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『吸血姫様』は百合百合したいっ!!  作者: 牛
序章 『吸血姫様』は―――
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第九話

 夕日が射す教室の中で私はぼんやりと目の前に広がった光景を眺めていた。


 私の前には衣服を開けたあられもない姿の飛鳥ちゃんが首元からうっすらと血を流し力なく倒れている。


 これは一体誰の仕業なのか。


 カチカチカチ―――。


 時計の秒針が時を刻む音が鳴り響く。


 その音が私を非現実から現実へと引き戻す。


 机の上にはいつの間にか戻ってきていたしずくちゃんが消しゴムを枕にしてすやすやと寝息を立てていた。



「……」



 まずいまずいますいいいいいっ!!!


 この現状の犯人ってどう考えても私じゃないか。


 どうしようどうしようどうしようっ。


 ぐるぐると巡る思考を頭の中でフル回転させながら私は慌てふためく。



「ふぁ~……五月蠅いなぁ……。ボク、もう少し眠りたいんだけど―――」



 そんな事をぼやきながら、寝ぼけまなこのしずくちゃんがふよふよと私の頭上に向かって飛んでくる。


 そして私の頭の上にへばりつくと。



「とりあえず、もう帰ろー、先輩ー」



 眠そうな声音でそう駄々をこね始めた。


 はっ……その手があったか。


 うん。


 これは見なかったことにしよう、そうしよう。


 私は手早く勉強道具を鞄にしまい込み、左を見、右を見て教室の扉から廊下へと飛び出す。


 よし、誰にも見られてない!


 階段を駆け下り、下駄箱が見えてきたところで、廊下は静かに歩きなさいと数学の先生に怒られたので、逸る足を諫めながらそれでも早歩きで校舎の外へ。


 校門へ向かう途中、門の隣でぼんやりと沈んでいく夕日を見つめている遥香を見つけた。


 ので。


 ゆっくりと私は遥香に気取られないように忍び寄り。


 遥香の胸のふかふかを両手で思いっきり揉んであげた。



「……!?……!?―――」



 声にならない叫び声を上げて遥香は固まってしまった。


 ふかふかふかふか―――。


 私はされるがままの遥香の様子を良いことに、遥香の肢体を思いっきり堪能する。


 ふかふかふかふか―――。


 あー、遥香のお胸はどうしてこんなに気持ち良いんだろう。


 ふかふかふかふか―――。



「……お嬢様っ?」


「……ボク、しーらないっとっ」



 何か声が聞こえたけれど華麗に既読スルー。


 ふかふかふかふか―――。



「……っ!!」



 ゴスッ!!


 遥香は振り向き様、手に持つ鞄を華麗に私の脳天にクリーンヒットさせた。



「きゅー……」



 私は脳天に直撃した鞄と共に遥香の横に倒れ込んでしまった。



「あら? どこかの変質者かと思いました。すみません、お嬢様♪」


「……っ―――!!」



 遥香は鞄を手に取りながら反対の手を口に当てながらホホホと嗤う。


 私は抗議の声を上げようとするけれども。


 鞄が直撃した脳天がズキズキと痛み反論することができない。


 こ、このクソメイド……っ!!!



「今後、そんな痛い思いしたくなかったら、こんな変体行為やめてくださいね♪」



 私をゴミ屑を見るような目で嗤いながら遥香は颯爽と迎えの車へと去って行く。



「……こ、この恨み、はらさでおくべきかっ……」


「……先輩ってエロバカだよねー……」



 しずくちゃんはため息をつきながらふよふよと私の頭の上に着地する。


 ……そこに着地されるととっても痛いんだけど。


 いや今はそんな事はどうでもいいしっ!!


 私はぐぬぬぬぬと歯ぎしりしながらご主人様をこんな目にあわせたメイドにいつ復讐してやろうかと思案を巡らせる。


 そして翌朝―――。



「……ッ!!」



 えへへへへへ、へへへへへ……。


 私は起きぬけにベッドのそばまでやって来た遥香の背後に回り込み、彼女のふかふかのお胸を思いっきり思う存分揉んでやった。


 ふかふかふかふか―――。



「だ、駄目です、お嬢様……っ!!」



 制服の上からブラを無理やり外して遥香の胸に両の手を這わせる。


 ふかふかふかふか―――。



「ちょ、やめ……。やめ……。おね……がいッ!!」



 その言葉と共に遥香の体が軽く跳ねると遥香は力なく床に崩れ降ちた。


 そしてそのまま遥香は床に座り込んで少し放心した後に、顔を耳まで赤くしてそそくさと廊下へと駆け出ていってしまった。


 そんな光景をパジャマ姿の私は満足そうに見つめつつ、ふぅ……と一つ息を吐く。



「……また、ヤってしまった……」



 あー、はるかのふかふかお胸はいつ揉んでも気持ち良いなぁ……。


 満ち足りた心地でまだ手に残る遥香のふかふかの感触を反芻する。



「うん。昨日の復讐も出来たし、今日も一日がんばるぞいっ!!!」


「……先輩ってっさー……女の子としてそうとうメンタルやられてるよね?」



 ドールハウスの机の上で、はぁ……とため息をつきながらジト目でしずくちゃんが一部始終を見つめていた……。


 うーん……私は私の欲望に忠実に生きてるだけなんだけどなぁ……。


 なんでこの考えは誰にも理解されないんだろうか。


 この世界は百合で満たされているべきだと思うよ、うん。


 だから、私は全然っ間違ってなんかいないっ!!


 世界の方が間違っているに違いない!!


 そう心に誓って私はいつもの如く姿見鏡に映る自分の姿に見惚れながら制服姿に着替えていく。


 ファサっと髪をかきあげて美少女お嬢様の出来上がり。


 神様、私を容姿端麗なお嬢様に生まれさせてくれて本当にありがとうございます!!


 毎日言いなりのメイドのふかふかを揉めるなんて、し・あ・わ・せ♪

評価、ブクマありがとうございます!

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