきながら輝夜は苦笑いをする。
おそらく、しずくちゃんの設定を上書きする形でカーミラがどんどん設定を盛っているんだろうなぁ……。
はぁ……。
この状況、早く何とかしてほしい……。
というか、何とかなるんだろうか? 本当に。
縮小更新中なんじゃああああああああああ!!!




