第八十話
あー、可愛い女の子とイチャイチャしたいなー……。
薄暗闇の支配するこの場所で私は一人妄想をする。
せっかくコロナも収まってきたのだし、同級生のあの子とあんなことやこんなこともしちゃったりして……。
うへへへ……。
ペシーン!!
私の脳天をスリッパで叩く音が静寂が支配する聖堂に響き渡った。
痛い……。
しかし、私は閉じた目を開けることなく、膝まづいて神に祈りを捧げる、『ふり』をする。
だって神様に祈ったって女の子とイチャイチャできるわけではないし。
そもそも、何で、この私が。
入来院家のご令嬢の、この私が。
たった一人で、懺悔のように神に祈らなければならないのか。
……まぁ私が全部悪いといえば悪いんだけれども。
ハロウィンパーティーに浮かれて、遥香の肢体を弄んだあと。
しおりにちょうどさっきみたいに頭を叩かれて悶絶していたら、珍しく私の屋敷にやってきたお父様にその惨状を目撃されてしまった。
そして、それから『なんでお前はそんなになってしまったのだ』だの、『何のために規律厳しいお嬢様学校に入れたのか』だのお小言を数時間いただいた後。
学園の担任に直接電話されてしまい、このように神に祈りを捧げることになってしまった、というわけ。
遥香の肢体を弄んだのはカーミラもなのにね。
何で私だけ、こんなことをしなければいけないのか。
私ばっかりこんな仕打ちを受けるって、世界は絶対に間違ってる!!
私が社会に出た暁には百合百合なことが社会的に認められるように尽力するよ!!
天の神様に祈りながら心の奥底で硬く誓いを立てる。
ペシーン、ペシーン!!
再び私の頭を叩く音が鳴り響く。
本当に痛いんだけど。
というか、そんなに私の欲望は駄々洩れ何だろうか?
こんな懺悔の時間なんて早く終わればいいのにな、と祈りを捧げながら私は願った。
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