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『吸血姫様』は百合百合したいっ!!  作者: 牛
第二章 『百合百合』させて?
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第八十一話

 夕焼け空の下。


 私と遥香は二人並んで学園を下校する。


 しずくちゃんとしおりはそれぞれふよふよと私たちの周辺を飛び回っていた。


 今日も一日疲れたなーと思う。


 何でそもそも、キリスト教の信者でもないのに私が神に祈りを捧げなきゃならないのか。


 カトリック系の学園なのだからしょうがないことではあるのだけど。


 それがセクハラ行為に対する懺悔なのだから、しょうもない理由だとは思う。


 そんなことを考えながら歩いていると、正門に一際目を引く美少女が本を片手に立っていた。


 髪は銀髪、格好は修道服、そして何より際立っていたのは少女の顔立ち。


 めちゃくちゃ可愛くて、何より私好みの顔だ。


 この学園の関係者……なのかな?


 もしそうなら、ぜひともお近づきになりたい!!


 しかし、彼女の近くに歩いていくと、彼女の様子が何かおかしいということに気づく。



「いったいいつまで待ってればいいのよ」


「そうはいってもなー、そんな簡単に会えれば苦労はーーー」



 少女は本に向かって会話をしていた。


 あ、これ顔は良いけどやべー人だ。


 前言撤回、いくら顔がよくてもめんどくさい子とお近づきにはなれない。


 私と遥香はなるべくお関わり合いにならないようにこそこそと校門を抜けようとする。



「こらそこの『吸血鬼』!! 何こそこそ避けようとしているんだ」


「え? あ! ほんとだ、『吸血鬼』に『眷属』もいる!!!」



 少女は一人で何かと会話をしながら、私たちに向かって声をあげる。


 こんな公道で、人様のことを『吸血鬼』呼ばわりしないでほしいんだけどなぁ……。


 とりあえず、少女のことはスルーしてそのまま学園を出ようとすると、少女は何やら言葉を紡ぐ。



「捉え、囚われ、捕まえよ、フォールプリズン」



 その言葉とともに私たちの足はピタリと止まり、一ミリも体が動かせなくなってしまう。


 何をされたのか、わからない、けれど、これは……。



「だから、待てって言ってるでしょ『吸血鬼』のお二人さん」


「はぁ……あんまり関わりになりたくなかったのだけどね……」


「私達はあなたたちに用事があるの!!」


「私達?」



 少女は一人で立っているだけで、他に人はいないのだけども。



「そう、私、ミィア=S=レフィルと」



 少女は手に持った本をかざしながら。



「『聖典』アポカリプスがお前たちに用があるのだ」



 ミィアは一人、本を片手に腹話術をしていた。


 ……とってもかわいいのに残念な子だなぁ。



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